チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

新宿っ子孵化

2009年07月18日 10時10分55秒 | 日記
ビックリ
六月の末蚕は卵を産んだばかりなのに
昨日孵化

こんなに早く転生を繰り返すのか
昨年の卵はこの春に孵化したというのに

種類が違うのだろうが
あまりにも早い
前回の失敗に懲りて桑の葉を裏を下にして孵化した蚕に与える

あっという間に其の葉に乗り移り
葉液をすっている
みるみる葉っぱが高級レースのようになる

いま百頭はいるだろうか
大きさは睫の三分の一色は黒

母さんは今朝息絶えていた

ただただ桑の葉を食し
大きくなって繭を作り
蛹に成長、蛾に変容して卵を産み去る

羽はあっても飛べぬ
人間が長い間かけて蚕の遺伝子操作をし
飛べぬ蛾をつくりただただ卵と繭の生産に
明け暮れる虫を作ってしまった

これぞ無条件の愛
無条件の愛って神の愛なのか
与えられたものに気がつかねばそれはモズク
与える方も、与えられる方も意識が同じでなければ
無条件の愛は生きない

いや無条件の愛は与えたことすら意識がないことを言うのであろう
蚕の一生を見ているとそう思える

「蛹がおいしいよ」
「蛾も生きているうちはおいしいよ」
甘辛く甘露煮にするとうまいと盛んに勧める人もいる

或る農学博士は虫を食べる研究に余念がない

生き物の命を全うさせるには食べるという選択肢も有る

生きるということ
いき続けるということ
それが蚕のように人のためになり社会のためになる命が尊い

そういう人間になるのには
何年かかるか知らん


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする