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日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

僕とアビニョン(4)

2006-07-27 06:41:10 | フランス
デュラスの演劇の後は夜道をぶらぶらホテルまで帰る。
小さな路地裏に迷いながら。プロバンスの夜は生ぬるく心地よい。
努力は裏切らない、と思う。あまり関係ないが。
あとどんな文化でも誠実さに勝るものはない、とも。
ここ数ヶ月あまりに忙しくバタバタしてものを考える余裕もなかった。
ということで熱帯夜をさまよいながらいろいろ考えるのだ。

僕とアビニョン(3)

2006-07-26 13:19:23 | フランス
la pluie d'été à hiroshimaは
一言で言ってしまうと、デュラスの「夏の雨」と「ヒロシマ、モナムール」
をくっつけてひとつにしてしまった演劇だ。
くっつけたと言っても、有機的に連結しているわけではなく、
ただ単に、途中まで「夏の雨」をやっていて、そのあと
幕間なしに、「ヒロシマ、モナムール」に突入、という感じ。

「夏の雨」は当初は、単なるレクチュールに終始して、
このまま最後までリーディングで行くのかなあ、と思いきや
知らないうちに、劇になっていて、でも気がついたらまた
レクチュールに戻っていて、と不思議な舞台だった。
ただファニー・アルダンの例にもあるとおり、デュラスの文学作品は
もともと文学と戯曲の中間のような要素があるので、リーディングに
向くのだろうな、と納得。「夏の雨」は大学生のとき、友人が
貸してくれて読んで以来、好きではないけれど、記憶に残っている作品。
天才少年エルネストとパリ郊外の荒涼としたビットリー・シュル・セーヌの
街の描写が印象深い。

学校は僕の知らないことを教えるので、行きたくない。
je ne vais plus retourner à l'école.
parce qu'on m'apprend des choses que je ne sais pas.

で、ヒロシマ・モナムールのほうなんだけど、
結構ひどかった。フランス人女優も某日本人男優も。
もともと日本人男優が話すフランス語もよく聞き取れなかったし、
芝居自体、時代がかっていて、なんだか悪い意味で
すごい古びているのだ。心の琴線に触れないような古さ。

うんざりしつつホテルに戻る。街の中心の時計台広場の
メリーゴーラウンド。真夜中の12時。アビニョンは眠らないのだ。

僕とアビニョン(2)

2006-07-26 05:35:53 | フランス
アビニョンはありえないほど暑い。
パリの暑さが嘘のようだ。プロバンスの強烈な日差し。
街の辻辻にそびえる写真の街路樹。
ついつい立ち止まってその見事な枝ぶりに感心してしまう。
プロバンスに来てるんだ、という実感。ちょっと幸福感。

見に行こうと思っていたTANGOを中心とした
音楽のコンサート。ホテルで昼寝していたら寝過ごして、コンサートの
開演時間に目覚めてしまった。くそ、チケット代、損したぜ。
自分らしいが。
仕方がないので、cloitre des carmesの野外劇場で上演される
「ヒロシマ、夏の雨」(LA PLUIE D'ETE A HIROSHIMA)
のチケットを買うために、開演1時間前に行って窓口で並ぶ。
何やってんだか、自分。デュラスの戯曲だからいいけど。

僕とアビニョン(1)

2006-07-25 05:33:59 | フランス
なぜだろう、アビニョンに行ってしまった。
どうしてもアビニョンの演劇フェスティバルを
見に行きたくなり、
いてもたってもいられなくなったからだ。
これと言ってお目当ての演劇なんかなかったんだけどね。

アビニョンの広場を歩く。
プロバンスの強い日差しの中をそぞろ歩く。
変わらないなあ、アビニョン。

アビニョン行き

2006-07-18 07:45:36 | フランス
今週末演劇フェスティバルを見に行こうと思い
アビニョンへのホテルや鉄道の切符を手配しようと思う。
ホテルはネットで簡単に予約することができた。あとは汽車の切符。
どうも高い席しか残っていない。
こんなときには毎週火曜に発表されるSNCF(フランス国鉄)の
la denière minuteのサービスを利用するしかない。
直前に開いている電車の切符を安価でネット上で叩き売りするサイトだ。
ということで火曜までちょっと我慢。ていうか明日なんですけど。

アルザス2日目、コルマール

2006-07-16 18:36:23 | フランス
コルマールを歩き回る。仕事の関係でいろんな人に会う。
日本人にもフランス人にも会う。重要なことから些細なことまで
いろいろ話す。相手の話に同感したり、感心したり、また
まったく同意できずに「それは馬鹿げてるね」などと
心の中で思ったりする。人と会うということは自分の知らない
価値観と出会うことなんだろうな、と感想。
コルマールと関係ないが。

アルザス1日目、ってまたかよ

2006-07-15 04:48:50 | フランス
仕事の関係でまたアルザスに行った自分。
前回と違い、七月のアルザス地方はものすごい高温地獄だった。
つーか週間天気予報によると南仏の次に暑い地域に指定されているらしい、
今週のアルザス。暑すぎ。しかも南仏と違って海なんかないし、
大きい川もないし・・・。行っていた場所はコルマール近郊で
ライン川からも遠く・・・。つーかライン川まだ見たことないぜ。

ちょっとした仕事の空き時間に自転車を借りてブドウ畑を
サイクリングしてみた。1時間乗って、人っ子一人出会わない。
青い葡萄の木がどこまでも、地平線まで続いているだけ。
写真は自転車をちょっと止めて撮ったブドウ畑の丘。

ワールドカップで

2006-06-29 14:20:17 | フランス
昨日は、ワールドカップでスペインに勝利したフランスチームが
準準決勝に進出、というニュースばかり一日中テレビでも
職場でも耳にした。
深夜までシャンゼリゼにサポーターが集まって騒いでいたらしい。
「期待されていないときに限ってフランスは強い」って誰かが言っていた。

そういえば、ウルグアイチームのことをフランス人の友人に
話そうとしたんだけれど、「ウルグアイ」の発音が悪く、
全然通じなかった。URUGUAYってuが三回も出てきて難しいんだよな。

映画「マリーアントワネット」を最近見た友人は、
「ミレーヌ・ファーマーのビデオクリップを二時間見せられた気持ち」
と感想をもらしていた。確かにファーマーのクリップで
コスプレがたくさん出てくるのがあるもんな。

ロゼワイン市場席捲

2006-06-23 05:33:10 | フランス
仕事で不愉快なことがあり、むかむかして
家に戻りテレビを見ていたら、ロゼワインについての
特集番組をやっていた。

フランスの市場に出回っているワインのうち
20パーセントはロゼワイン。しかもこれは年々増加傾向にあり
特に最近はロゼワインブームなんだそうだ。
女性の支持を集めている、という理由もあるが、
その他にも近年のエスニック料理ブームで
強い味付けの料理を食べる機会が増え、
そういう料理に良く会うロゼワインが重宝される
ようになったらしい。

これからの季節にはひんやりしたロゼワインがぴったり。
サントロペの旧港の外に張り出したテラスで優雅に
ロゼワインを飲む人々の姿が。。。
なんて自分には関係ない世界だが。
九州出身なんでお酒は強いんだが。



結局音楽の日は

2006-06-22 14:48:30 | フランス
そういえば今日は会話の途中でbagnards(徒刑囚)という単語が
出てきて、意味が分からずなんか会話がしらけてしまった。
まだフランス語の研鑽が足りないわけだな、自分も。
つーか、そんな単語知らないって。

音楽の日は友人宅に呼ばれ、帰りがけにあちこち
行ってみようと思ったんだが、RERに乗っているうちに
モラル低下。結局どこにも行かず、デファンスで行われていた
公開コンサート(10万人来たという)をテレビで鑑賞。
あまり天気も良くなかったしな。

7月1日からRATP値上げだってさ。地下鉄のカルネも
10ユーロ70から10ユーロ90になるそうで。
毎年値上げしてるなあ。

オルレアンの街角

2006-06-08 14:45:14 | フランス
オルレアンの街角はこんな感じ。
ずっと昔に行ったラ・ロシェルに少し町並みが
似ていた。というか壁の色とか屋根の感じなんだが。

フランスに来てから本当に、「説明すること」の大事さ
を痛感する。もっと詳しく言えば、「説明して相手に自分の
考えを分かってもらうこと」の重要さだ。
何か新しい仕事をしようと思って、その仕事のよさも何も
分からない他人、関係者に必死になって説明をして
でもやっぱ分かってないんだよなあ、などと自分に愚痴りながら
なんとかプロジェクトを具体化していく。毎日説明の連続だ。
まずいフランス語で相手に誤解を与えたり、まずいフランス語の
レターを書いたりして、なんやかや落ち込みながら働いていく。
でも、まだ「本音」しかない分だけ、フランスのほうが楽かも。

オルレアンと関係なかったなあ。

ちょっとオルレアンまで

2006-06-08 06:08:04 | フランス
オルレアンの駅前は再開発をしている最中らしく
写真のように人工地盤ができて、大規模なショッピングセンター
と直結している。その真下には自動車道が貫通している。
昔の威厳あったと思われるオルレアン駅はもう解体されて
便宜上のプレハブのみすぼらしい駅が仮設されている。
もうすぐガラス張りのピカピカの綺麗な駅舎ができるらしい。

気晴らしにオルレアンに

2006-06-07 13:43:26 | フランス
仕事やら都会の生活やらに少しうんざりして
気晴らしにオルレアンへ行く。
オルレアンってジャンヌダルクと、ポルト・オルレアン
というパリの地下鉄の駅ぐらいしか知らないっす。

オールテルリッツ駅から鈍行で1時間。もうオルレアンに。
写真は駅前の通りをまっすぐ行ったところにある広場の
ジャンヌダルク像。

FANNY ARDANTという人

2006-06-06 02:50:52 | フランス
VINCENT DELERMEの歌にも出てくるフランス映画界でカルト的人気を博す
ファニー・アルダンが今月舞台に出るらしい。それも僕の好きな
デュラスの作品をモチーフにしたもの。タイトルは

LA MALADIE DE LA MORT DE MARGUERITE DURAS
マルグリット・デュラスの「死の病」

でも、実は僕はアルダンが本当に
人気があった頃をリアルタイムで知らない。70年代後半だっけ?
テラスという演劇情報誌を読んでいたらインタビューが載っていた。
「愛すること」についてデュラスの作品の
もっとも象徴的な文章を引用していた。

AINSI CEPENDANT VOUS AVEZ PU VIVRE CET AMOUR
DE LA SEULE FACON QUI PUISSE SE FAIRE POUR VOUS,
EN LE PERDANT AVANT QU'IL SOIT ADVENU.

でもあなたは、あなただけにできるやり方で
この愛を生きることができた、
愛を手に入れる前に、もうそれを失いながら。
訳間違ってたらすんません。



ちょっとしたクセ

2006-06-01 06:18:09 | フランス
ふと思ったんだが、こっちに住んでいると
話すとき相手の目をじっと見ながら、できるだけ相手を
説得するように話すクセがつく、と思う。
これが日本とは反対な点で、日本って話をするとき
割合相手の目を見ないで説明をすることが多い、ような気がする。
相手を凝視すると失礼だ、みたいな考えがあるのかなあ。
僕なんか割と目つきが鋭いので、相手の目を見ながら話すと
日本では嫌がられたっけ。

まあ、こんなことなんて自然と住んでいると無意識に
身についてしまう行動様式なんだろうな。
言葉も実は同じで、文法なんかを頭の中でいろいろ
考えるというよりは、実践を通じて経験や体で覚えこむ
ものなんだろうな、などとふと思った。
といいつつ、あまりフランス語が実践を重ねているくせに
最近壁にぶち当たっているんだが。