経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

住宅と為替に効いて設備投資に効かない金融政策

2023年08月23日 | 経済
 米国の4-6月期GDPでは、設備投資の実質の前期比は年率で7.7%の高さだった。FRBの利上げが始まった昨年3月から1年以上経つのに衰えない。他方、住宅投資は、利上げ開始の直後から大きく減り、未だマイナスが続く。ドル高については、改めて言うまでもない。教科書では、金利で設備投資が調整されることになっているが、現実には、金利は住宅と為替には効いても、設備投資には効かないというのが経験則であり、今回も、いつもどおりになっている。

 その設備投資が補助金などの産業政策で動くのかというと、これも違う。日経が半導体で報じているように、促進策で一時は盛んになっても、需要が見込めないと萎んでしまう。設備投資は需要に従って行うという個々の企業の行動原理そのものである。金融緩和と産業政策で収益率を高めると設備投資が増えるというのは、机上の空論で、そんなものを信じて実務に当たっていたら、ヤケドをしてしまう。理論は政治的な道具であり、真実は別という冷徹さ大切だ。

(図)



(今日までの日経)
 米長期金利、16年ぶり高水準。建設資材に下げ圧力 住宅用木材、1年で半値に。半導体投資、4年ぶり減 誘致競争で過剰懸念。社説〈人手不足に克つ〉観光産業は生産性を上げる好機に。日立はなぜ復活したか。中央銀行さらなる難所・関根敏隆。10人に1人が「アプリ婚」。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 4-6月期GDP1次・消費と雇用者... | トップ | 金利で動かない設備投資を動... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済」カテゴリの最新記事