ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

認知症の夫と向き合って

2014年02月17日 | えっせー
  ☆我が家の日常会話
「あなた洗濯機が止まったって、ブーブー言ってる、洗濯物干してね、お願い」
「ブーブーいつも言うのは、家の奥さんでしょ!」「うるさい!」「どうしていつも
ウルシャイって言うの?」「バカ!認知症!」と、私は過激なことを平気で言う。

「いつも家で働いていたあなたに、結婚以来何十年お付き合い以外の外食は
一度もさせたことがない、と友人達に言ったら、すごーい国宝的な良妻だって
言われたの。あなたも昔弟のお嫁さん達から、国宝的な愛妻家なんて言われたから
私達夫婦は国宝的存在なのよ」「成程。ホント我が家は凄いよね」「よその奥さんと
比べてごらんなさいよ。こんないい奥さんは滅多にいないはずだから」「だってオレ
よその奥さんと結婚したことないから分からないよ」

 先日も雪の日に、三階に住む我が家から見える電線が、雪で白く太くなっていた
ので、「すごーいあんなに電信柱が太くなってる!」すると夫はゲラゲラ笑いながら
即、「あれは電信柱じゃなくて電線って言うの」と言った。

 私が何か言うとすぐ反応するので、「ホントあなたは頭が良く回るわね」「違うよ。
頭を回すのはこうやるの(頭を回しながら)目が回るでしょ!つまりさ、頭の中身の
回転が速いと言うこと」

「お薬はあなたの命なのよ。ちゃんと飲まないとぶっ殺すから」
「ぶっ殺す奴に、何でオクシュリなんて飲ませるの?」、などなど。

 子育てしている頃は、幼すぎる母を子供達はバカにしたが、夫は子供の前では
一言も言わず、黙ってニヤニヤしていた。
 認知症になってからは、ときどき言語障害(思った事と違う言葉が出てくる)
になる、舌足らずで子供っぽい私をからかうのは、楽しいらしく毎度のことだが
実にしゃくに触つてならない。
 雪の日に夫のレインシューズを履いて映画を見に行ったと言ったら、彼は
「ふつうの人はそんなことやらないね。さすが能里子さん!良く脱げなかったね」
と、まるでバカにしたようにゲラゲラ笑った。
 私からかうときには、とても認知症とは言えないほど頭の回転が早く、そのため
我が家はいつも笑いが絶えない。
 私が何か一所懸命やっている時は、バカにしたような、ニヤニヤしたような表情で
ずっと観察しているのも腹が立つ。
 
 でも、明るく、無邪気、おっちょこちょいで、言語障害の私が、もしかしたら
夫の精神衛生上には、役立っているのかも知れないと、最近ことに思っている。

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