花ごよみ

映画、本、写真など・

流星コーリング   河邉 徹

2021-02-14 | 本 か行(作家)

流星コーリング

広島が舞台。
主人公は広島県の高校天文部に
所属する高校生。

世界初の人工流星が流される日を境に
りょうは次の日に進むことができなくなってしまう。
時間のループ。
朝が来るたび人工流星が
流れた日に戻ってしまう。

流星コーリングにとらわれた彼は
天文部の仲間と解決法を
見出だそうとする。

読みやすい文章で、
星と時間をテーマにした
美しい物語でした。

作者は3ピースピアノバンドWEAVERのドラマーで
同名のCDも発売されています。





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感染領域  くろき すがや

2019-03-15 | 本 か行(作家)

感染領域 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)

2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」
優秀賞受賞作。

くろきすがやとは菅谷淳夫と那藤功一、
二人の作家ユニット。

読む前にタイトルからして、
感染するのは
人だと想像していましたが、
人ではなく植物、農作物の感染。
バイオミステリーでした。

枯死するトマトと、
熟さず腐らないトマト、
二種のトマトを巡って暗躍する産業スパイ。

登場人物のキャラは、
それぞれ分かりやすく描かれていて
読みやすかったです。

トマトのウィルス感染、というのも怖いです。
バイオテロ、遺伝子操作された、
植物間の感染もあり得る話で
パンデミックが引き起こされる可能性もあり
引きこまれました。

専門用語がちりばめられた小説ですが
易しく解説されていて
なんとか理解出来ました。

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赤い密約  今野敏

2018-04-30 | 本 か行(作家)

赤い密約: 〈新装版〉 (徳間文庫)

『隠蔽捜査』で知られる
今野敏の初期作品の新装版。

主人公の仙堂が格闘の技を
駆使して大活躍。
仙堂、最強の空手家でした。


ロシアに空手を教えに行った仙堂が
モスクワで、テレビ局が襲撃という
政治的クーデターに巻き込まれます。

ロシア人からビデオテープを
託される仙堂。
軽々しくビデオテープを預かる時点で
びっくりですが…

テープの流出を止めたい
ロシア・マフィアが
仙堂に襲いかかります。

やくざからの来襲を払いのけ、
日本での放映という目的のため
突き進む姿を描いています。

軽く読める小説でした。



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石つぶて  清武英利

2017-10-22 | 本 か行(作家)

石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

約15年前に発覚した
「外務省機密費詐取事件」。

国家の聖域である外務省の
「機密費」を追ったノンフィクション。

警視庁捜査二課に属する刑事たちが、
外務省機密費詐取事件の真相を探る。

霞ヶ関の外務省幹部職員による
機密費流用問題を描いていく。

捜査2課の刑事たちは自らの正義に従い
石つぶてであることを自覚しながら
職務を全うする。

使途や明細が不明な機密費、
支出自体を包み隠してしまうことを目的とし、
機密費と称して何十億というお金を
詐欺横領していた事件。

読み始めはノンフィクションとは
知らず、読んでいました。

それほど捜査2課のメンバーたちが、
生き生きと描かれています。

外務省に切り込んでいく、
石つぶたちの姿は魅力たっぷり。

むなしく石つぶてを投げつつ、
捜査に没頭し、罪を暴き、
そして逮捕に行き着くまでの過程、
外務省機密費を暴いた
捜査2課の刑事達の姿を
追っていきます。

この本の著者は読売巨人軍元GMの清武氏。

wowowで11月5日スタートでドラマ化されます。





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月と雷  角田光代

2017-07-24 | 本 か行(作家)

月と雷 (中公文庫)

どこか普通の人とずれている人達。

どうしようもない自堕落で
生活力のない母親。
その子供の智。

子供の頃、普通とは違う環境で、
智と一緒に暮らした泰子。

普通の人としての生活ができないまま
大人になった二人、
智と泰子が再会。

あまやかな気持ち
まったきことをしている。
わくっとした気持ち。など作者は
普段あまり使わない言葉を用います。

泰子は不幸に追いつかれたと思い
智は追いつかれた不幸そのもの。

智は泰子にとって
自分がそのままでいられる楽な男。

父親になるという言葉に
泰子はたじろぎ
不愉快で理不尽な気持ちになる。

生きていく先に、
安定など望めなくても
泰子にとって
とにかく切り抜けるしか
方法はないのだから。

映画化されることを知りました。
泰子役を初音映莉子、
智役を高良健吾、
智の母親を草刈民代が
演じるというこです。





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潮流―東京湾臨海署安積班  今野敏

2017-01-14 | 本 か行(作家)

潮流―東京湾臨海署安積班

いつものメンバーが登場。

東京湾臨海署管内で、
救急車の要請が
立て続けに起こった。

安積の、過去に自ら扱った事件は
もしかして冤罪だったのか?


ハンチョウ安積は、捜査の中で
4年半前の事件を振り返ることになります。
そして間違いを訂正しようとします。

ハンチョウシリーズは、
なんといっても
ハンチョウとその仲間の生き方、
生きる姿勢のようなものに惹かれます。

事件自体は犯人の動機、
怒りのぶつけ方が納得できませんが…

過去の放送していたドラマの登場人物
思い浮かべながら読んでしまいます。

メンバーそれぞれがいい味を出していました。
頼りになれる速水、
野村署長もかっこよかったです。




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坂の途中の家  角田光代

2017-01-05 | 本 か行(作家)

坂の途中の家

裁判員裁判の通知が届いたところから
日々の暮らしに変化がもたらされていく。

みんなが同じ所で、
同時に話を聞いていても
心の持ち方によって、
それぞれが違う思いを持ってしまう。

裁判員に選ばれた主人公の里沙子は
被告となった女性に対し
自分を重ね合わして行く。


自分と被告の境目が見えなくなって
恐怖感を感じるようになってしまいます。

自分は本当に我が子を愛していたのか
自分に自信が持てず
心に猜疑心を抱えてしまいます。

審理に加わることがなかったなら
気づかなかった私ではない私。

蓋をしていた心の闇が
裁判員になったのを機会に
開き放たれてしまいます。

気分が落ち込んでいくような
重い物語でした。

ネガティブな方向にどんどん突き進んで行き
心に不安感が満ちてくる様子が
うまく描かれています。



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はぶらし 近藤史恵

2016-01-27 | 本 か行(作家)

はぶらし (幻冬舎文庫)

NHKBSプレミアムでドラマ化されています。
どういう展開になっていくのか気になって
図書館で借りて、原作を読んでみました。

独身の脚本家である
一人暮しの鈴音のマンションに
長い間連絡も取っていない水絵が
仕事も住むところもないと
子連れで居候を頼みこむ。

ドラマでは内田有紀と池脇千鶴が
鈴音と水絵を演じています。

タイトルになっている『はぶらし』
『はぶらし』という言葉に象徴される行為。
水絵は鈴音にハブラシを借ります。
その後借りた使用済みのハブラシを返して
自分たちは新しいハブラシを買ってくる
あり得ない行い。

意識の相違にストレスが高まっていきます。
水絵の行為、言動にはイライラが募りました。
池脇千鶴は水絵という女性をうまく演じています。

本はドラマとは少し違った
設定になっていましたが
漂う雰囲気は同じ。

事件は起こらなくても
じわっとくる不快さがある物語でした。






コメント (4)
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自覚 隠蔽捜査5.5  今野敏

2015-09-04 | 本 か行(作家)

自覚: 隠蔽捜査5.5

隠蔽シリーズ第七弾。

変人といわれる署長・竜崎伸也。
彼の人間としての妙味が
たっぷり描かれています。

どんな時もぶれない竜崎伸也。
竜崎周囲の人物が主役の
スピンオフ第2弾、
短編集になっています。

「漏洩」
誤認逮捕の可能性、
副署長の貝沼は隠蔽を考えるが…

「訓練」
スカイマーシャルの訓練に
送り込まれた畠山美奈子。
自信喪失の彼女に竜崎は
女の特質を利用せよと。

「人事」
第二方面本部、
野間崎管理官の上司に弓削篤郎が赴任
弓削は竜崎との面談を望むが…

「自覚」
大森署の戸高刑事の発砲は、
適正だったのか。
竜崎の判断は…

「実地」
職質をかけながら窃盗犯を逃した。
地域課と刑事課の責任転嫁。

「検挙」
警察庁から検挙数・検挙率の
アップ指示の通達。
支持撤回のための戸高の行為に
大森署は困惑。

「送検」
伊丹刑事部長は被疑者逮捕を指示。
誤認逮捕の可能性が…

今まで読んだことのある人達が出てきます。
竜崎の周りにいる人々が、
対応を竜崎に相談、
そこで問題解決、という過程で
竜崎の人物像を浮かび上がらせます。




コメント (2)
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アクアマリンの神殿   海堂 尊

2015-01-10 | 本 か行(作家)

アクアマリンの神殿 (単行本)

2018年春の近未来、
凍眠から覚めた佐々木アツシ。

彼はかつてメディウム液に浸かり
コールドスリープ「凍眠」していた。

入れ替わり「凍眠」についた
オンディーヌ、日比野涼子。

アツシはAIセンターの跡地の未来医学探究センター、
アクアマリンの神殿で生活。

彼は凍眠システムをメンテナンス。
業務は、センターで眠る、涼子を見守り
それの解除など。

涼子の目覚め解除の時期が迫ってくるにつれ
色々な悩みが起こってくる。

システムの管理を監視する西野。

アツシが通うことになった桜宮市の中学で、
日常生活を送る様子が描かれています。

高校生達が登場する
学園小説のような感じになっています。

麻生夏美、蜂谷、北原野麦のドロン同盟メンバー等
友達との会話が楽しく、
テンポもよくて
思わず笑ってしまうことも…

東城大学の教授になった、
愚痴外来の田口先生と高階先生が
終わりの方に出てきます。





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