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日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

アルザス2日目

2006-05-22 15:28:36 | フランス
ストラスブールとコルマールの間の景色。
山の向こうはロレーヌの平原が広がっている。
反対側にはライン川が流れていてもうドイツとの国境。

そういえば大学があることで有名なフリブールの町
fribourgはドイツにもスイスにも同じ名前の街がある。
しかもどちらの大学も有名な神学部があるそうだ。
ってドイツのほうが知名度は高いかな。
ああ、アルザス、何しに来たんだろう、などと一瞬脱力して
眠ってしまいそうな陽気。

アルザス1日目(2)

2006-05-21 17:17:31 | フランス
ストラスブールで用を済ませた後、雨の中をコルマールへ。
コルマールってそういえば昔の同僚がドイツ語を専攻していて
しきりにコルマールを旅行したいと言っていたなあ。なぜだろう。

コルマールの駅前のホテルでチェックイン後、うとうと眠る。
惰眠をむさぼる、というのだろうか。古い表現だと。
で夜9時ごろ飯でも食おうか、とコルマールの町に出ると、
誰も道を歩いていない。まだ9時だぜ!

地元料理のレストランに入る。真っ白い、清潔なテーブルクロスの店。
時間が気になったので、ウェイターのおばさんに恐る恐る
「ラストオーダーは何時ですか?」と尋ねる。おばさんはキビキビと
「15分後」と答えた。ってそりゃないぜえ。

注文したシュークルーとはsucculent!
自分のこれまで食べてきたものはなんだったんだろう、
などとマジで考えてしまったぜい。
写真はコルマール駅。夕方でちょっと曇ってますが。

アルザス1日目

2006-05-20 14:36:24 | フランス
仕事の関係でアルザスへ。1日目はストラスブールへ。
あいにくひどい雨。よく考えるとフランス東部に来るのは
これが初めてだ。あんまり縁がないんだよね、東のほうって。
アルザス、ロレーヌ、ボージュ・・・。

例によって行く場所をよく調べなかっため、街中で迷子になる。
「鉄の男広場」という街の中心辺りまでくる。雨足も強くなり、
そこから先に進めなくなる。

隣で一緒に雨宿りをしているおばあさんに「クレベール広場ってどこ?」
と恐る恐る聞く。というか日本でもフランスでも僕は知らない人と
口を利くのは超苦手なのだ。しかしまあ、背に腹は代えられない。
ばあさん、困った顔をして「自分もよく知らないの、ほかのもっと
よくストラスブールを知っている人に聞いてみたほうがいい」
とすまなさそうに答える。
仕方ないので、近所のブティックに飛び込んでレジの店員に尋ねる。
今度はうまくいく。
というか探していた広場は雨宿りの場所から
歩いて2,3分の場所だったんですが。

ブティックから出てくると、おばあさんがまだ僕を待っていた。
「分かった?」「はい」と答える。
すると、おばあさんは
「自分もうれしいわ」JE SUIS CONTENTE POUR VOUS
とニコニコ笑って僕に言った。
親切なんだかよく分からないが、まあ、いっか。

写真はナンシーとストラスブールの間、車窓から見た景色。

アランソンの思い出

2006-05-13 06:03:07 | フランス
思い出つーか、携帯の画像を整理していたら
去年たずねたアランソンの画像が出てきた。
昔の家畜取引所、la halle au bléだ。

昔は家畜がうようよしていた、もしくは小麦が
山積みにされていたであろう、内部は今は
最新のマルチメディア機器を備えた文化センターになっていて
僕が訪ねたときには水彩画の展覧会をやっていたっけ。

アランソンはノルマンディーの南の端、
どんな観光客もいないような、ちょっと見捨てられたような
さびしい町だ。そこがまたいいところなんだけど。

アンリ・ルソーという人(2)

2006-05-08 18:20:11 | フランス
なんやかや言ってアンリ・ルソー展に行ってしまった。
入り口で「26歳以下ですか?」などとチケット売りの姉ちゃんに言われ、
(アジア人ってそんな年齢不詳なのか?)などと思いながら入場料を
払う。10ユーロ、高い。

ほとんどの作品はカタログで見て知っていたのだが、やっぱり
実物を目の前にすると全然違う。『カルナバルの夜』の神秘さ、
『アンリ4世河岸からのサンルイ島』の静かな日常性。
いろいろ思ったんだが、やっぱアンリルソーの画って「静謐」という
言葉がよく似合うと思う。ちょっとフェルメールみたいだが。

展覧会場には昔のパリの様子を手に取るように分かる仕掛けがあちこちに
あり、たとえばアジェの写真が展示されたり、古い絵葉書、
ルソーが生きていた頃の時代背景を説明するような新聞
(LE PETIT JOURNAL)、万博の資料、など非常に力の入った
エクスポだった。

ジャングルの部屋。アンリルソーが描いた一連のジャングルの画。
これはすごい。というかアンリルソーは外国に行ったことがなく、
すべてパリの自然植物園の中にある動物園の動物と百科事典から
想像してこれらの画を描いたらしいんだけれど。恐ろしい想像力。
生き生きとした、ちょっと獰猛な熱帯世界が画の中で展開される。
お腹をすかせたライオンがこちらにまで飛び込んできそうだ。

slamって?

2006-05-03 13:11:32 | フランス
仕事で翻訳をしていたら、slamという単語が出てきた。
何のことか分からなかったので同僚のバレリーに聞くと、
「知らないの?」といわんばかりの顔をされ、以下のような
説明を受けた。

ラップのような感じで、郊外の若者が日常の不満などを
詩の形でぶつけること。

といってSLAMの真似をしてくれたのだが、まさに音楽のない
ラップといった感じ。ちなみにSLAMをやる人のことを
slameurというらしい。
ちなみに最近売り出し中で、FNACなどでもCDが山積みに
なっている人気歌手(?)grand corps malade
もslameurらしい。

ネットでslamを調べたら、日本で言うところの「詩のボクシング」
みたいな印象を受けたが、あれは郊外の若者とは関係ないもんなあ。

http://musique.ados.fr/Grand-Corps-Malade/Ma-Tete-Mon-Coeur-t77369.html

アンリ・ルソーという人

2006-04-22 15:05:16 | フランス
グランパレで大規模なアンリ・ルソーの回顧展が行われている。
回顧展自体にはいかずに(本当は行きたいのだが、時間がとれず)
本屋でカタログなど立ち読みしてみた。

『ビエーブル渓谷の春』(MOMA所蔵)という画が目に留まる。
ビエーブルというのはパリの南郊を流れる小さな川で
ポルト・オルレアンあたりからジャンティ、アルカイユ、アントニー
などの町を緩やかな谷状の地形を作りながら南下している。
近郊の自治体では自然環境を保存しようとして、手付かずの状態のまま
堤防を作らず、動植物の解放区にしたりしているらしい。

ルソーの画の中じゃ時代背景もあって、開発前の手付かずの
自然状態だったころの風景が描かれている。
もっとすごいのは後方に見える鉄道橋(か水道橋?)
これ今も残っていてRERのB線でオルリー空港行くとき窓から
見えるもんな。

5年ぶりにあった人

2006-04-21 06:46:45 | フランス
うちの会社のロンドン支店で働いていた
人に5年ぶりに再開。もううちの会社を退職して
別の会社にいるんだけどね。

あの頃カッコ良かった彼は年齢を重ねて
おなかの少しでた立派な中年のおじさんになっていた。
といってもまだ39歳ぐらいなんだが。
本当、中年ってだめだよな。ちょっと気を抜くと
だらしなさが外面に出て老け込んでしまう。
なんなんだか。
(と心の中で思ったが本人には何も言わず)

フランボワイヤン様式

2006-04-17 17:23:21 | フランス
ペットショップボーイズのベストアルバムを聞いていたら
アルバム未収録の「flamboyant」という曲が
収録されていた。なかなか軽快な曲でいいのだが。
歌詞は以下のような感じ。

You're so flamboyant
the way you look
It gets you so much attention
Your sole employment
is getting more
You want police intervention
You're so flamboyant
the way you live

しかし、待てよ。そもそもフランボワイヤンとは「炎のような」という
一次的な意味のほかに、ゴシック建築後期のフランボワイヤン様式を
指しているのではないか。ペットショップボーイズのアレンジもなかなか
豪華絢爛な世界を目指しているのでは、なんて思わせる仕上がり。
(さっき軽快な歌などと書いたのと矛盾するか)

15世紀に起こったゴシック建築の進化は「フランボワイヤン様式」で
記憶されるだろう。教会の正面、ボールト、には至る所に建築的装飾が見られる。
教会の窓の上部にはしばしば、小さな炎の形をした波型のリブが見られる。
この形からフランボワイヤン様式との呼称の起源となった。
支柱の構成に関しては、すでに柱頭は排除され、ボールトのアーチが
直接柱につながっている。
他の特色としては正面玄関入り口上部に見られるアコラージュが建物全体の
美しさを引き立てている。この様式の建築の好例としてはルーアンの市役所、
ボルドーのサン・エロワ教会 などが挙げられる。
とさささ、と翻訳してみた。やはり建築の訳は難しい。

観光ガイドって

2006-04-15 17:55:33 | フランス
テレビで「世界のホテル」という番組を見ていて
それこそ北アフリカの砂漠の真ん中のオアシスに立地する
豪華ホテル(そんな水を使っていいのか? 周辺の住民の合意は?)とか、
ベルリンの元アーティストが経営する超デザインホテルとか
(そんな劇場のような照明の下で本当に眠れるのか?)
南アフリカ共和国とモザンビークの国境近くにある
自然保護区の中に位置するリゾートホテルとか
(レセプションは自然と一体となってるのが売りだけど
猛獣は侵入してこないのか?)
などといろいろテレビに向かって突っ込みながら、
自分とはまったく関係ないこれらのホテルを番組で見ていたのだが、
ふと気がついたことがある。

ナレーションがことあるたびに「コンデナスト・ガイドで
○○位に選ばれた・・・」などと言って
コンンデナスト・ガイドを持ち出すのだ。
そんなにこのガイドっていいもんなんだろうか?
というか見たことないけど。
ミシュランの高級版ってことか?

モナコ3日目

2006-04-02 00:40:36 | フランス
南仏三日目は少し趣向を変えて内陸へ車を走らせる。
天気があまり良くなく、灰色の空の下の高速。
20キロも走れば、セーヌマリティーム県(というか
カンヌやニースなど、いわゆるコートダジュールがすっぽり
収まる県)のSOUS PREFECTURE(準県庁)のあるグラースへ。

グラースというのは名前では知っていたけど、実際に訪れるのは
今回が初めて。もう何世紀も前から香水産業(製造のほう)が盛んで
「香水の首都」なんて呼ばれていて、パリで活躍する調香師の
大半がこの町出身だとか、なんかそういう背景知識は漠然とあったんだけど。
ちなみにこの町の香水産業はルネサンス期にフランスに来た
カトリーヌ・メディシスの香りつきの手袋に遡るとのこと。
ってガイドに書いてあった。メディシスはいろんな文化を伝えたんだなあ。

グラースの町は山の斜面にへばりつく様に発達した街で、
どこを歩いても坂道ばかり。丘の途中の駐車場から眼下の景色を眺める。
ちょっと曇っていて視界がさえない。ちょっと要塞都市のようだ。

モナコ2日目

2006-03-30 06:41:38 | フランス
といってももうモナコには戻らず、今日はカンヌ方面へ車で抜ける。
カーニュ・シュル・メール、アンティーブ、サン・ジュアンなど
伝説的なコートダジュールの最たるイメージを体現するような
港町を車で走っていく。どの街にも砂浜の海岸があって、海岸通沿いに
ホテルやリゾートマンションが立ち並び、海の幸を出すレストランが
軒を連ねている。

ぼんやりしているうちにカンヌに到着。よく考えると僕は通算6年半
フランスに住んでいるんだけど、カンヌに行くのはこれが初めて!
なんでも初めてはいいもんだ。訳わかんないけど。

有名なカールトンホテルの前をすり抜け、カンヌ映画祭で赤いじゅうたんが
敷き詰められるパレ・デ・コングレの階段を横目に旧市街地に回る。
旧市街地のあまりパッとしないビストロのテラスでランチ。
どんな定食を取ったとしても20ユーロもしないこのビストロで
隣のテーブルで食事をしていたフランス人のカップルは4ユーロも
チップを置いていくのだった(600円ぐらい?)。さすがコートダジュール。

カンヌの旧市街はル・シュケ地区と呼ばれる。クロワゼット通りの
華やかさとは対照的な、地中海風の庶民的な建物が細い路地の両側に
並ぶ静かな街だ。のんきで時間が止まってしまったかのような場所。
僕はこっちのほうがずっと好きだ。
丘を登ってこの地区の高台にある、12世紀に立てられた教会、
ノートルダム・デスペランサを訪れる。教会の中は訪れる人もなく
ひっそりとしている。希望のノートルダム教会なんていい名前かも。
教会の前のベンチに腰を下ろして、しばし下界に目を落とす。
松の木の陰で地中海から気持ちのいい風が吹いてくる。カンヌの
赤いプロバンス屋根の街路がどこまでも連なって見える。海は青いし。
ほんと、こんな幸福があっていいんだろうか?

モナコ1日目

2006-03-28 06:59:53 | フランス
パリから週末を利用してニースにやってきた。
ニースのホテルで鞄を下ろし、レンタカーを借りて
海沿いをドライブ。と、書くとなんか優雅。
でも、シーズンオフで人影もまばらなビーチ、
車も観光客も少なくて、なんかお得な感じなんだよ。

有名な鷲巣の村、エズを回って目のくらむような
断崖の上を走る道路を地中海沿いに走る。海の青さが
視界に飛び込んでくる。本当に青い地中海。
カーブを曲がった途端、いきなり目の前に高層アパートが
所狭しと林立する別世界に到着する。これがモナコ。

猫の額ほどの狭い港には外国船籍の豪華クルーザーが立ち並ぶ。
車を止めて街歩き。ちょっと坂を上るとブランドショップが
軒を並べる通りが広がる。その先にはあの有名なカジノ、
あとアランデュカスのレストランの入ったホテル・ド・パリ。
デュカスのレストラン、相場を見ようと思って店先のメニューを
覗き込んだら、値段が出ていなかった。なんだよ。

モナコをぶらぶら歩いていてこの町と周辺の町とを
圧倒的な相違させているものはなんだろうか、と考えた。
街を走っている車および路上駐車している車はほとんど
ベンツやポルシェなどの高級車。フィアットとかルノーとか全然ない。
あと、レストランがなかなかない。みんなどこで外食しているんだろう?
レストランどころか、バー、ビストロ、タバコ屋、カフェなど
大衆が集うような場所がまったくないのだ。タバコの吸殻なんて
ひとつも落ちていない。モナコ。恐るべし、警察国家。

どちらとも言えない(2)

2006-02-24 08:05:26 | フランス
廊下ですれ違った同僚に、トリノ・オリンピックの話を振られたんだけど、
全然番組を見てなかったので、まったく話にならなかった。
ふと、小学生の頃、教室で昨日の夜のテレビ番組の話題を一生懸命する
同級生を横目に、話についていけなくてボーっとしていた自分を回想。
人間って何歳になっても変わらないもんだな。

さて、フランスじゃnoということが肝心と先日書いたが、同じ質問を
昨日、プライベートのフランス人の友人にも投げかけてみた。
すると不思議、同僚とまったく同じ返事が返ってきた。

EN FRANCE SI ON RECLAME PAS ON EST ECRASES.

フランスじゃ他人に対して主張しないと、他人に押しつぶされるんだよ、
だって。これってイエスといわないといけない日本文化の対極、
ノーと常に言い続けないといけない文化なんだろうか? と思ったけど
よく友人に聞くと、やっぱりいつも「ノー」しか言わないやつは
顰蹙だし、「ノー」にせよ、「イエス」にせよ理由が必要だとか。
やっぱデカルトの国。