花ごよみ

映画、本、写真など・

散り椿  葉室麟

2018-10-01 | 本 な、は行(作家)

散り椿 (角川文庫)

実写化というので原作を読みました。

主人公、瓜生新兵衛は、
不正を訴え、認められずに
藩を追われることになるが、
妻、篠の願いを叶えるため、
18年ぶりに故郷に戻り
かつての仲間だった、
源之進の家に身を寄せる。

切腹させられていた源之進、
彼の息子・藤吾は、新兵衛を警戒。

新兵衛と藤吾は、
政争の中に巻き込まれる。

篠の新兵衛を思う心、
妻の願いを果たそうとする新兵衛。
出世を望んでいた藤吾の心の変化、

新兵衛、采女、源之助、三右衛門、
道場の四天王といわれた4人。

別の道に進んでも
若き日の友情を大切に
お互いを思いやる4人の姿。
藤吾の成長していく姿もよかった。

信念を曲げない
誠実でまっすぐな武士の生き様が
切なくて、美しい物語でした。

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傍流の記者  本城 雅人

2018-08-17 | 本 な、は行(作家)

傍流の記者

全国紙、東都新聞社に入社した、
6人の同期の新聞記者、
(土肥、植島、北川、城所、図師、北川)が主人公。

彼らがそれぞれ主役となる、
連作短編です。

新聞社の内情、
人事、出世競争、新人採用、
社会部と政治部の争いなど、
章ごとに様々な事件と関連させながら、
新聞社の裏側を見せてくれます。

自分の道を信じて進む彼らの、
それぞれのドラマが描かれます。

登場人物は多いです。
展開はおとなしめで
ハラハラ感はなかったです。
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悪徳の輪舞曲  中山千里

2018-08-06 | 本 な、は行(作家)

悪徳の輪舞曲

悪辣弁護士、御子柴シリーズ。

今回の依頼者は30年ぶりに訪れた妹、梓。

引き受けたのは、
母郁美の殺人容疑の弁護。

近親者の弁護、
御子柴弁護士は、
近親者といえども
何の思い入れもないようだが…

御子柴の過去、事件後の家族の生活が
明らかに。

検察側に有利な状況を
どういう風に覆すのか。

冒頭に覚えた、
漠然とした違和感がラストに解明。

ラストには少し救いが、
そして最後にはやっぱり
「どんでん返し」も。
加えて、心の「どんでん返し」も。

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護られなかった者たちへ  中山七里

2018-08-02 | 本 な、は行(作家)

護られなかった者たちへ

善人と周囲から評価されていた人物二人が、
続けて事件死。

生活保護の申請、職員とのあつれき。
生活保護の現状の問題点を提起。
社会福祉制度がテーマのミステリー。

大事な人を護りたかった後悔、
その怒りの先は?

本当の悪人はだれなのか。
保護制度で救われない人、
救われる人。
護られるべきなのに行政から見放され
「護られなかった者」の悲惨な現実。

切なくなる物語でした。
そして最後の最後に涙です。

やっぱり中山七里、
どんでん返しはありました。

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教場0: 刑事指導官・風間公親  長岡弘樹

2018-07-07 | 本 な、は行(作家)

教場0: 刑事指導官・風間公親

教場シリーズエピソードゼロ。
教場シリーズの3作目。
6篇の連作短編集。

第一話 仮面の軌跡
日中弓は借金の肩代わりに芦沢と交際。
大企業の御曹司から見初められ別れを告げる。
しかし秘密を暴露すると芦沢に言われ…。

第二話 三枚の画廊の絵
画廊を営む向坂善紀。
離婚のため息子匠吾の親権を手放す。
芸術的センスがある匠吾。
芸大進学を希望するが…。

第三話 ブロンズの墓穴
学校でのいじめのため
登校拒否になった小学三年生の研人。
いじめを認めない担任の諸田伸枝。
研人の母佐柄のとった行動は。

第四話 第四の終章
隣室の女優筧麻由佳に惹かれた佐久田。
麻由佳の部屋で俳優の元木伊知朗が自殺を図る。
佐久田に助けを求める麻由佳。

第五話 指輪のレクイエム
五十歳の仁谷は認知症の症状が進む
七十歳の妻、清香の介護に疲れていた。
覚悟はしていたが症状は予想よりも早く進む。
切ない物語。

第六話 毒のある骸
法医学教授の椎垣は、
遺体を司法解剖する際、
大けがを助教の宇部に負わせてしまう。
公になると、消えてしまう昇進。


警察学校の教官となる前の風間。
現役刑事で新人刑事を鍛える風間。
今回は指導役。

警察学校が舞台の教場と比較して、
陰湿さは軽減。

まず犯人が殺人事件を起こし、
次に風間のヒントによって
新人刑事が自ら解決という、
アリバイ崩し、倒叙ミステリーです。

各回に違う新人刑事が登場します。
短編なので読みやすかったです。


 




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たゆたえども沈まず  原田 マハ

2018-07-05 | 本 な、は行(作家)

たゆたえども沈まず

ヨーロッパの各地で起こった
印象派という
いままでの絵とは違う光の溢れる絵、
そんな絵が受けいられるようになった時代。

日本美術に反応を示したのは、
マネ、モネ、ドガ、ピサロ、
ルノワールなど革命的な印象派の画家達。

ゴッホの作品にも、
多大な影響をもたらした浮世絵。

日本美術へあこがれ
浮世絵に傾倒したゴッホが
代金代わりに描いた、
タンギー親父の肖像画
名作「タンギー爺さん」には
浮世絵画家、英泉の色面、
構図などが生かされています。

ゴッホの応援者であり、
浮世絵を広めた、パリ在住の画商、林忠正、
専務の加納重吉、
彼らとゴッホ、ゴッホの弟の
テオを主軸に描いた作品。

弟の画商、テオは、
ゴッホを認めない世界が
くやしかった。

テオの苦悩、熱意、
テオがどれだけ
孤独な画家、ゴッホを支えたかが
悲しいほど伝わってきます。
いつか必ず世に出るようにしてみせると…
また天才画家ゴッホの
壮絶な人生が読み取れます。

以前行ったゴッホ展がこの本を読んで甦ってきました。
ヒマワリ、糸杉や星月夜など
ゴッホの作品が目に浮かんできます。



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魔力の胎動  東野圭吾

2018-05-18 | 本 な、は行(作家)

魔力の胎動

「ラプラスの魔女」の前日譚。
5章からなる連作短編集。

4章までは、鍼灸師・ナユタと羽原円華の物語。
ナユタの顧客の問題を、
円華の力を借りて
解決していくといった話。

今回は円華の能力を人助けに使っています。
ナユタも円華によって救われます。

最後の5章は『ラプラスの魔女』に
繋がっていく話で、
青江教授をはじめ「ラプラスの魔女」に
出てくる人物達が登場。

ミステリ色も薄く、
読みやすい文章で
サラッと読めましたが
読み終わった後、
あまり深く心には残らない物語でした。

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ノーマンズランド  誉田哲也

2018-04-30 | 本 な、は行(作家)

ノーマンズランド姫川玲子シリーズ。

姫川班メンバーが登場します。

もう結婚した菊田は
複雑な立ち位置。

ドラマでは丸山隆平演じた
湯田康平刑事が重苦しい物語を
和らげてくれます。

どうしてもこの小説は
ドラマの登場人物の
イメージで読んでしまいます。

今回、検事の武見が初登場。
次回には、またまた姫川は
恋に落ちるのかな。

拷問シーンは想像しないように
さっと飛ばし読みしました。
このシリーズは毎度、
リアル過ぎて読むのが
つらいシーンが登場します。

今回は捜査の過程で、
隠れた犯罪として
拉致事件が浮かび上がってきます。

大切な人を失った悲しさ、絶望。
一人一人はなにも出来ない。
どうしょうもない虚しさが
描かれていました。
   


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イノセント・デイズ   早見和真

2018-04-08 | 本 な、は行(作家)

イノセント・デイズ (新潮文庫)

ある女性死刑囚の物語。
不幸から逃れられない主人公、幸乃。

幸せから見放され
幸せを望む気力もなくしてしまった
幸乃の人生。

幸乃の周囲の人達の回想によって
幸乃の生い立ち、
関わったエピソードなどが
明らかになっていきます。

救いのない展開。
彼女は救われたのか。

なんかモヤモヤした気分で
読み終えた物語でした。

WOWOWドラマ化でされています。

主演は竹内結子、ドラマでも
同じ終わり方をするのかな。

光の見える終わり方にして欲しかった。
でもこれが幸乃の
願った光としたら…
切なすぎます。





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マスカレードナイト  東野圭吾

2018-01-24 | 本 な、は行(作家)

マスカレード・ナイト

マスカレードホテルシリーズ3作目。

大晦日に犯人がホテル・コルテシアに
現れるとの密告。
新田がフロントクラークとして潜入。
山岸はコンシェルジュとして彼をサポート。

仮装パーティに紛れこもうとする犯人。
仮面を被る犯人。
犯人はどこに潜んでいるのか?
様々な怪しげな登場人物、
一体犯人はその中の誰なのか?

新田、山岸、二人の活躍が
謎を解き事件を解決。
新田・山岸コンビ、
それに能勢さんもいい感じです

ラストまで気が抜けない展開。
絡み合う伏線の回収。

それに読みやすい文章と
予期しない物語の終結。
楽しく読むことができました。







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