手持ちのKT88系出力管で最後に紹介するのは、
私のお気に入りの「SED Winged-C 6550C」です。
外観がこちら。
本家Svetlana(スベトラーナ)製で、羽根の生えた"C"ロゴが特徴です。
現行販売されている"S"ロゴでは有りません。プレート構造、穴形状が違います。
因みに、"S"ロゴ品の外観はこちら。
私は聴いたことは有りませんが、おそらく音質も違うでしょう。
以前にも紹介しましたが、オリジナルのSvetlana(スベトラーナ)製は、プレートが2枚構造、穴形状は長方形です。
参考になる記事もリンクさせて頂きました。
私は、この"C"ロゴ品4本組を3セット所有しています。うち1セットは未使用のデータ付き品(使用せず保管中)です。US、UK、JPNから購入しました。
さて、音質は「良いですね~。」
紹介したGECとGold Lionの中間の音でしょうか。
演奏が目の前に悠々と広がります。解像度(分解能)高めです。
クラシックのオーケストラを聴くと、見晴らしが良く、広い高原から山々を望む様な景色が広がります。久々にクラシックに聴き入りました。
また、Jazz、Popのライブと聴くとそのホールの特等席で聴いている様です。
音空間が雄大で、且つ表現力が有りますね。響きが豊がです。
響きが豊かと言う事は、それなりに付帯音が乗っているという事でしょう。
真空管の良さが出ています。こうでなくっちゃ。
※付帯音の無い、歪の無い音、特性を求めるなら、トラアンプの方が余程優れている。
GECも良いですが、音の明瞭度ではこちらが上です。
低域~高域まで良く伸びています。
低域はGECよりも更に重心が低くて分離が良いです。ダブルプレートの効果でしょうか?。
高域は綺麗に伸びていて艶が有ります。中域も張りが有ります。
やっぱ、これです。私のお気に入りの音です。
聴いて居て心地良く、ずっと聴いて居たくなります。虜、癖になる音です。
比較的近年の球ですが、すでに生産終了していて、今では新品購入が難しいのが残念です。
SG電圧について、
そうですね。データシートをよく見たら、その様に書いて有りました。
有難うございました。安心しました。
SED 6550Cについては、条件の記載が有りませんが、おそらく同じでしょうね。
返信有難うございます。
CロゴとSロゴは全く別物ですね。
調べてみると、元々Svetlanaは、RCAから生産ライセンス、組立ラインを購入し、トレーニングを受け、米国で認可された真空管をサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)工場で製造していた様です。
しかし、2003年頃に米国のSvetlanaの販売代理店が倒産して、ブランド、ロゴを売却。これを買い取ったのが、同じく米国の”New Sensor"社。
New Sensorの真空管は、ロシアのサラトフに有る旧Reflector工場で生産されています。ここの製品では、Made in Russiaのソブテック、エレハモ等ブランドの現在購入可能な物が有名です。
6550C(Cロゴ)は元々のサンクトペテルブルク工場で生産された物と思われます。SEDロゴの下に"ST.PETERSBURG,RUSSIA"と書いてあります。
しかし2012年頃に、この工場での生産が終了となり、以降は新たに開発された"S"ロゴタイプがサラトフに有る旧Reflector工場で生産される様になった様です。(別タイプ(6L6やEL34)については"S"ロゴでも旧Svetlanaの技術者が設計された物がある様です。)
話がかなりややこしいですが、整理のために書いてみました。
何れにしても、設計、生産工場が違うので、音も違うのでしょう。
何も現在のサラトフ工場の物が良くないと言っているのでは有りません。エレハモ、TUNG SOL、Gold Lionの復刻品など良い物もあります。復刻Gold Lion 12AX7、12AU7は私のお気に入りです。それに現在でも新品の真空管が手に入るだけでも有難い事ですね。
6550のSG電圧は400~440V程度ですが、三結やULの場合は500Vまで掛けても大丈夫なようです。
Tungsolの規格表では、このことが明記されています。
もちろんアンプ自体の音質や動作点によっても音質は変わりますが、この傾向は付きまとうような気がします。
それから6550はグリッド電流が流れやすいので、グリッド抵抗は50kΩ以下にしておく必要があります。
そうするとドライブ段の負荷が重くて、設計が大変になるのですが、ここが腕の見せ所?になります。
私の例では、6SN7をプレート電圧の耐圧いっぱいで使って、なんとかフルスイングできました。
作るのが面倒になりますが、12BH7のカソフォロでドライブするのが無難ですね。
こんばんは、お久しぶりです。
コメント有難うございます。
KT150は、訪問時に聴かせて頂いた球ですね。圧倒的なパワー、スケールに驚きました。
因みにKT88のSロゴはどの様な音の印象をお持ちでしょうか?
ところで、今回球の比較を行った後で、ふと思ったのですが、果たしてKT88と6550を同じ回路で比較して良かったのだろうかと。。。
ちょうど今日、データシートを比較して見ていたら、プレート電圧、電流は同じで良いにしても、スクリーン・グリッド電圧(Vg2)が6550Cでは400Vと低い事に気が付きました(今頃って感じですが)。
私の回路では、ソフトンOPTのUL1/2端子をそのまま100Ωを介して接続しているので、約470V位印加されていますが、大丈夫でしょうか。
因みに、森川忠勇氏の製作回路例を見ると、平気で450Vされていたりします。
また、入力のグリッドのグリッド抵抗(Rg)も6550では規格上50kΩ以下の様です。私の回路では180kΩになっています。
今のまま6550Cを使い続けて良いのか、心配になってきました。コメントを頂けると有難いです。
特に出力管の名球が色々出てきて、私もありがたく参考にさせていただいています。
ところでKT88のCロゴですが、東京の仲間宅で使用していて何回か聴いたことがあります。
Sロゴのほうも、自分で購入して使ったことがありますが、音は全く別物ですね。
拙宅では、現在KT120とKT150を使っていますが、ロシア球はプレートの窓が四角いのが音が良いのではと思っています。