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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安倍「経済偽装」② ごまかしのGDP成長

2019-02-21 20:40:52 | 経済・産業・中小企業対策など
安倍「経済偽装」② ごまかしのGDP成長
施政方針演説で安倍晋三首相が挙げた「6年間で10%以上成長」という数字は名目国内総生産(GDP)の伸び率です。名目GDPは国内で生産された付加価値の合計額で、物価変動の影響を除いていません。物価変動を除いた実質GDPを国際比較すると、日本経済の停滞ぶりが浮き彫りになります。



■実質は最低水準
経済協力開発機構(OECD)の報告によると、2012年から18年の実質GDPの成長率(見込み)は、米国14・6%、ユーロ圏9・8%、カナダ13・6%、中国50・3%、インド51・9%。世界平均は22・3%です。日本は7・5%にとどまります(グラフ)。主要国の中では最低水準です。
安倍首相が自慢する名目GDPも世界から見ると悪化しています。
安倍政権下では円安ドル高が進み、輸出大企業には恩恵をもたらしました。ところが、円表示の名目GDPを、国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」によってドル建てで見たら、12年の6兆2030億ドルから18年は5兆700億ドルへと約18%減少しています。日本の1人当たり名目GDPは12年の15位から、18年には26位に後退しました。円安の影響によってドル表示で減少するためです。これは世界から見ると日本経済が悪化したことを意味します。
名目GDPの伸び率を見ても、18年の日本は193カ国中169位で最低水準です。
日本経済は外需頼みが実態です。16年1~3月期から2年間で実質GDPは2・6%増加。しかし、内訳を見ると輸出が12%増で全体を押し上げています。個人消費は1%増、設備投資は6%増で内需は低迷しています。
国民の消費の落ち込みは鮮明になっています。日本共産党の志位和夫委員長の追及で、安倍首相は直近のGDPベースの家計消費が、消費税増税前の13年平均を下回っていると認めざるを得ませんでした(12日の衆院予算委員会)。
輸出の項目には、訪日外国人の消費も含まれます。日本百貨店協会の調査によると、15年から18年の間に百貨店の総売上高は2873億円(4・7%)減少。一方、訪日外国人による免税総売上高は1408億円(70・8%)の増加です。小売りの現場でも外需頼みで、海外の景気に左右される不安定な状態に置かれています。



外国人旅行者でにぎわう東京・秋葉原

■数値をかさ上げ
東京工科大学の工藤昌宏名誉教授は「大型補正予算を含む財政支出や統計方法の変更によってGDPはかさ上げされています」と指摘します。
16年7~9月期の改定値から、設備投資の項目に研究開発費を新たに加え、同年7~9月期のGDPは約20兆円上乗せされました。
工藤さんは経済実態を偽装する政府のやり方に危機感を募らせています。
「政府はあの手この手で経済実態をごまかしてきました。そして毎月勤労統計などの統計不正まで発覚しました。政府や統計の信頼は失墜し、経済実態が分からなくなっています。国家的犯罪と言っても過言ではありません」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年2月20日付掲載


GDPの伸び率。世界全体や中国、インドなどと比べると、先進主要国の伸びは見劣りするものがありますが、その中でも日本の伸びは最低。安倍首相が自慢できるようなものではありません。
それも外需頼みによるところが大きいというのだから悲しい。
コメント
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