My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

カセットデッキ(TEAC V-5010)の再レストア。~ 回路系 ~

2023-02-17 13:18:18 | カセットデッキ

メカ系の再修理が完了したので、今度は回路系を弄ります。

2年位前に、一度ヘッドアンプ、EQ回路周りや部品の換装を実施していますが、再度同箇所を弄ります。

 

<差動回路用定電流回路>

ヘッドアンプの差動回路用定電流回路を弄ります。

今までは定電流回路用FETにSONY製2SK43を使っていたのですが、これを取り外して真空管プリアンプの差動回路定電流用に使ってしまったので、代わりに東芝製2SK170BLを調達しました。

因みに、2SK170には中華製の偽物も存在するらしいので注意。今回調達品は本物。

ゲート、ソース間の抵抗で電流調整しました。82.5Ωで良い感じになりました。

差動回路用FETは2SK389が使われていますが、ロードラインを引いてみると丁度良さそう。

 

回路図では、こんな感じです。

 

<オペアンプ>

次に、その後段のオペアンプIC。

さきほどの差動出力をダイレクトに受けています。

ここに使うオペアンプでかなり音質が変わります。

結論から言うと、さすがOPA627BPがずば抜けて良かったです。

手持ちのオペアンプを交換して出音を確認。

ここは元々2回路入りオペアンプを使う様になっていますが、1回路入りも自作の2回路化基板に挿して使ってみました。

試したのは以下。

 ・1回路入り:LT1028、LME49710HA、OPA604AP、OPA637BP、OPA627BP

 ・2回路入り:NE5532P、MUSES8920、LM4562NA、AD827

オーディオ用として、どれも良く知られたオペアンプですので、説明は省きます。

それに私自身も今まで散々比較試聴していますので、大体の傾向は掴めています。

注意が必要なのは、高性能オペアンプは使い方により高周波で発振するという事です。

実際にオシロで出力波形を確認した所、案の定、LT1028では1MHz付近で凄い発振が見られました。これでは使い物になりません。出力にゾベル回路でもつければ良いかも知れませんが、そこまでして使うほどの魅力もありません。

LME49710も少し発振気味。他のオペアンプでも発振はしなくても、ノイズレベルに差があります。

ノイズレベルが最も少なかったのは「OPA627BP」でした。音質もワンランク上です。流石です。

しかし実は、今回使ったOPA627BPはおそらく中華製です。本物のマスクをコピーして作ったのではとの噂があります。

US製は、CDプレーヤーのIV変換回路に使用しています。10年位前にUSのRS componentsから購入した物なので、正規品で間違いないと思います。

このOPA627BPは、今やとんでもない価格ですね。ビックリします。中華製でも高い。

本物と中華製は外観で分かりますが、中華製でも充分良い音がします。

「OPA627BP」はオーディオ用として最高峰のオペアンプですね。これ以上のものを知りません。

 

<再生ヘッドからのシールドケーブル>

この製品には、PCOCC巻線コバルトアモルファス14層ラミネート・ヘッドが使われています。

このヘッドからのシールド線の先端に「ベルデン(Belden)のヴィンテージ線 導体Φ0.3mm径 1950年代」を1cmほど付けて、コネクタを使わず基板端子に直接半田付け。

ここの信号は微小なので、ちょっとした事でも音質に影響があります。

レコードプレーヤーのシェルリードに似た感覚です。

おまじないとして、一応銅箔を巻いておきました。

 

これで、再生音質的にはナカミチのエントリー・クラス(48x、58x)よりも優っているのではと思います。

過去にナカミチも使っていたのですが、音質的には柔らかいイメージでした。

私は、30年以上前に録り溜めた音源を聴くのが主目的なので、再生だけできればOKです。

1980年代の録音はNakamichiのデッキ、1990年代はこのTEACのデッキです。

おそらく、この先録音することは無いでしょう。

録り溜めたテープは結構な本数が有ります。

NHKスタジオでのライブ生配信を録音したもの、ピットインでのライブ音源、中野サンプラザでのライブ音源、ライブ・アンダー・スカイ音源など、どれもFM放送を録音したものです。市販されていない貴重な音源です。

 

いろんなテープを聴いていて気が付いたのですが、このTEAC V-5010で録音した物は音質が良いです。

デッキ自体の性能が良いのか、「Dolby HX Pro」が搭載されているからか、テープが良いのか分かりませんが、とにかく音が良いです。

 

 

 

こうやって、デジタルの音やレコードの音に飽きたら、カセットテープの音を聴くのも良いですね。違った感覚で聴く事が出来ます。懐かしくも有り新鮮でも有ります。

今、巷でも一部のマニアの間でカセットテープが人気の様で、先日TVで放送してましたが、関東地方にはカセットテープの専門店もある様ですね。

近所の中古店でも見かけましたが、2年位前よりも値段が高くなっていました。

 


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