「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

がん・難病の子を守る(3) ノーマライゼーションに向けて

2007-06-21 12:39:28 | 小児医療
小児がん・難病の子ども達に
優しい地域社会をつくるには?

第1回4/30(5/1にブログで報告)
第2回5/16(5/17にブログで報告)
にひきつづき、第3回ミーティングを昨日6/20開催。

参加者は、
牧本敦氏(国立がんセンター中央病院小児科医長)
辻尚子氏(国立がんセンター中央病院レジデント)
荒木夕宇子氏(国立がんセンター中央病院 小児がんデータセンター)
吉田光浩氏(患者家族)
齊藤彰氏(みんなの子育て広場 あすなろの木)
そして私の6人。

6/6の区議会の福祉保健委員会で
私が質問させていただいた内容(6/16ブログで報告)を、
さらに進めていく形で、議論。
区議会での質問では、
Aハード面 B)ソフト面 C)制度面
から環境整備の必要性について質問させていただいたので、
それに沿って今回はまとめます。


Aハード面でいうところの病弱児・障碍児が住みやすい環境作り。
①障碍者・病弱者に優しい街づくりを目指す法律を点検
⇒「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」の点検
②がん・難病の子ども達の家族に、中央区で具体的に整備されるべき場所を聞く(アンケート調査)
③障碍者・病弱児に優しい街の地図を入手または、作成
⇒中央区おでかけマップ(中央区バリアフリーガイド)(平成19年2月発行)の点検
④ノーマライゼーションの意識が芽生える環境づくり・その意識の普及
⇒夏休み福祉・ボランティア体験『イナっこ教室2007』のフォロー
⑤イベントを利用したノーマライゼーションの意識の普及をする
⇒第20回東京湾大華火祭での高齢者・障碍者・病弱者の参加
 第18回中央区大江戸まつり盆おどり大会での高齢者・障碍者・病弱者の参加


Bソフト面で言うところのヒト、ボランティア活動しやすい環境。
①NPOと連携
⇒ベトナムの小児がん治療支援
NPOアジア・チャイルドケア・リーグ(ACCL)と連携
(http://chuo.genki365.net/gnkc05/mypage/index.php?gid=G0000033)
  

C制度面
①学校で2つ籍を持つことについて
国立がんセンター内にある墨東養護学校(いるか教室)の現状を把握
②がん対策基本法を意味のあるものにしていく
⇒「がん対策推進協議会」
 (関連する厚生労働省ホームページ
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/gan.html)
 の会議が実りのあるものにしていく。





昨日、特に焦点になったのは、
「ノーマライゼーションの意識の普及には?」とういこと。

1)ノーマライゼーションの意識についての現状

都所轄の公園で病棟のお花見をしたら、ストレッチャーは無理と言われた。また障害者手帳はあるのかと言われた。都知事に患者会の母親達が抗議し、今後の公園へのストレッチャー使用は許可された。病弱児への理解に乏しい社会である。

2)ノーマライゼーションの意識の普及に関して出た具体的意見
*恥じなくてもよい社会。意識の変革が必要。
*助けを必要としている人に助けを提供できる社会。それが自然な社会。
*私は病気ですと、言いたくない人もいると思う。言わなくてもよい社会があれば。
*維持療法や骨髄移植受けた患者さん、外観は元気そうでも電車で立ってるのも大変。
*「特別扱いしてほしくない」という人もいる。
*車椅子に乗ると人に見られるから嫌だと言うひともいる。
*特別扱いだけど、特別扱いと気付かないようにできればいい。
*特権、特権で守りを固くするといつまでも社会復帰できない。将来にわたって特権を受けていかないといけないとしても、いつかは特権から離れないといけない。小児慢性特定疾患の認定も再発とかでない限り5年たつと切れる。社会復帰したときに周りが優しい社会にしないといけない。


以上、

前回、このブログ上で、「通行人さん」に
コメントいただいた内容も(2007-06-11 19:42:57)、
昨日の会で、ご紹介させていただきました。


いつも思うのだが、このメンバーといっしょにいると、
何かできると、必ずできるという気になる。

次回ミーティングの予定;7月2日(月)

<用語>
ノーマライゼーション;障碍者が障害を持たない人と同じように、自分の意志で考え、決定し、社会のあらゆる活動に参加・参画できる共生社会。

バリアフリー;高齢者・障碍者等が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)すること。物理的、社会的、制度的、心理的な障壁、情報面での障壁などすべての障壁を除去するという考え方。

ユニバーサルデザイン;あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。
「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法);第164回通常国会において成立、平成18年6月21日公布、12月20日施行。



コメント
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