読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

実録 関東昭和軍  田中誠 -モーニング-

2006-07-03 22:12:22 | 読んだ
週刊モーニングの今週号から、5週連続掲載 だそうである。
著者(?)は田中誠である。以前モーニングで「ギャンブルレーサー」を描いていた人。
ギャンブルレーサーというのは、競輪のお話で「関優勝」という主人公が・・・

で、今回は高校野球のお話。
実録、関東昭和軍、となっているが、関東昭和高校野球倶楽部の野球のお話。
といったって
「もちろん田中誠、一筋縄では参りません」
とあるように、ハチャメチャな内容である。

練習で毎日殴られ蹴られている野球部員たちは一流半、しかし、しごいてしごいて強くする。

己に勝て!相手に勝て!人生に勝て!勝てば官軍!勝てば正義!とにかく勝て!
と監督、コーチは叱咤激励する。

殴ったり蹴ったりすることで、技術よりも何よりもまずは何事にも動じない強い精神力の持ち主に鍛え上げ、そして組織に対する絶対的な忠誠心を植えつけ、戦う。

そして
ヘタに知的好奇心なんぞ持つと 自分の立場や現状に疑問を感じるようになってくっから 知らねぇ事は 知らねぇままでいい!
と断じる。

これによって関東昭和は練習試合で「ハッスルプレー」と「ラフプレー」を連発し、強豪校の脅威になるが、そこに思わぬ落とし穴が・・・

田中誠のマンガは、登場人物たちが我執に満ち溢れて、非常に乱暴な言葉を吐きむちゃくちゃな行動を行う。眉をひそめるようである。
しかし、現実はこのようにストレートではないにしろ、相当ひどいものではないか。奇麗事を隠れ蓑にして、平等だの平和だの愛だの助け合いなんていっているが、現実はこのマンガよりひどいんじゃないのか?
そう皮肉っているように思えるのである。

楽しみなマンガが一つ増えた。
田中誠のマンガは、あまり続くと辟易するところもあるので、5週連続くらいがちょうどいいのではないかとも思う、のである。



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