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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2019年度予算案の焦点⑥ 文教 教員定数を大幅に削減

2019-02-06 11:06:45 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2019年度予算案の焦点⑥ 文教 教員定数を大幅に削減
2019年度の文教関係予算案は4兆2348億円(18年度比2093億円増)です。増額の大部分は消費税増税対策として2年間だけ実施される「臨時・特別の措置」。主に学校耐震化など施設整備に充てられます。

勤務時間減程遠い内容
小中学校の人件費などに充てられる義務教育費国庫負担金は1兆5200億円(28億円減)。学校における「働き方改革」などとして教職員定数1456人分の改善に32億円を計上。内訳は小学校での英語の教科化に向けた専科教員に1000人、発達障害児童・生徒への通級指導や外国人児童・生徒への日本語教育の充実に246人などです。
一方、少子化に伴う教職員定数の自然減を4326人見込んでおり、差し引きでは2870人の大幅な削減です。1日平均12時間近い公立小中学校教員の勤務時間の削減には程遠い内容です。
英語の専科教員の加配に、新規採用者の一定数を英検準1級程度の資格保持者とする要件を設けたり、土日の教員の部活動手当の予算案を14億円削減したり、「働き方改革」に逆行する内容も盛り込まれています。
「高校生等奨学給付金」は6億円増の139億円を計上。非課税世帯の第1子の単価(年額)を国公立1900円、私立9500円増額します。経済的理由で就学が困難な児童の保護者に支給する「要保護児童生徒費補助金」を2200万円増額し、新入学時の学用品費や修学旅行費の単価を引き上げ、新たに卒業アルバム代などを補助対象に加えます。


教職員定数は差し引き2870人の削減(▲はマイナス)
小学校の英語専科教員の加配1000人
中学校生徒指導体制の強化50人
学校運営体制の強化60人
通級指導や日本語教育指導などの充実246人
貧困等に起因する学力課題の解消50人
養護教諭・栄養教諭等20人
統合校・小規模校への支援30人
少子化による教職員定数の自然減等▲4326人
合計▲2870人



老朽化した大学施設(国立大学協会「2019年度予算における国立大学関係予算の充実及び税制改正についての要望〈2018年8月24日〉」から)

若手研究者採用を抑制
国立大学法人運営費交付金は18年度と同額の1兆971億円。法人化した04年度と比べると1400億円以上の減額です。若手研究者の採用抑制や施設の老朽化をもたらしています。
安倍政権は16年度以降、各大学に配分した交付金から一定額を拠出させた上で、学部などの再編・統合といった「機能強化」の達成度合いに応じて再配分する仕組みを導入。19年度は総額100億円を各大学から拠出させ、拠出金を含め300億円を傾斜配分します。
さらに、交付金のうち700億円を各大学の外部資金獲得実績や若手研究者比率に応じて傾斜配分する「評価対象経費」を新設。傾斜配分の総額は1000億円へ大幅に拡大します。
国立大学協会は、短期的な評価による傾斜配分の拡大は日本の研究体制全体を崩壊させかねないと強く反対しましたが、安倍首相の指示で予算案に盛り込まれました。
私立大学等経常費補助は3159億円(5億円増)です。安倍政権はここでも政府が決めた基準で予算を傾斜配分する方針。しかし、具体的な中身がいまだに明らかにされず、私大関係者に不安を与えています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年2月5日付掲載


英語の専科教員の加配などしながら、少子化による教員定数を減らして、教員の異常な長時間労働の軽減にはならない。
国立大学の運営費も減り、施設の老朽化対策もままならない。

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