精神世界関係者の間で、注目のマトとなってきた「2012年のアセンション」。「2012年をピークとして、地球には、何か大きな変化が起きる」という点では、多くの関係者の意見が一致している。
問題は、その「大きな変化」の内容が、人によってバラバラなこと。「天変地異が起きて人類が滅亡する」という人や、「人類の社会体制に、大きな革命が起きる」という人、「地球人類の意識が進化するのである」という人。「地球人類のDNAに変化が起き、人体が生物学的に進化するのである」と唱えている人もいる。「何も起きないだろう」と考える精神世界関係者も、決して少なくない。
ちなみに筆者自身は、「この時期を境として、地球人類の中から、意識を覚醒させる人々が続出し始める」と考えています。地球の物質的な環境そのものに、地殻変動や大きな天変地異が起きるというのは、ちょっと考えにくい。それよりは、人類の意識の覚醒こそが、あるべき姿に思える。
もっとも、だからといって、物質的な地球環境には何も起きないのかといえば、精神世界関係者の考え方の常として、そうではありません。大きな前提として、「世界の現実は、人類の意識を反映して出来ている。このため、人類の意識が覚醒することにより、世界の現実も大きく変容するのである」というのがあるので、結局のところ、物質的にも大きな変化が起きるのだ(笑)。
それはともかく、アセンションをめぐる最近の論者の傾向として感じられるのは、「天変地異が起きる」という意見が減ってきたということ。その代わりに目立つのは、「人類の社会体制に、大きな革命が起きる」という意見だ。どうも、「地球の自然環境」から、「人類の社会体制」へと、視線が集中してきた感がある。
来るべき新しい「人類の社会体制」というのが、どういうものかというと、平たく言えば「闘争や競争のない世界」ということになるだろう。国家間の戦争は、もちろんなくなる。それだけでなく、世の中は「おカネの要らない世界」へと大きくシフトし、その結果、経済競争もなくなる・・・というのが、その骨子と言える。
彼らいわく、現在の世界には、大きな問題が隠されている。それは、「影の世界支配者」によって、政治経済が牛耳られているということ。彼ら、パワーエリートたちが富や権力を独占しているおかげで、地球人類には必要なモノが行き渡らず、民衆には貧困が蔓延している。だが、民衆の怒りと不満は、もはや限界に達している。彼らが「革命」を起こして、パワーエリートたちを退場させることにより、独占されてきた富は再分配されるのである・・・。
まあ、確かにそういう面もあるでしょう。経済問題の克服は、人類の変容に欠かせない、重要な側面といえる。でも、そこには気をつけるべき点もある。
それは、「社会の変革」にとらわれると、肝心の「意識の覚醒」がおろそかになる恐れがある、というところ。上にも書いたように、世界の現実は、人類の集合意識を反映して出来上がっている。人類の意識が変化することによって、世界の現実は、自然と大きく変容するのである・・・というのが、あくまでも、精神世界の基本的な考え方。ココを見失ってはいけません。
「社会の変革にこだわるな」というのは、かの高名なる「二十世紀最高の聖者」こと、J.クリシュナムルティもたびたび警告してきたこと。いわく、「富や権力を独占している連中を排除する」というのは、それ自体が、闘争への道だという。「人類社会の内部闘争」という、コップの中の嵐を、さらに激しくする恐れがある。クリシュナムルティは、「子供たちとの対話」という有名な本でも、「インドの社会を変革したい」という理想に燃える子供に、「社会の変革よりも、意識の改革を」と訴えています。
ここで重要なのは、「社会を変革する必要などない」というわけではないということ。そうではなくて、物事には優先順位ってものがある。「社会の変革」も大事だけど、「意識の改革」はそれ以上に大事だということになるだろう。というのも、「意識の改革」さえ実現すれば、「社会の変革」も、自然と実現に向かうから。「大は小を兼ねる」という感じ。だから、心配いらない。
それに、精神世界における「意識の改革」というのは、何よりもまず、「現在の一瞬に集中する」というのが基本。それができてくるにつれて、「社会の変革を目指す」といった未来志向的な考え方からは、どうしても距離を置くことになります。
そもそも、精神世界について語っているはずの場で、「物質世界をなんとかしよう」という話ばかりになるのは、イカガなものかという気がしないでもない。本来、この2つは表裏一体であるるとはいえ、やはり別物なのも事実だろう。別々にわけて語ったほうが、それぞれの話に、筋が通りやすくなる(笑)。
ひとつには、ただでさえ、百人いれば百通りの意見が噴出するのが当たり前の精神世界で、さらに「政治的な見解の相違」という、物質世界の対立要因が加わるのも良くない。「政治と宗教に関する話題は避けましょう」というのが、人間関係を大切にする優良サラリーマンのオキテだと、たいていの会社の社員手帳には書いてある・・・。
それはともかく、この物質世界における地球人類の歴史は、闘争と破壊の歴史だ。野生動物から進化してきた人類は、野生の本能そのままに、野蛮な闘争と破壊をさんざん繰り広げてきた。それこそ、作っては壊し、作っては壊し・・・の連続。「戦争で勝った側が、敵国の大都会を完全に破壊してしまった。市民をひとり残らず殺し、建物をひとつ残らず叩き壊して、あとには何もない更地にしてしまった」などという例が、日本人ならありえないけど、大陸諸国の歴史ではしょっちゅう起きてきた。
まったく、地球人類の歴史は身の毛がよだつほど恐ろしいことの連続で、ホラー小説よりも不気味でスリル満点。マトモに現実を直視したら、気持ちが悪くなってしまう。正気を維持したかったら、深入りしないほうがいい。こんな世界に没入するあまり、「変えなければ」とムキになってがんばりすぎるのは、考えものだろう。
もっとも、このような点に関しては、現代は遥かにマシな世の中になってます。特に、日本は良くなっている。でも、まだまだ闘争的で破壊的な国々は多く、日本の近隣にも、そういう国があるのはご存知のとおり。
その日本も、高齢化と人口減、財政難などの問題を抱え、経済情勢が深刻になってきている。一部の輸出産業は最近好調だったけど、それも円高でどうなることやら。なんだか、社会全体が貧困化してきている感じ。「戦争の死者よりも多い」と言われる年間数万人もの自殺者がいて、自殺する理由の大半が「経済苦」。これではまさに、経済地獄だ。なんとかならないものか、こんな不景気で身動きとれない世の中。
こういうヒドイ状況は、人の意識を目前の厳しい現実へと縛りつけ、ますます覚醒をさまたげることになります。意識改革が最優先課題であるとはいえ、できれば社会改革も進んだほうがいいのは、言うまでもありません。やはり、人類の意識進化には、抜本的な社会改革が欠かせない・・・!?
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