「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

【2010参院選を終えて】 石井貫太郎教授 寄稿文

2010-07-15 18:06:28 | シチズンシップ教育
 師事させていただいております石井貫太郎先生(政治学・目白大学教授)より、この度の選挙に関しての論説をご寄稿いただきましたので、掲載いたします。

 石井先生がおっしゃいますように、主権者である私たちは、選挙が終わったから、あとは、政治家にお任せの態度ではなく、「政治家を国民のために働かせる」べく、「常に政治家を厳しく戒め続ける」姿勢であらねばならないと思います。
 

*****以下、寄稿文*****

【2010参院選を終えて】

 「現象にとらわれてものごとの本質を見失ってはならない」とは、われわれ社会人がまずは何事においても肝に銘じておかなければならない格言の一つと言えるでしょう。

 さて、巷では今、先日の参院選の結果を受け、誰が受かった落ちた、誰が責任を取るの取らないのと、世評を賑わす風聞が錯綜しています。もちろん、それらを話題として楽しむこともまたわれわれ有職者に与えられた特権であり、われわれ自身が政治的動物としての自覚を新たにするという意味からも、大いに結構なことでしょう。

 しかし、むしろ私にとっては、民主党が負けようが、自民党が復調しようが、みんなの党が躍進しようが、社民党や共産党が時代の役割を終えようが、衆議院と参議院がねじれようがねじれまいが、そんなことは実はどうでも良いことに思えるのです。

 なぜなら、問題は政治家を国民のために働かせる体制が出来るかどうかであって、最も大切なことは、おかしなことをすればすぐに選挙で審判を下すぞと、常に政治家を厳しく戒め続ける体制を整備することであるからです。そこに、われわれ国民の主権者としての責務と存在意義があると言えます。

 選挙における投票とは、ふさわしい人物を政治家に当選させるだけでなく、ふさわしくない人物をも当選させてしまう可能性を有する両刃の剣です。われわれの先輩たちが永年にわたる命懸けの努力で勝ち取ってきた、この天賦自然の神聖にして侵すべからざる政治的権利こそ、主権者たる国民が持つ唯一にして最大の権力であるという事実を、そろそろわれわれ一人一人が強く自覚するべき時期が来たようです。

 消費税、景気、福祉、医療、外交、安全保障などの他にも、利権、汚職、議員定数、政官癒着、世襲議員増大、公費タレ流し、比例区無用論など、まだまだ政治家を甘やかし続けている未解決の問題は山積されています。

 今次参院選の結果は、果たして当選した政治家たちをして、これら自身の問題にきちんと取り組ませ、彼らを国民のために一層働かせるような体制をもたらす風潮を招いてくれるでしょうか?

 政治の主権者はあくまでもわれわれ国民であって、政治家ではありません。

石井貫太郎
(政治学・目白大学教授)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 裁判員裁判の一審判決、東京... | トップ | 7月15日(木)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

シチズンシップ教育」カテゴリの最新記事