都知事選や都議補選はまだ書くことがありそうだが、ちょっと映画の話。タイ映画『ふたごのユーとミー 忘れられない夏』という映画にとても感心した。多分知らない人が多いと思う。新聞の映画評を読んで見てみたいと思ったけど、僕もそんな映画をやってるのは知らなかった。調べてみると、東京23区内でも新宿ピカデリーと池袋HUMAXシネマズの2館しか上映してない。6月28日公開で、12日からはもう朝か夜の時間しか無くなってしまう。しかし、この映画は奇跡の思春期映画であり、「ガーリー・ムーヴィー」史上に残る傑作だと思う。タイ映画なんて見たことないという人にこそ是非見て欲しい映画だ。
「ユーとミー」と題名にあるが、これは「あなたと私」ではない。それも掛かっているんだろうけど、タイの少女の名前がユーとミーなのである。二人は一卵性双生児で、ホクロがある方がミー、ない方がユーというぐらいしか違わない。だから二人は時々周囲を欺して遊んでいる。食べ放題の店で大量に注文し、途中でトイレに行って交代するとか。この方式で、数学が苦手なユーの代わりに、ホクロを隠してミーが追試を受けた。鉛筆を忘れて困ってたらハーフの男子が鉛筆を折ってミーに貸してくれた。
(ユーとミー)
何でも一緒の二人だが、そんな二人にも「大人の影」が…。両親の仲がどうもうまく行ってないらしい。二人は夏休みに海外に行きたいのに、今年の夏は母親の実家で過ごすという。それがイサーン(東北地方)のナコンパノム。ラオス国境にあるメコン川沿いの町だ。ミーは昔やった思い出の伝統楽器ピン(三弦の弦楽器)を見つけて、もう一回ちゃんと習いたいと思う。教室に行ってみたら、そこには何と追試で(ミーが)会った男の子マークがいたのである。親切に教えてくれるマークにユーはお熱になるが、彼は実際に追試を受けたのがミーとは知らない。実際に試験で会っていたミーも交えて3人でよく遊ぶようになるが…。
(ユーとミーとマーク)
世の中は「2000年問題」で大騒ぎの1999年。一応説明しておくと、コンピュータ時代が始まって間もなく、時間設定が1900年代分しか出来てないため、2000年になった瞬間に大問題(飛行機が落ちるとか原発事故が起きるとか)が起きるかもと言われたのである。そして事業に失敗した父と母はホントに離婚するらしい。いつも一緒だったユーとミーだが、父はどっちか一人は父親と暮らして欲しいらしい。姉妹の「三角関係」も、親の離婚に翻弄される話も今までにあったけど、それが一卵性双生児の場合だったらどうなるんだろう。映画ならでは「奇跡」も交えて、二人の夏は劇的に過ぎていって…。そして運命の2000年がやって来る。
(ホンウィワット姉妹監督)
この映画の監督・脚本は、ワンウェーウ & ウェーウワン・ホンウィワット姉妹という二人。実際に監督たちが一卵性双生児で、二人の経験が脚本にたっぷりつぎ込まれているらしい。世界に「兄弟監督」はいるけれど、「一卵性双生児姉妹」という映画監督は他にいないだろう。とても覚えきれない名前だが、弾けるような思春期の輝きを映像に閉じ込めた奇跡の映画だ。もう一つスゴイ奇跡があって、僕は映画を見ている間ずっと演じているのも一卵性双生児姉妹なんだろうと思っていたのだが、ラストのクレジットを見たら一人になっていた。ティティヤー・ジラポーンシンという2005年生まれの少女の二役だったのである。
上記画像を見れば、誰でも二人の女優が出ていると思うだろう。むろん現代の技術をもってすれば一人二役も可能なんだろうが、それにしてもこんなに自然に双子を演じ分けるって、演技も演出も半端ない才能だ。マークも新人のアントニー・ブィサレーで、ベルギー人の父とタイ人の母の間に2004年に生まれたという。監督も俳優もフレッシュな魅力にあふれている。当時の歌が流れるが、タイなんだから僕は知らないけど、それでも懐かしい。思春期映画にふさわしいノスタルジックでガーリーなムードに覆われているが、監督の緻密な映像計算にすっかりハマってしまう映画だ。
「ユーとミー」と題名にあるが、これは「あなたと私」ではない。それも掛かっているんだろうけど、タイの少女の名前がユーとミーなのである。二人は一卵性双生児で、ホクロがある方がミー、ない方がユーというぐらいしか違わない。だから二人は時々周囲を欺して遊んでいる。食べ放題の店で大量に注文し、途中でトイレに行って交代するとか。この方式で、数学が苦手なユーの代わりに、ホクロを隠してミーが追試を受けた。鉛筆を忘れて困ってたらハーフの男子が鉛筆を折ってミーに貸してくれた。
(ユーとミー)
何でも一緒の二人だが、そんな二人にも「大人の影」が…。両親の仲がどうもうまく行ってないらしい。二人は夏休みに海外に行きたいのに、今年の夏は母親の実家で過ごすという。それがイサーン(東北地方)のナコンパノム。ラオス国境にあるメコン川沿いの町だ。ミーは昔やった思い出の伝統楽器ピン(三弦の弦楽器)を見つけて、もう一回ちゃんと習いたいと思う。教室に行ってみたら、そこには何と追試で(ミーが)会った男の子マークがいたのである。親切に教えてくれるマークにユーはお熱になるが、彼は実際に追試を受けたのがミーとは知らない。実際に試験で会っていたミーも交えて3人でよく遊ぶようになるが…。
(ユーとミーとマーク)
世の中は「2000年問題」で大騒ぎの1999年。一応説明しておくと、コンピュータ時代が始まって間もなく、時間設定が1900年代分しか出来てないため、2000年になった瞬間に大問題(飛行機が落ちるとか原発事故が起きるとか)が起きるかもと言われたのである。そして事業に失敗した父と母はホントに離婚するらしい。いつも一緒だったユーとミーだが、父はどっちか一人は父親と暮らして欲しいらしい。姉妹の「三角関係」も、親の離婚に翻弄される話も今までにあったけど、それが一卵性双生児の場合だったらどうなるんだろう。映画ならでは「奇跡」も交えて、二人の夏は劇的に過ぎていって…。そして運命の2000年がやって来る。
(ホンウィワット姉妹監督)
この映画の監督・脚本は、ワンウェーウ & ウェーウワン・ホンウィワット姉妹という二人。実際に監督たちが一卵性双生児で、二人の経験が脚本にたっぷりつぎ込まれているらしい。世界に「兄弟監督」はいるけれど、「一卵性双生児姉妹」という映画監督は他にいないだろう。とても覚えきれない名前だが、弾けるような思春期の輝きを映像に閉じ込めた奇跡の映画だ。もう一つスゴイ奇跡があって、僕は映画を見ている間ずっと演じているのも一卵性双生児姉妹なんだろうと思っていたのだが、ラストのクレジットを見たら一人になっていた。ティティヤー・ジラポーンシンという2005年生まれの少女の二役だったのである。
上記画像を見れば、誰でも二人の女優が出ていると思うだろう。むろん現代の技術をもってすれば一人二役も可能なんだろうが、それにしてもこんなに自然に双子を演じ分けるって、演技も演出も半端ない才能だ。マークも新人のアントニー・ブィサレーで、ベルギー人の父とタイ人の母の間に2004年に生まれたという。監督も俳優もフレッシュな魅力にあふれている。当時の歌が流れるが、タイなんだから僕は知らないけど、それでも懐かしい。思春期映画にふさわしいノスタルジックでガーリーなムードに覆われているが、監督の緻密な映像計算にすっかりハマってしまう映画だ。