読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

風立ちぬ <映画>

2013-08-25 22:23:33 | 観た、聴いた
本日は、今人気の映画「風立ちぬ」を観てきた。

零戦の設計者として名高い「堀越二郎」と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を組み合わせた物語である。

約2時間、あっという間に終わった感じがして、おもしろかったなあ。
というのがあるが、実は映画を観ながら考えていたことがあった。

「純愛小説」を無性に読みたいときがある。
しかし、近頃はなかなかそういう小説が見当たらない。

その見当たらない理由が「風立ちぬ」を観ながら思いついたのである。

この「風立ちぬ」は、主人公の堀越二郎の「美しい飛行機を作る」という夢と、菜穂子との愛、という二つの糸で紡がれている。

そのどちらにも「障害」がある。
そしてその障害はどうしようもできないものである。だからそれを乗り越えるため、或いはあきらめるために努力するのである。

昔の物語には、どうしようもできない障害があった。
例えば身分制度、強い倫理風習、病気、国の制度・・・

このどうしようもないものが愛を阻む。
だから愛は純粋に燃え上がる。

今はすべてが自由である。何も遮るものはない。
好きだったら自由にくっつき、いやになったら他人の目を気にすることなく別れる。
昔は「離婚」といったらなにか後ろめたい思いや負の印象があったのだが、今や「バツ1」とか「バツ2」とかで、一種勲章のようなものになってしまった。

愛を遮るものが少なくなったから、あきらめることも少なくなり、ストーカーなんて発生する。
「夢はかなう」なんて言葉が大手を振って歩き始める。
私的には、かなわないから夢なのだと思うのだが・・・

そして、純愛の物語はなくなってしまった。

風立ちぬの中では「戦争」という時代の制約があり、結核という不治の病がある。
だからこそ、二郎と菜穂子の愛は燃え上がるのであり、更に、綺麗な思い出となるのだ。

というわけで、ものすごく綺麗な物語を、綺麗な絵で表現されている、つまり美しい映画だったなあ、というのが大きな感想であった。

で、本当に夢中になっていたので、声は竹下景子と國村隼しかわからなかった。
映画終了後のクレジットで、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、風間杜夫、大竹しのぶ、なんて出てきて驚いた。
で、ネットで見てヒェー!となったのであった。

次は「少年H」でも見ようかと思っている。
更に「おしん」も非常に気になっている。意表を突く配役というか、エーッ!という配役なので。

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