読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

円朝の女~惜身の女(ひと)~ 松井今朝子 オール読物1月号

2008-02-23 22:14:27 | 読んだ
やっと復活である。
毎晩というかその日のうちには帰れない日々が続き、本を読む気にもなれなかった日々が続いていたのである。

やっと今日、ある程度解放されたのである。(といっても、家にいて仕事をしているのではあるが・・・ともかく家で食事を摂ることが出来るようになった)

それで、今日は久々に本屋に行き、定期購読をしているものを買ってきたのである。

まあ、そういう前置きではあるが、今回の「円朝の女」は、事故の前に読んで次に書こうと思っていたものである。

この「円朝の女」は前回の直木賞を受賞した、松井今朝子の作品である。
松井今朝子の作品には以前から興味があったのだが、どこかでうまくかみ合わずにいて『読みたいなあ』とおもいつつ読めずにいたのである。

今回から「新シリーズ」なのだそうで、今後も続くいわゆる「連作」になっていくんだろうと思う。
その第1回は「惜身の女」である。

円朝とはそもそも何か?ということもあるのだろうが、落語家である。
三遊亭円朝、三遊派の祖である。
明治期の人で名人と呼ばれた人、特に怪談話「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」とか「気団牡丹灯篭」とかを作り演じたということで有名である。

で、この円朝にまつわるというか関わった「女」たちを連作で描いていこうというのであると思う。

第1回に出てくる女は「旗本の娘」である。
語り手は、円朝の弟子であって今は「五厘」とよばれる「芸人にくっついて上前をはねる番頭のようなもの」だそうで、つまりはマネージャーであろう。

別段堅苦しい作品ではないので、すっと読んでしまえばいいのであるが、なかなか面白いので、ついつい引き込まれてしまった。
今回はいわゆる「プラトニック」な恋の話で、それだけになんだか甘いような酸っぱいような(つまりは甘酸っぱいのか)そんな読後感である。

次回は「ぐっと色っぽく」なるお話らしい。

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