続きを。こうやって書いていくとなかなかまとまりません。今回からは女子が3人話してから男子が話すという流れでした。こういう時は交互に話すのが良いですね。女子はかなり感情的になります。男子は比較的冷静に話ができます。この部分は大きい。まー私もそれに合わせてという感じですが。
今回一番の山場はやはりSだと思っていました。本人も自覚していますが「涙」という意味では一番Sが泣きます。指導してきたこの4年近くなんだその姿を見たでしょうか。感情豊か。キリッとしています。強気な部分がある反面、涙もろい。それだけ競技にかけていたというのもあると思います。ポストカードを渡した時点で感情的になっていました。その姿を見た私も…。
NとMが話した後にSでした。2人の話を聞いていた時点でSは涙が溢れていました。そして前に出て話す。気持ちの整理がなかなかつかないだろうなと思いながら。
「私は先生と一緒に陸上競技がやりたいと思ってhoshoに入った」という言葉から始まりました。言うまでもなくこの時点で私はアウトです。涙が止まりませんでした。普段からこの手の話は全くしません。当然かもしませんが。競技の話と雑談くらい。どちらかというと厳しく接してきたところがあるので。それが開口一番この言葉でした。幸せな瞬間でした。こうやって思っていてくれたという事実。それだけでこれまでの苦労が吹き飛ぶ感覚でした。
Sは感情をコントロールしながら話をしてくれていました。自分の1年生の頃のことを冷静に振り返っていました。強力なライバルが目の前にいる中で強くなりたいという思いを持っていた。それなのに苦手なことや思うようにいかない時に周りに分かるくらい態度に出ていた。周りに気を使わせてしまっているのが分かっていてもそれが抑えられなかった。まさにその部分だと思います。持っている力はNやMに負けないものがありました。しかし、それを出し切れない。それはずっと言い続けてきました。
誰よりも努力を続けていた部分はあります。それでも怪我が続いていた。学外で注目を集めるのは結果を出していたNやMかもしれません。この子達ももちろん努力していました。当たり前の話ですが。2人がしっかりと取り組めたのはSがいてくれたからだと考えています。怪我をして苦しんでいる時にもSは耐えてきました。本人も分かっていましたが我慢できなくなってイライラが表に出ることもありました。その都度諭してきた。相手は高校生です。それは簡単なことではありません。しかし、Sが女子の中心なのは間違いない。この子の発言や態度はチーム全体に影響します。だからこそこちらも厳しく話す。
怪我から立ち直る過程。苦しんでいました。思うように走れない中でもがく。「側にいてずっと支えてくれた先生、家族には本当に感謝している」と。「みんながいてくれたからここまでやってこれた」と。苦しんだ分だけ考える事も多かったと思います。その中で自分が何をするかを見つめ直すことができたのかなと。
本人も言っていましたが最初は「わがまま一杯」という感じがありました。思い通りにならないとすぐにそれが出る。これは女子3人に共通して言える事ですが。自分達さえ良ければという考えで行動していました。先輩達や同級生には迷惑をかけてきたという言葉も出ていましたから。こういう部分は本当に成長していると思いますね。私はこの子達の話を聞きながらずっと涙が流れていました。
自然に自分の周りにいる人間に感謝の言葉が出てくる。「感謝する事」というのは常に話をしていました。表面的に「感謝する」というのではなく自然と湧き上がってくる感情なのだと思います。全員が同じような言葉を発していました。苦労した事。辛かった事。Sでさえも「辛くて何度も辞めようと思った」という話をしていました。練習がキツイからというのではなく思い通りに走れない苦しさがあったからだと思います。
何度も何度もSが涙するのを見てきました。インターハイが決まった時は泣いていなかった気がします。先輩と会った時には泣き崩れていたようですが、私があった時は普通でした。嬉しい涙よりも悔しい涙の方が圧倒的に多かったかもしれません。それでもこうやって感情をしっかりと出せるというのは大切なことだと思います。涙が流せるくらい本気で競技をやってきたのだと改めて思いますね。
この時点ですでに私は号泣していたので全体の前で話す時には大丈夫だなと感じていました。理由は「今更この子達に伝える事はない」というのを感じることができたからです。blogに書いた内容が全てです。この子達が感じてくれたこと、言葉にしてくれたことが私の伝えたかった事だから。
「先生と一緒に陸上競技ができてよかった」という表現はなかなか聞けません。かなりレアです。普段の対応などを見ているとさほど慕われている感じはありませんでしたから。内心思ってくれていたのかもしれませんが。こうやって実際に目の前で言葉にしてもらうというのは流石に心に響きます。これまでの指導経験の中でストレートに言ってもらった事は少ないかもしれません。
男子が「先生の指導に従ってきちんと考えて練習していたら力が上がる」と言ってくれていました。男子にもかなり苦労をかけています。その選手達からそういう言葉が聞けるのは大きい。「hoshoで陸上競技ができてよかった」「hoshoでなければ強くなれなかった」と言ってもらえる。社交辞令の部分もあるかもしれません。それでもこうやって言葉にしてもらえるのはありがたい。
私の指導が云々ではなく「そういう言葉が出せるくらい成長をしている」というのが一番嬉しいのです。ここまでやり切らなかったらそういう感情は生まれなかったと思います。
もうすこし書きます。まとまらないですが。