読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

凶笑面 -蓮杖那智フィールドファイル1- 北森鴻 新潮文庫

2008-11-05 20:07:15 | 読んだ
小説新潮10月号から「鏡連殺-蓮杖那智フィールドファイルⅣ-」の連載が始まった。
「邪馬台国」を扱うらしい。民俗学から考える邪馬台国ということであろう。

蓮杖那智については以前から気になってはいたのである。
で、多分小説新潮に掲載されたのは「なんとなく」読んでいたと思うのだが、明確に覚えていないのである。

ということ(以前から気になっていた)と「邪馬台国」ということから、今回はじっくりと読んでみようかと思ったのである。

そして、それではこれまでの蓮杖那智が関わった物語を読んでおかなければ、という切羽詰ったような気持ちに動かされて、本書を購入したのである。

蓮杖那智は、東敬大学助教授。
「フィールドワーク・民俗学各論2」を講義する。
「年齢不詳、端正な容姿、異端」の人である。

この蓮杖と助手の内藤三國が民俗学的或いは歴史学的な謎と、それにあわせて起こる殺人事件の謎を解くのである。

ゆえに「謎」は二つある。

民俗学に興味がなくてもなかなかに面白い。
<私好み>の物語である。

本書「凶笑面」には5編収められている。
蓮杖那智の特異な性格と助手・内藤の従順さ(情けなくなるほどである)という性格づけが、うまく機能していると思える。

解説(法月綸太郎)はシャーロック・ホームズとワトソン博士のようなコンビに似ており、なによりシャーロック・ホームズ短編集の様式である、といっている。
この解説がよくできており、ストーリーの構造分析はさすがである。(ただしこの解説を最初に読むのはやめたほうが良い)

というわけで、早速この短編集を読んだ私は、第2、第3を購入し、更には「宇佐美陶子シリーズ」にまで手を伸ばそうかと考えている。

なおこの「凶笑面」はテレビドラマ化されており、蓮杖那智を木村多江、内藤三國を岡田義徳演じている。(私は見ていない)
原作を読んでみると、ちょっと?マークの配役とも思える。

ともあれ、ちょっと私のなかでは「北森鴻」をまとめて読んでみようか、という雰囲気である。

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