読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

歴史読本9月号-大日本帝国海軍「聯合艦隊」

2007-07-24 22:50:54 | 読んだ
まだ7月なのに9月号である。
今回の特集は、大日本帝国海軍聯合艦隊、であり、表紙には次の3つの特集が書いてある。

巻頭史論 日本海軍連合艦隊編成史
特集ワイド 日本海軍海戦全史
特集事典 日本海軍「名参謀」列伝

そして付録は「連合艦隊司令長官24人の全生涯」である。

男の子にとっては、戦争というのは「いけないこと」とは思いつつも「戦いたい」という本能を刺激するものだと思うのである。

歴史、というのは一面「戦い」を綴ったものでもある。
互いの正義を貫くための戦いだったはずなのである。
負ければそれが正義でなくなるのである。

そして、負けるには必ず原因があるのである。
楽天イーグルスの野村監督も言っているではないか
「勝ちに不思議あり、負けに不思議なし」

というわけで、このような特集を読むことによって分かるのは、負けが突然やってきたわけではなく、太平洋戦争において負ける下地はもしかしたら幕末維新、あるいは徳川幕府の創成までさかのぼるのではないかなどと思ったりもするのである。

つまり普段の積み重ねが「いざ」というときに現れるわけであって、ゆえに国のあり方というのはものすごい長期的な感覚が必要であり、それによって現実の問題を解決してゆかなければならないのではないだろうか。

帝国海軍は、艦隊派と条約派に分かれて争ったあたりから急激におかしくなる。その派閥に別れて争う原因はまたその前にまかれていたりするのだが。
ともかく「今」を大切にするものと、「将来」を望んで今を我慢しようというものでは、概ね前者が勝ってしまう傾向が日本にはある。
そして、そういう組織は遂には壊滅してしまう。

そういう歴史をだれも学ばず、今日もまた「今」を大切にしようとする者が勝ったりするのである。

「将来」を大切にして今は我慢しよう!と呼びかけて勝つのには相当なエネルギーが必要なのだなあ、としみじみと感じるのである。

別冊の連合艦隊司令長官24人の全生涯を読むと、連合艦隊司令長官が一つのステップに過ぎない時代が多かったことに驚き、この連合艦隊をもって何者にも勝照ると思った者も多くいたことにまた驚くのである。

追伸
 今月の歴史読本はわが友N氏にこそ是非読んでもらいたいものである。

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