尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

日本民芸館と駒場散歩

2017年03月16日 21時42分08秒 | 東京関東散歩
 昨日(15日)は相当に寒い日だったけど、シネマヴェーラ渋谷で昔の映画を見た後に、駒場まで散歩して日本民芸館を見に行った。東京のこっちの方はあまり知らないんだけど、地図を見ると歩けそうだ。東急文化村の前の道をひたすら行けば、東大駒場キャンパス。もう少し頑張れば、日本民芸館である。第2、第3の水曜、土曜には、西館(旧柳邸)が公開されている。そっちは見てないので、一度行ってみたかった。電車で行けば、井の頭線で渋谷から2駅が「駒場東大前」。歩ける範囲だった。
   
 昨年12月に柳宗悦を描く芝居を見て、柳宗悦に関しても記事を書いた。「柳宗悦をどう考えるか」である。それ以来、日本民芸館を再訪したいと思っていた。周辺は駒場公園や東大キャンパスで、これも前に見た「旧前田家本邸」(重要文化財、2018年9月まで工事のため休館中)もある。また近代日本文学館もある。なかなかいい道で見どころが多い。民芸館は気持ちのいい場所なんだけど、西館ともども写真不可なので、外観しか載せられないのが残念である。

 日本民芸館は、柳宗悦が収集した民芸品などを展示するために、1936年に開館した。その時に作られた部分(旧館)と石塀は、国の登録文化財に指定されている。柳自身が中心になって設計したものと言う。普通の美術館と違って、大きな部屋に展示物が広々と置かれている感じである。展示物の解説も少なくなっているが、それは見た人が自分の目でみてもらうためだという。だけど、外国人客も多いのに、日本語で簡単にあるだけなのは今ではちょっと問題ではないか。

 昔から何度か来ているけど、来るたびに「安らぎ」と「違和感」を覚える場所である。柳の思想・趣味を生かした「気持ちよさ」があるけど、同時に民芸につきまとう「これはどう評価すればいいんだろう」的な違和感もある。展示されているものの価値が測りにくいのである。僕には「いいとされているから、きっといいんだろう」ぐらいのものが多い気がしてしまうのである。
    
 中は撮れないけど、庭には小さな置物(道祖神みたいな)がいくつか置いてある。それも面白い。向かい側の西館(上の最初の写真、旧柳邸)も外観だけ。中へ入ると、公開部分は狭いけど2階にも上がれる。柳の書斎にも入れて、そこの本棚も興味深い。武者小路や有島武郎の全集、仏教関係の本、古事類苑がズラッと並んでいる。まあ、それほど珍しい作りではないから、柳宗悦に関心がない人が無理に見に来る必要もないだろうと思う。

 その前に、駒場キャンパスを通ると、ここはもとの「一高」である。その頃からの建物がかなり残っている。特に有名なのが、時計台のある「教養学部1号館」。1933年完成の旧一高本館である。他にも駒場博物館など、いろいろ見どころがある。時間の関係もあるけど、昨日は寒かったので、また別の機会にしようということにした。「一高ありき」という碑もあった。
 
 民芸館から歩いて駒場通りに出て、駅と逆に少し行くと「駒場Ⅱキャンパス」。ここにも昔の建物があり、入口真ん前の時計台がある「先端科学技術研究センター13号館」がよく見える。他にもあるようだけど、まあまたの機会ということで。
  
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