尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

早稲田大学-早稲田散歩①

2013年12月10日 00時48分08秒 | 東京関東散歩
 東京散歩シリーズ。早稲田周辺を取り上げる。早稲田と言えば、まあ早稲田大学ということになる。それ以外にも史跡が多いのだが、早大が目的で行く場合が多い。最近も「いまだ知られざる寺山修司―わが時、その始まり」に行った。1月25日まで。これは大隈タワーで行われているが、元秘書の田中未知氏が保管していた資料を早大の演劇博物館と共同で研究しているとのこと。この「演博」、正式に言えば「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」は一度は行きたい大学博物館である。姿もいい。無料。
   
 夏と秋の写真が混在してる。説明の写真を見れば判るように、エリザベス1世時代のイギリスのフォーチュン座を模した建築で、1928年建築。坪内博士というのは、もちろん坪内逍遥のことで、「小説神髄」を書いたりシェークスピアを最初に翻訳した人として知られている。早稲田大学教授だった人で、館内に記念室がある。坪内の古稀とシェークスピア全集完結を祝って建設したという。この人。
  
 中は古い建物らしく、階段がミシミシと音がするのが今は懐かしい感じ。でも少し軋みすぎかも。展示は写真が撮れないけど、民俗芸能や古典演劇から近代、現代、映画など各分野の展示がある。図書室もある。村上春樹は紛争で授業がない時期に、ここにこもってキネマ旬報のバックナンバーを借りてシナリオを読みまくって過ごしたと書いていた。木造建築に照明が当たり、雰囲気的に落ち着く場所だ。ちょっと古典が多いのだが、最近は60年代の「前衛」演劇や映画に関する展示も多くなっている。
  
 早稲田大学にはもう一つ貴重な博物館がある。「會津八一記念博物館」である。うっかり歌人として有名な會津八一の記念館かと思い込んでいたが、そうではなく會津のコレクションを基に貴重な実物資料を展示するもの。元は図書館で、横山大観、下村観山合作という珍しい大作「明暗」という絵がかかっている。また荻原守衛の彫刻「女」もある。他にも様々な民族学、考古学資料がある他、大隈記念室もある。會津八一が若い人向けに作ったという「学規」と言うのも面白い。ここは受付にある案内を参考に、見たものにチェックして行くと帰りに絵葉書をもらえる。是非、トライ。「学規」をもらった。
  
 ところで、早稲田最大の文化財は大隈講堂だろう。重要文化財指定の建築で、大学の象徴と言える。大きすぎて全体を撮るのが難しいが。講堂を過ぎて少し行くと「大隈庭園」があり、ここからは大隈講堂を横から見ることができる。大学の中にこうした庭があるというのはとてもうらやましい。1927年建設である。 
   
 大隈講堂の2階はこんな感じ。7月のドナルド・キーンさんの講演の時に撮ったもの。
   
 大隈講堂という名前は、もちろん創立者の大隈重信にちなんでいるが、早稲田キャンパスに入るとすぐに大きな銅像があるのは有名だろう。これは朝倉文夫によるもので、1932年完成。ところですぐ近くを振り返ってみればもう一つ銅像がある。元総長高田早苗の像だけど、これは知る人が少ない。また相馬御風作詞の校歌碑も近くにある。「都の西北」というアレ。今では西北と言うなら所沢辺りまで行く感じだけど。 
    
 早稲田キャンパスばかりになったけど、キャンパス風景を少し載せて終り。 
   
コメント
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