波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思いつくままに   「台湾有情」

2016-07-04 10:28:52 | Weblog
夏が来ると台湾を思い出す。始めて日本を離れて海外へ行く事ができたのが今から40年前の夏だったからだ。そして仕事を通じてこの40年の間に何回か訪れる事になった。主に仕事が主であったために観光コースをめぐる事はないので良く知らないが、それでも数箇所は行く事ができた。中でも「故宮博物館」は日本では見る事のできないものばかりで、貴重な歴史を見る事ができたが、正直言ってあまり興味がわかなかった。私にとっては生きている人間こそが関心であり、興味だった。台湾は嘗て日本の統治下にあった事から日本語の分かる方が多く(特に中年以上)不便を感じる事もなく動く事ができたし、食事も不便がなかった。
其の事がいろいろな面で影響した事も事実である。私自身も始めて泊まったホテルのフローアの女性に興味を持ち、色々と教えてもらったり、頼んだりした事があったが、そのほか食事に行っても買い物をしても特に親切であった。当時日本から台湾へは多くの企業が進出してたくさんの人が派遣された。其の中には当然台湾の日本にはない「情け」にすっかり信用し、そのままそこに生きる事を考える人も多くいたのである。知人の中にはそのまま日本へ帰らず、そのまま台湾へ居を移して人生を過ごした人を多く知っている。
それは今の日本人に残っていない人情と優しさとに心を奪われてしまった性かもしれない。
台湾の人がそういう人ばかりとは限らない野のだが、特に女性は日本の男性にあこがれて、取り付いてしまう傾向があったのかもしれない。
しかし大半の男性はビジネスライクであり、結構ドライである。やはり一人で生きていかなくてはいけない運命を本能的に身に着けていて良い仕事があるとすぐ転職して独立する事を考える傾向が強かった。