ぱぐぱぐ通信

環境にわるいペットボトル飲料を買わないジョー・てるりんの絵日記みたいなものです。

年末年始に読んだ本

2014年01月07日 21時12分12秒 | おすすめ
年末年始は12月30日~1月5日までが休みでした。

この15年のうちで、、もっとも長い7連休でした。

そんなわけで読書ざんまい。




「PK」 伊坂幸太郎著




「PK」「超人」「密使」の3編の短編が織りなすファンタジー。


まずは「PK」

人気作家が謎の男から「未来が変わるかも知れないから」と改稿を迫られる。

帰宅して妻に話すが、取り合ってもらえない。妻は逆に、

「ゲームばかりしている(幼稚園の)息子をなんとかして」と頼み、

人気作家は架空の友人の「次郎君」を持ち出して

「歯ブラシを持って走っていた次郎君は転んで、

歯ブラシがのどの向こうに飛び出して大変なことになった。

テレビばかり見ていたときには、テレビの向こう側の世界に入ってしまって、大変なことになった」

などと教訓をたれる。

人気作家の息子はその後、国会議員になり、マンションから落下する幼児を救ったことで有名になり、

57歳で大臣になる。

大臣は秘書官に2001年のワールドカップ最終予選での小津のPKに係る謎を調べるように命ずる。

「勇気は、勇気を持った人の行動を見なければ与えられない」。

場所は急遽変わり、新宿の居酒屋。

酒を飲みながら男は女に小津のPKの話を持ちかけるが、女は超能力者の話を持ち出す。

殺人を予知できる超能力者が殺人の発生する前に、殺人犯を殺してしまうという噂だ。



2作目の「超人」は。

浮気が原因で妻と別居することになった田中は独身の作家である友人三島の家に転がり込んでいた。

ある日、三島は家を営業で訪ねてきた警備会社の営業マンの本田から、

「変なメールが届く」と相談を持ちかけられる。

そのメールには、氏名と住所と数字が書かれているという。

本田は、そのメールに書かれた人物が殺人事件の犯人であることを突き止め、事件が起きる前に

犯人を殺しているという。

その本田に、ある大臣が10年後に1万人規模の殺人を犯すとの予知メールが届く。

本田はその名前を見て驚く。その大臣は、本田が子どもの頃、

マンションから落下した際に救ってくれた恩人だったからだ。

一方の大臣。「かつて自身が救った子どもと会いたい」と秘書官に告げる。

秘書官は本田を呼び寄せ、レストランで・・・。



3作目の「密使」

大学生の三上はある日、自分に、

握手した他人から6秒間だけ時間を奪うことができる能力があることを知る。

この力に憑かれた三上は、「握手ができる仕事を」と、

キャラクターショーなどを手掛ける有限会社に入社する。

その三上の前に、三上の能力を知った男が表れ、タイムパラドックスについての講義をする。

そして、未来の多くの人たちを救うために、三上に犠牲になってもらいたい…と遠回しに迫る。

未来が変わってしまったのかどうかは不明だが、

車の中の大臣は、悩んでいる。隣に座る秘書官は電話の相手に

「そうですか、了解してくれましたか」と、ふだんは見せない安堵(あんど)の雰囲気を漂わせる。

大臣が秘書官を見ると、首の辺りに縫ったような傷が。

大臣が秘書官に聞く。

「テレビを見過ぎて、テレビの向こう側に言ってしまったことは ?」

秘書官は「あの時は大変でした」と答える。



☆☆☆☆☆

時間軸も視点もあちこちに飛ぶので、わかりにくいかも知れませんが、

「そういうことなのか」と何度もひざをたたきそうになる面白さがあります。




「頭脳勝負」 渡辺明著



将棋の初代永世竜王の渡辺明さんが、棋士のふだんの生活や、

対局の裏側などを分かりやすく書いています。

将棋を知らない人でも、それなりに楽しめそうです。

☆☆☆




「執着」 堂場瞬一著



「最高の刑事」を目指すジーパン刑事・澤村(趣味カメラ)シリーズ第3弾。

犯人は冒頭で明かされる倒叙形式ものです。


県警捜査一課から長浦南署への異動が決まった澤村。

その南署にストーカー被害を訴えていた竹山理彩が、出身地の新潟で焼死体で発見される。

ストーカーの相談を受けていながら殺人を防げなかった南署の失態。理彩に続く第二の殺人…。

ストーカーだとされる理彩の上司を逮捕するべく、沢村の執念の捜査が始まる。


☆☆☆

タイトルは、沢村の執拗(しつよう)な捜査手段なのか。

それとも、一般人には理解されないストーカーの心理を言い表しているのか、どちらでしょう。

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