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尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

伊豆・河内温泉の金谷旅館、もう一つの「千人風呂」ー日本の温泉⑬

2022年01月23日 21時23分06秒 |  〃 (日本の山・日本の温泉)
 関東地方では北茨城の五浦観光ホテル別館大観荘を取り上げたが、次は静岡県の伊豆半島の温泉。厳密に言えば関東ではないが、昔から多くの文学、歌、映画に出て来て関東人にはなじみ深い。小さい頃からテレビを付ければ、「伊東に行くならハトヤ、電話はヨイフロ(4126)」とCMを流してた。だから3時のおやつは文明堂(のカステラ)、温泉旅館はハトヤだと思って育ったが、ハトヤにはまだ行ったことがない。それでも伊豆は子どもの頃には家族で行き、学生になると合宿で行き、勤めてからは職員旅行で行った。もちろん結婚してからは夫婦で何度も行っている。夏は海、冬は避寒で良く行くところで、思い出がいっぱいある。

 昔は団体旅行向けの大旅館が立ち並んでいたが、最近は家族向けの小さな旅館も多くなってきた。東京から近いだけに超高級旅館から、昔風の小さな宿までいっぱいそろっている。山もあるから秘湯の宿もあるし、川端康成が「伊豆の踊子」を書いた宿などもある。そんな中で書いてみたいのは、河内温泉金谷旅館というところである。場所は伊豆急線で下田の一つ前の蓮台寺(れんだいじ)。ここは温泉ガイドや旅番組などには何故かあまり出て来ないけれど、「もう一つの千人風呂」があるのである。千人風呂と言えば、温泉ファンなら誰でも青森の酸ヶ湯温泉を思い出す。しかし、東京に近いこっちの千人風呂はあまり知られていない。
(金谷旅館の千人風呂)
 もちろん千人が入れるかと言えば、それは無理である。「八百万」(やおよろず)と言うような誇張表現である。でも間違いなく大きい。伊豆のほとんどの温泉と同じく、透明な単純泉があふれている。もちろん源泉掛け流し。酸ヶ湯は昔からある湯だから「混浴」だったが、今は男女で仕切っている。こちらも混浴だが、女性用の「万葉風呂」からタオル着用で入って来られるようになっている。女性側からだけ開けられる鍵があって、千人風呂から万葉風呂には行けない仕組み。他に家族風呂もある。
(千人風呂)
 この地域の温泉はまとめて蓮台寺温泉とか下田温泉ということもある。金谷旅館はその中で、河内温泉と称している。下田は幕末の開港地として史跡も多く、宿が多い。しかし、下田地域には温泉は出ず、蓮台寺から引き湯している。金谷旅館は「日本一の総檜風呂」を誇っているが、案外知ってる人がいない。昔のホームページには社交ダンスが出来る練習場などがあると出ていた。先ほど見たらホームページがキレイになっていて、風呂や部屋、料理以外に宿の情報がなくなっていた。(僕がちょっと見た感じでは宿泊代も見つからなかったんだが…。)風呂は1000円で日帰り入浴もできると出ている。
(金谷旅館) 
 伊豆は山海の恵みがウリだが、やはり海の幸である。中でも伊勢エビや金目鯛。魚が食べられないとつまらないだろう。あちこちに温泉のある漁師旅館みたいなのがある。気候温暖で温泉がいっぱい、海山の幸に恵まれるとあれば、移り住みたいという人も多い。僕もそれもいいかなと思うんだけど、時々地震がある。そもそも伊豆半島は南から本州島に衝突して半島になった。ジオパークにも指定された地学的にも貴重な地形である。だからこそ温泉にも恵まれるんだけど、逆に災害の危険性もある。

 それはともかく、今年の大河ドラマにも出て来るように、鎌倉から戦国、幕末と史跡も豊富。美術館もいっぱい、登山やハイキング、文学散歩など様々な観光メニューがある。中伊豆の修善寺から湯ヶ島温泉なども大好き。そこから天城越えハイキングは楽しい。西伊豆もいいし、東伊豆では伊豆大島を間近に見る露天風呂が素晴らしい。伊豆大川温泉ホテルというところが気に入って、10回ぐらい行ったと思う。最近はなかなか行けていないが、冬に伊豆に行くと暖かそうでそれだけで元気になりそう。また行ける日が早く来ないかなあ。
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