読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

タイムスリップ明治維新 鯨藤一郎 講談社文庫

2007-04-13 23:59:08 | 読んだ
ちかごろマイブームの鯨藤一郎である。

タイムスリップ森鴎外の続編である。
ただし、主人公は森鴎外ではなく、渋谷の女子高校生「麓うらら」である。
そしてタイムスリップ先は「明治維新」の時代。

このシリーズの特徴は、タイムスリップによって歴史が変わる、ということである。
いや歴史が変わるということではなく、この小説で説明されているのは、大河なる歴史があってそこにタイムスリップによる歴史が変わるような出来事が起きると、大河なる歴史に支流ができるということらしい。パラレルワールドの概念に近い。

それは文庫本の74ページに図解されている。

ということで、タイムスリップによるタイムパラドックスを何とか説明している。

タイムスリップものというのは、このパラドックスをどうするか?ということが一つの問題であり、タイムスリップすることで何をするか、ということで、このパラドックスをまったく無視する方法があるのだが、鯨藤一郎のタイムスリップシリーズは、このパラドックスを物語の柱にすえているところがユニークである。

麓うららはタイムスリップをして歴史の支流に足を踏み込むのだが、なんとかして大河に戻そうと努力をする。

明治維新の黒幕は誰か?
という命題もあるが、これは私にとっては至極簡単なことであったので、あまり興味はわかなかったが、ともかく、今伝えられている歴史をうまく料理していると思う。

面白かった。(ただしこの物語で日本史を理解したというこうには疑問である)
鯨統一郎のマイブームはまだ続くようである。
コメント
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