goo blog サービス終了のお知らせ 

日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

ロッテルダムへ3

2015-09-23 22:42:09 | 海外(フランス、スペイン以外)
美術館の後、駅前の予約していた高層のホテルにチェックイン。
近くのスーパーで買ったサラダを食べちょっと仮眠をとろうと思って
ベッドの横になったら、そのまま眠ってしまった。
目を覚ますともう夜の10時近く。
すっかりやる気をなくし夜のロッテルダムを徘徊する気にもなれず
また眠ってしまった。

翌朝は気を取り直して電車でハーグへ。
ハーグ事件とか国際司法裁判所とかいろんな先入観があったのだが
実際に着いてみるとこの街はことのほか都会で
駅前には高層ビル街も存在している。



そし今回の旅行のもう一つの目的、
マウリッハイス美術館に足を伸ばす。



オランダ第二の美術館。
そこには希少なフェルメールの作品が。




この素晴らしい「デルフトの眺望」も収蔵されている。
まるで恋人と対面するみたいに緊張して絵画と向き合う。



ロッテルダムへ2

2015-09-22 21:23:48 | 海外(フランス、スペイン以外)
ロッテルダムの空はニコリともしない。
雨が降りそうではないのだが、一向に青空も見えない。
北欧の空というのはこういうものなのだろうか。
僕はホテルにチェックインするのも忘れて、まず
路面電車沿いの道をまっすぐ港に向かって南下する。
そこに今回の旅のお目当てであるボイマンス・ファン・ベーニンゲン
美術館があるのだ。

ボイマンスはオランダではアムスの国立美術館、
デンハーグのマウリッツハイスに次いで重要な美術館とされている。

といっても、見た感じはこじんまりして、ルーブルとか
オルセーとかああいった重厚な、重苦しい感じはしない。
本当に重要な美術品があるんだろうか、なんて思ってしまうぐらい
質素なたたずまいだ。

そんな失望はすぐに、美術館に入るなり消えてしまう。
美術館の中は無数の小部屋に分かれているのだが、それぞれの小部屋に
テーマ別の説明、そしてそれぞれの美術作品にも作品解説が
キャプションでくわえられている。ちょっとずつ説明を読みながら
美術館を進んでいくと、北方ルネッサンスとか、フランドル絵画の誕生とか
オランダの美術とか、手に取るようにわかるのだ。
はっきりいってこんな丁寧に説明が加えられている美術館って
僕にとっては初めてかもしれない。いつも、現代アートの展示は
勝手に解釈しろ、と言わんばかりのそっけない展示ばかりだからだ。

ほどなくして、僕はブリューゲルの絵の前に来る。



現物を見ると、その迫力は格別。
細かく描かれた画面の中には蟻のようにしか見えない人間がうごめいている。
そしてバベルの塔の向こうに見える風景は当時のアントワープの街ではないか、
と言われている。この絵の前に来ることができてなんて幸運なんだろうか、
なんてしばし感慨に浸ってしまう。

ロッテルダムへ

2015-09-20 21:50:08 | 海外(フランス、スペイン以外)
ロッテルダムという街はなんとなく昔から知っていたのだけれど
またタリスに乗ればあっという間に着いてしまうことも知っていたのだが
今までどうも触手が動かず行き出せずにいた。

なんで考えが変わったのかというと
日本の雑誌を読んでいたら珍らしくロッテルダムが取り上げられていて
そこにブリューゲルのバベルの塔の絵のことも出ていた。

ブリューゲル好きというかフランドル絵画好きの自分としては
いても立ってもいられなくなって電車の切符を買っては
週末にロッテルダムに出かけて行ったのだった。


アントワープのちょっと先、
簡単に国境を越えてパリの北駅から二時間半でタリスはロッテルダム駅に到着する

いきなり近代的な駅舎を目の当たりにして心がウキウキしてしまう。
ロッテルダムは現代建築のメッカなのだ。



そして街に向かって歩き出す。




北の街角2

2015-08-16 09:45:08 | 海外(フランス、スペイン以外)
ヘルシンキ二日目は朝早く起きだして、街歩きを開始する。
以前もコペンハーゲンに行ったときに思ったのだが、
北欧の夏というのはフランスやほかの南欧諸国と
あまり変わらない。もちろん、太陽光線は若干弱いのだが、
日中はちゃんと30度近くまで気温があがる。きっとこんなに
暑い期間は短くて、フィンランドの人たちは最大限に太陽を楽しむんだろうけど。



以前来たときにも訪問してヘルシンキ大聖堂を訪れる。
聖堂前の広場には観光バスが次から次へと停車しては、中国や東欧、日本の
観光客を下してゆく。街にはいたるところに公園や街路樹があふれていて
なんだかほっとしてしまう。

大聖堂前にはクリスマスマーケットが出ると観光ガイドに書かれていた。
半年後だけど、元気があればまたクリスマスにヘルシンキに来たいなあ。


北の街角1

2015-08-11 21:04:11 | 海外(フランス、スペイン以外)
日本から友達が来るというので、ヘルシンキくんだりまで彼女に会いに来た。
よく考えたら、ヘルシンキに来るのは10年ぶりぐらい。
しかし、前回来たときはほぼ真冬だったので、曇った薄暗い空の下、
雪の中に埋もれた街のイメージしかなかったのだが、今回初めてのヘルシンキの夏。
空港から電車に乗って中央駅につき、駅前に降り立った途端、
舗道や路面電車、ガラスの近代的なビルのあちこちに太陽がさんさんと反射している。





あまりにもイメージが違いすぎてまるで初めて降り立った街のようだ。
空が高くて、青い。IPHONEからLATE NIGHT ALUMNIを聞きながら、
北欧の街の人混みに紛れながら、ホテルに向かう。

バーゼルに行く4

2015-06-28 21:21:32 | 海外(フランス、スペイン以外)
そして僕は翌日、今回の旅行の目的でもあるバーゼルアートフェア2015会場に行く。
会場はバーゼルの右岸のちょっとはずれにあるメセナ会場。いきなり静かな街角に
近代的で巨大な見本市会場が現れる。

バーゼルアートフェアは世界で最大のアートフェアで、世界各地から
ギャラリーやバイヤーはキュレーターが集まる、現代アートの最先端のような場所だ。
パリのFIACよりも数倍の大きさがある。

会場に入るとなんだか迷路のような空間が広がっている。世界各地の
ギャラリーブースが延々と続いている。一つ一つ見ていたらいつまでたっても
回り切れないので、足早に歩いていくけれどアート作品が四方八方に
展示されていてどこにどう精神を集中させていいのかわからない感じだ。
モダンなペインティングがあるかと思えば、ちょっと少し前の時代を感じさせる作品や、
20世紀初頭の作品を堂々と飾っているギャラリーもある。



見物につかれて隣の会場に移動。そこでは作家が思い思いに作品を発表している
unlimitedのコーナーが。


タイトル通り、想像力を思いのほか無限に広げた作品ばかり。






バーゼルに行く3

2015-06-26 22:00:34 | 海外(フランス、スペイン以外)
バーゼルというのは変な街だ。スイスで三番目に大きい街なのに
どこかこじんまりして、あまり人も歩いていない。
たまに広場でバスや市電を待っている人々を見かけるけれど、
なんだかのんびりしていて、まるでフランスの田舎の街で
バス待ちをしている人のようだ。

僕はあまり広くはない街をぶらぶら歩くのだけれど
いまいち方向感覚をつかめずにきょろきょろする。



写真はとりあえずバーゼルの市街地の中心といわれる街区。
どこがどう都会なんだかわからないけど。

ちなみに僕はこの旅行は一人で来たんだが、今回スイスの街のそっけなさに
あてられて、なんかだれか友人か彼女と来ればよかったと切に思ってしまった。
スイス人はみんなが裕福に見える。そのかわりみんな無関心だな。


バーゼルに行く2

2015-06-24 21:59:35 | 海外(フランス、スペイン以外)
駅を通りに抜けて、しばらく旧市街まで下りてゆく。
フランスと違って、チリひとつ落ちていない、こざっぱりした
舗道を僕は歩いていく。市街地はこじんまりとしていて、
高層ビルが立ち並ぶこともない。どちらかというと
古い歴史的建造物と新しめのオフィスビルが次から次へと
道すがら現れる。

しばらく行くと川が見えてきた。
これがライン川だ。川の水は濁っている。振り向くと
ライン川沿いに広がるバーゼルの街と、その象徴のような
丘の上に立つ大聖堂が風景の中にすっぽり収まった。


バーゼルに行く1

2015-06-23 23:20:38 | 海外(フランス、スペイン以外)
今度はバーゼルに行ってみる。バーゼルと言っても街は何度も
聞いたことがあった。アルザスで仕事があったとき、仕事関係の
クライアントはバーゼル空港から打ち合わせ先に来ていたし、それから
ヴィトラデザインミュージアムに行ったという知人と話をしたら、
彼女はバーゼルからバスに乗ってミュージアムに行ったといっていた。

そんな、何度もこれまで聞いたことのある街なんだが
なかなか行く気になれなかった。スイスであるので通貨がまず
ユーロではないし、また物価もフランスと比べて高いというのが
明白にわかっていたからだ。

そんな及び腰な僕がバーゼル行きを決断したのはほかでもない、
バーゼルアートフェアが今年も開かれるというので、
珍しく重い腰を上げて、フェアに行ってみようという
気になったのだ。

バーゼルアートフェアは世界でも最大規模のアートフェア。
世界各国からバイヤーや学芸員が集まり、有名なギャラリーが数えきれないほど
集まるフェアだ。ちょうどパリのFIACの拡大版みたいな感じ。


そんなことを考えていたらもうバーゼルの駅に着いたよ。

クレーの街へ4

2015-04-09 23:02:30 | 海外(フランス、スペイン以外)
次の日はもう帰る日だ。一泊二日の旅行なんでせわしない。
ホテルを10時ごろにチェックアウトして、今度は
歩いて市街地に向かう。

ちょっと歩いていくと、急に道は坂道になって、
川に囲まれて丘にぎっしり街並みに連なったベルンの旧市街が見える。
ちょっと息をついてまたしばし風景に見とれる。
クレーもその人生の中で何度も目にした風景なんだ。

電車の時間まで少し時間があるので、街中のレストランに入って
またスイス料理を味わうことにする。一人で入っていて
ロスティーという名物料理を注文。すぐに下のような料理が運ばれる。
夕べ食べた料理と似ているけど。



しばらくスイスに来ることもないなあ、と考えると
なんだかこみあげてくるものが。新しいクレーセンターの
展示が始まったらまた戻ってこようかなあ。
朝8時のリヨン駅の電車も、物価の高いスイスフランも差し引いても
来るだけの価値のある町だから。

クレーの街へ3

2015-04-08 22:44:35 | 海外(フランス、スペイン以外)
そして僕はパウルクレーセンターの中に入って行って、
KLEE IN BERNという展示を見てきたのだが、内容が良すぎたのと
ずっと憧れていたクレーの世界に触れることができた感激で
なんだか文字に残する気がしてこない。

展示では、クレーがわれわれがよく知っている
クレーになる前の時代、風景画を描いていたり、デッサンを描いていた
時代も含めて多角的ににクレーの絵画を紹介していたのだが、
何がクレーをクレーらしくしているのか、それからクレーが描いていたのは
絵やスケッチじゃなくて、記号もしくは言語だったんだ、となんか
わかった気がした。うまく言えないんだが。


クレーの感動のあと、ホテルに戻って昼寝。目を覚ますともう夜の20時。
のろのろと市電に乗って、ベルンの中心部の広場に面したスイス料理の店に行く。
入るなり、店はにぎわっていて、観光客が多くいるせいか、チーズフォンデュの
匂いが店内に漂っていた。僕はメニューを見て、なんかスイスっぽい名物を
ウェイターに紹介してもらう。それででてきたのが以下の料理。



スイス産の赤ワインと一緒に味わうスイス料理。
チーズっぽくてハムが大量に入っていて、太りそうだが美味。
さっきの展覧会のブックレットを一人で読んでいたら隣の女性から
「クレーの展示どうだった?」なんて話しかけられる。
旅行ってこうやって知らない人とも話せるから楽しいよな。




クレーの街へ2

2015-04-07 22:43:14 | 海外(フランス、スペイン以外)
古い街並みのアーケードを延々と歩いていくと
いつしかアーケードは途切れ、ベルンの街を囲い込むように
流れる川にかかる石橋に突き当たる。石橋からはいわゆる川辺に沿った
下町が見下ろすことができ、ベルンの旧市街は本当に丘の上にできた
都市であることが実感できる。
そして向こう側にはベルンの街の起源にもなった熊公園。

ほとんど動かない熊の姿を横目に、僕は坂道をあがっていく。
急な勾配は歩いている人はほとんどいない。車がどんどん過ぎていく。
ベルンは起伏の多い地形の上に成立した街なのだなあ、と自分でも納得。
そして坂の中腹から、ベルンの街をちょっと高いところから振り向く。



教会の尖塔と、国会議事堂の塔が遠くから見渡せる。
声を失うような美しい風景。こんな町で暮らせて、毎日こんな風景を見れたら
どんなもんかとちょっと考える。

坂をまだ進んでいくと、急に市街地は平坦になり、
丘陵の上に広がった街並みが広がる。僕は脇道にそれて湖や野原をそのまま歩いていく。
行くてにはパウルクレーセンターの道案内の看板が。

20分ほど歩いたところ、目の前にレンゾ・ピアノの建築が見えてきた。
クレーセンターが見える!


クレーの街へ1

2015-04-06 21:54:44 | 海外(フランス、スペイン以外)
復活祭の連休を利用してスイスのベルンへ。
ずっと前から行こうと思っていたポールクレーセンターへ
展示を見に行くことに決めたのだ。

パリのリヨン駅から4時間ぐらい、国境を越えてヌーシャテルで乗り換えて
電車はスイスの首都、ベルン駅に滑り込む。
首都といってもスイスでは5番目の人口の、ほんとうにこじんまりとして町。
駅を出るなり、広い、青い空が迎えてくれる。



そうし僕は世界遺産にも指定されているベルン旧市街を下って、
ポールクレーセンターへと進んでいく。


カールスルーエへ(3)

2015-03-16 22:06:47 | 海外(フランス、スペイン以外)
アートフェアも見て、街並みも見て、そして夕方になるころ、
ブラブラ駅に向かい、パリ行のTGVに乗り込む。短い、週末だけの旅が終わりそうになる。

じつはいろいろ考え事をしていて、それは仕事であったり、人生であったりと
最近あまり元気ではなかったのだが、晴れない気持ちはドイツに来ても同じように
襲ってくる。でも、ちょっと環境が変わって、例えば周りの景色や、周りで話されている言葉や
看板の文字が違うだけでも少しだけ心の助けになるものなのだ。

TGVの窓際の席に座って、音楽でも聞きながら窓からの景色をずっと見ていると、
電車はあっという間に国境を越えて、フランスに入ってしまう。30分も過ぎると
もうストラスブールの大聖堂が見えてくる。

ストラスブールを過ぎると、もう外の景色は穏やかな平原と農村が続く
フランスらしい風景。時計を見るともう18時30分ぐらいだ。三月頭の夕刻は
まだ暗くなることもなく、ゆっくりと夕映えが平原の景色を包み込んでいる。



まそんな景色をずっと眺めていると少しずつ気持ちが晴れてきた。
なんかバカみたいなんだが、夕日は誰にも平等に美しく見えて、また誰にも平等に照らし出すんだなあ、
なんて気持ちがしてきた。そんなことを考えているうちに、ゆっくりと
心の雲が晴れてきたような気がした。

カールスルーエへ(2)

2015-03-15 20:04:57 | 海外(フランス、スペイン以外)
アートフェアのあと、市街地に戻ってちょっとぶらぶらする。
市の中心部に座するカールスルーエ城まで行ったければ
その内部を見学しようなんて気持ちにはなれず。

カールスルーエは町中で工事をしていた。新しいトラムか地下鉄かの敷設工事。
観光スポットと聞いていた市役所前広場も工事中の柵があちこちに立って
見る影もない。

パリの生活で、仕事もなんだかごたごたとか胸糞悪くなることばっかりだったので、
フランスを離れて、ドイツで新しい空気を吸うことはなんてラッキーなんだと思う。



街角をぶらぶら歩いては都市の空気を感じる。
国境を超えただけで、こんなに町の雰囲気や人々の接し方が変わるもんなんだろうか。