「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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【築地 UP DATE 39】確認しました!コアサンプル。(遠くからですけど。。。)

2009-07-29 05:19:46 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 「豊洲地区試錐コア(以下、コアサンプル)の開示ならびに保全」を求めて、都知事と市場長に要請文を出しています。
⇒ http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/6954173743420a75573c1c7965edc962

 昨日7/28、その豊洲の現場に行き、遠くからですが、その存在を確認いたしました。東京都の説明では、写真に写っているそのブルーシートや白いシートで覆われたものが、コアサンプルであるとのことです。

 これは、要請文にも書きましたが、とても重要な資料です。

 日本環境学会土壌汚染対策ワーキンググループ長 坂巻幸雄氏からもその重要性については、メモをいただいております。(太字などは、小坂による。)

 何事にも言えることですが、政策決定に当たり、政治的判断をする以前に科学的根拠が整ってはじめて、その事柄に対して、政策決定ができると考えます。
 政治の力で、科学的根拠まで覆してはならないと考えます。
 築地市場移転問題における東京都の政策決定のあり方には、はなはだ疑問を残します。歌舞伎座取り壊し、歩行者専用橋架橋による晴海通り混雑の緩和などでも同様に科学的根拠がない点で(少なくとも、丁寧な科学的根拠の説明が必要な点で)、疑問をいただいています。
 

***坂巻氏のメモ****

ボーリングコアを保全する意味について(メモ)

●柱状図の精度・客観性の検証に不可欠である。
ボーリング柱状図は、地質構造解析の第一ステップになる基礎資料であって、それだけに十分な精度(どの位置・どの深度に、どの地質区分に属する、どのような物質が存在しているか)で記載されているか大きな問題となる。

豊洲の場合、拙速・粗雑なな工程管理によって、十分な精度で柱状図が描かれているかどうか、甚だ疑問である

●しかし、以後の専門家会議の議論は、この精度の保証のない柱状図から導かれた地質構造解析と、汚染分布モデルをもとにして進められているので、当然議論と結論の精度についても大きな疑問を残す結果となっている

●「精度」の問題とは、
*軟弱地盤のため、自然に伸びた状態で採取されるボーリングコアについて、伸びた部分を機械的に切り捨てて、収納、記載している。

*通常明示する事になっている、分析試料の採取位置、分析試料の名称(例えば、「細砂混じりシルト」)等の記載がない

調査を請け負ったコンサルタント各社間で、作業スペック、記載方法の統一等が図られていなかったために、各社間で記載の統一が取れていないので、街区間の対比ができない(例えば、「Yc層を確認」との記載があるのは5街区のみで6・7街区にはない。逆に、「盛土・埋土」の記載があるのは6・7街区のみで5街区にはない。同じ「細砂混じりシルト」といっても、各社を通じて同一の物質を指しているかどうかも、コアの実物を比較してみなければ判らない)。

*「Yc層に到達したら、50cmの余掘をして掘り止め」との作業指示があるが、何をもって「Yc層到達」と判断するのか、客観的基準が全く示されていない。余掘も、15cm1m程度と、まちまち。

●従って、「一定の対策さえ講じれば、汚染地であったところでも食品を扱って問題はない」とする専門家会議答申の当否を判断しようとする際に、唯一無二の物証となるのがボーリングコアであって、それを廃棄すれば、専門家会議の結論自体、当否の判断を下す手段がなくなってしまう

●例えば、類似の6価クロム汚染問題を抱えた北区豊島団地の案件では、対策立案に際して収集したボーリングコアを完全に保存している。市場の言う「保存状態が悪いから保全の意味がない」というのであれば、ますます、保管に留意してこなかった、当事者の管理責任が問われなければならない。

分析値に疑問が生じた場合にも、コアの現物がなければ追試が出来ない。重金属・ヒ素等については再現性がある。有機物質については揮発性の評価等の問題があるので、厳密な再現性は期待できないものの、定性的な議論には繋げられる。
SAKAMAKI,Y.  09/07/14  v.1)

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