映画「パラサイト 半地下の家族」
一家4人がともに失業中で半地下に暮らすキム一家が、
身分を偽ってIT企業の社長の豪邸に次第に入り込んで寄生(パラサイト)し、
裕福な生活の一部を享受するコメディーかと思いきや、
次第にサスペンス調になっていきます。
キム家の長男が、友人の大学生から金持ちの象徴の石を受け取ると共に、
IT企業の社長令嬢の家庭教師を頼まれます。
それをきっかけに、キム家の長女は美術を通じて発達心理学の学生として入り込み、父親は運転手に。
さらには母親までもが、家政婦としてまんまと入り込むことに成功します。
社長一家がキャンプに出掛けた晩、キム一家は社長の豪邸で酒盛りを始めるのですが、
その深夜、キム一家によって追い出された元家政婦が顔を傷だらけにして
「地下に忘れ物をした」と戻ってきます。
さらに社長一家も「大雨でキャンプ場が大変」
といって急きょ寄託することに。
ここから一気にサスペンス調に変わります。
裕福な家と貧乏な一家の差が象徴的に表現され、
地下や半地下に暮らす人々の嘆きが散りばめられています。
「におい」がキーワードになる映画。
ラストに向かって物語は急加速します。
世間知らずの社長夫人と、社長令嬢がかわいかったなあ。
はらはらドキドキ度 ☆☆☆☆☆
感涙度 ☆☆
居眠り度 ☆
総合 ☆☆☆
もうひと言
小学生くらいの社長の息子がモールス信号で地下にいる人の存在に気付きそうだったのに、
その伏線は回収されずじまい。
社長令嬢と、家庭教師になったキム家の長男とがすぐに恋仲になるのも
ちょっと不自然かな。
というのも、元の家庭教師(長男の友人)は
「彼女と真剣に交際を考えている」
って冒頭に言っているくらいだから、
彼女だってその気になっていたのではないのかな。
キム家の長女が社長の車の中にわざと置いてくるパンティーで、
若い運転手が解雇される理由が分からなかったな。
さらにひと言
社長夫人の脳天期ぶりはいやみがなくて良かった。
社長も、映画やドラマでよく描かれる大金持ちにありがちな傲慢(ごうまん)さがなかった。