波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

「シルバーセンター」

2018-11-19 09:15:10 | Weblog
80歳を過ぎても仕事ができる」この情報を知ったとき、私は大きな驚きを感じた。若いときに兄の指導でかなり肉体的にも精神的にも過酷な環境の中で人生を送り、その後、父のおかげでサラリーマンとして事務所の責任者になり定年を終えた。その時自分の仕事は終わったかに感じたかが、サラリーマン時代の知己の流れで自立して自営業を始めた。しかし事業はそんなに甘いものではなく計画は次第に壊れ、自己破産へと向かった。人生の苦難を初めて知らされた神の示しでもあった。息子とともにその責任を苦難とともに負うことになったが、導きによって新しい道を与えられ歩き始めている。
そんな時、私は自分の道を探し求めていた。「何か出来る」そんな思いがどこかにあり、日々頭のどこかにあったのだ。
そんな時、区役所のHPから「シルバーセンター」を見出した。年齢を問わずできる事を紹介しているとのことで「まさか80を過ぎた高齢者にできる仕事などあるわけもないだろう」と思いつつ、講習を受け、会員登録を済ませた。
会員数1800人程度のうち80歳を過ぎた会員は20数名足らずとのこと、よほどの特殊な技術を持っているか、何かその人でなければできない仕事であろうかと、当てもせず気長に待とうと思っていた。ただ担当の人に挨拶だけしてお願いをしておこうと立ち寄ったところ「今、あなたの区域で新聞のポストインの作業があるのですが出来ますか?」と言われ、即座に「お願いします」と答えたのである。
5月の末ごろの話である。そして7月の暑くなり始めたころから、地域新聞の作業が始まった。そして5か月があったという間に過ぎた。
半年近くなってこの作業が、楽しく待ちかねる気持ちで続いている。作業中には区域で出会う子守中の若いママさんやらお年寄りのご婦人とお話ができるようになり、「声かけ」時にはねぎらいの言葉とともに飲み物(缶コーヒー)までいただくようになった。
いつまで続けられるか、その保証はないが、こんなに楽しくやりがいのある奉仕ができるとは夢にも想像できなかったことを本当にうれしく生きがいを感じている。
人生捨てたものではないものだ。