読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

極悪専用 大沢在昌 オール読物5月号

2010-05-17 22:21:34 | 読んだ
オール読物5月号から「新シリーズ」ということで始まった物語である。

不思議なことにというか何故なのか、大沢在昌の小説をこれまで読んだことがなかった。
「新宿鮫」シリーズが有名で、何度か読んでみようと思ったのであるが、本屋に行くと手に取ることがなかった。

これはもう「縁」の世界である。
今まで大沢在昌とは「縁」がなかったとしか言いようがない。

で、今回は「新シリーズ」ということで『読んでみよう』と思ったのである。

私はどうせ読むなら最初から読みたい。と思ってしまうのである。
本だけではない。
例えばプロ野球中継も、最初から見ないとなんだか落ち着かないのである。
もっとも、途中でやめる、というのはあるのだが・・・

さて、本物語は
「健康で何ひとつ体に不自由のない男が、定職にも就かず、クスリをやって、次から次に女に手をだし、裏家業でも最も蔑まれるようなこきたいない銭儲けをする」という望月拓馬というのが主人公である。

彼がなぜそのようなことが出来るのかといえば、祖父である望月塔馬が『政治家もヤクザも逆らえないような男』であることが要因である。

かれは祖父の後ろ盾を得て好き勝手なことをやってきた。
しかし、祖父はある男に
『(拓馬)が、本当にクズなのか、確かめてほしい。自分の前では、いい子ぶっているし、孫だという甘い気持ちもあって目が曇る。そして、クズだとわかったら、ためらうことはない。殺して捨ててくれ』
と頼んだ。

頼まれた男によって拓馬は拉致され「白旗」という男のもとへ送られる。

その白旗という男がやっている仕事というのが凄まじい。
マンションの管理人なのだが、そのマンションは秘密のというか危険な人たちが住むところ。
手榴弾を握った右手がゴミ集積所に捨てられているようなところなのである。

さて、拓馬のこれからはどうなるのか・・・
楽しみである。

新しい縁が生まれたのである。
だから読書はやめられない。

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