花ごよみ

映画、本、写真など・

まらそん侍 土橋章宏

2019-02-16 | 本 さ、た行(作家)

幕末まらそん侍 (ハルキ文庫)

舞台は幕末の上野国安中藩、
安中藩主・板倉勝明は
日本初のマラソン(遠足 とおあし)大会を行う。
それに参加した藩士たちを描いています。

映画化を知り読みました。
映画のタイトルはサムライマラソン。
土橋章宏というと「超高速!参勤交代」の作家で
映画化された作品も楽しめたので
この本の映画化も面白い気がします。

「遠足(とおあし)」 「逢引き」「隠密」
「賭け」「風車の槍」と
5つの章から成り立っている
連作短遍小説。

各章の主人公が他の章にも絡む
構成になっています。
各章それぞれが藩士達の人情味溢れる物語。

殿様の命令には従うより他はない
家臣達の奮闘、
それぞれの人間模様、
涙と笑いが心に響き、
読後は心がほっこりする物語でした。

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官邸襲撃   高嶋 哲夫

2019-01-12 | 本 さ、た行(作家)

官邸襲撃

武装テログループが首相官邸を占拠。
人質となったのは
総理大臣、米国務長官、駐米大使等。

たった一人でテロリスト立ち向かう
日本初女性首相付きの
女性警護官、夏目明日香。

武装したテロリスト集団VS女性警護官。

日米政府間の連携の悪さから、
あらゆる作戦は失敗。

物語の内容としては結構よくある話。

テロ集団の探す人物、(プリンセス)は、
早い段階で分かりました。

スピード感のある展開なので
楽しく読めましたが、
単身テロリストに対し立ち向かうことになった
主人公がスーパーウーマン過ぎて
リアリティーがなく、
それゆえ安心して読めるという
利点もありました。



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歪んだ波紋  塩田 武士

2018-09-30 | 本 さ、た行(作家)

歪んだ波紋

マスメディアの誤報、
フェイクニュースをテーマにした
5つの連作短編集。
短編が繋がり最後に集約。

登場人物が多く、
本を読み返す場面も。

マスメディアの
誤報、虚報、捏造によって、
人生を変えられてしまうこと、
歪んだ波紋を作ってしまったことに対し 
どれくらい発信者は
責任を負っているのか、
問題を提起しています。

記者達の倫理観に
歪みがないことを願いたいです。

メディアの怖さ、
誤報が悪意によって導かれ
無意識に真実から遠ざかるよう
方向づけられたとしたら
不安になります。

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ぼぎわんが、来る  澤村伊智

2018-09-11 | 本 さ、た行(作家)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

来たら、絶対に返事をしたり、
家に入れたりしてはいかん。
田舎に伝わる化け物「ぼぎわん」。

「ぼぎわん」という名前からして
不気味さが漂う化け物。

夫、妻、オカルトライターが語る
3章からなっていて、
各章によって視点が異なる構成。

1章と2章が表と裏なので
物語に膨らみを見せてくれます。

「ぼぎわん」に狙われる一家。
その一家を救うため、
尽力する超能力者姉妹。
姉妹は無敵ではないのが、
余計ハラハラ感が増します。
ぼぎわんとの戦いは迫力いっぱい。

「ぼぎわん」のイメージを思い浮かべると
かなり気味が悪いです。

映画「来る。」というタイトルで
映画化されました。

監督は中島哲也。
 
映画のタイトルは「来る」
出演は岡田准一、 黒木華、
小松菜奈、松たか子、妻夫木聡と
豪華メンバーです。

第22回日本ホラー小説大賞。

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青空と逃げる  辻村 深月

2018-08-17 | 本 さ、た行(作家)

青空と逃げる (単行本)

スキャンダルに遭い
俳優であった父親、拳が失踪。

大人の事情に巻き込まれてしまった子供。

父親の所在不明のまま、
東京~四万十~家島~別府~仙台と
拳の妻、早苗と息子・力、二人の逃避行。

どうしてこんなにしてまで
逃げ続けなければいけないのか?
よく理解できないこともありますが、
逃亡先で出会った、
優しい人達との交流によって、
母と子が次第に強くなっていく過程は
心に温かいものが残りました。

各逃避先での情景、雰囲気も
思い浮かべることができ
それなりに楽しめました。

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真犯人  翔田 寛

2018-07-14 | 本 さ、た行(作家)

真犯人

WOWOWで上川隆也主演でドラマ化され、
9月に放映ということで読みました。

その他小泉孝太郎や内田有紀も出演。

昭和49年に起きた誘拐殺人事件の犯人を、
41年かけ真相を見いだす。

地味に見えながらも、
熱い心を感じる刑事達。

平成27年、誘拐殺人により、
犠牲になった5歳児の父親が
被害者となる事件が発生。

犯人解明のためのラストチャンス。

時効直前に再調査のため
編成された特別捜査班、
でも真相解明までには至らず。

誘拐事件は時効間際の
昭和63年に未解決事件となる。

誘拐事件の解決が平成の事件の
手がかりになるとして
当時の捜査官であった人物を尋ねる。

綿密に描かれた警察の捜査。
41年前の事件と現在の事件の関係性を探る。

41年かけて判明した真犯人。
刑事の執念が見えます。

41年目に明らかになった真実。
特別捜査班の魅力ある刑事達により
読み応えのある物語になっています。


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崩れる脳を抱きしめて  知念 実希人

2018-07-08 | 本 さ、た行(作家)

崩れる脳を抱きしめて

碓氷は研修医としてやってきた岬病院で
脳に爆弾を抱えた患者「ユカリ」と出会う。
数ヶ月後にはこの世から消える運命のユカリと、
過去の心の傷を抱える研修医の碓氷。
二人は徐々に互いの心が通じ合うようになる。
碓氷の屈折した心が変化していきます。

限りある残りの日を生きなければならない。
切なさとむごさを背負いながら…。
悲しみで胸が痛みます。

ストーリーは表面的には
穏やかに進行して行きますが
病魔も平行して進んで行くので、
不安感でいっぱいになります。

そんな不安を置き去りにすることはできなくても
行き着いたラストは
穏やかな終わり方になっていました。

読みやすい文章で書かれていました。
途中まではタイトルに反して、
淡い恋愛小説の本かと
思いましたが、
後半は一気にミステリー色が増し、
終盤近くになって、
まさかの二転三転する展開に
騙されてしまいました。

彼女は妄想の人物だったのか?
読んでいても頭がこんがらがってきます。

ラブストーリーと
ミステリーを楽しめました。
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騙し絵の牙   塩田武士

2018-07-04 | 本 さ、た行(作家)

騙し絵の牙

主人公が編集者という
生き方を選んだ理由。

テーマは出版業界の内情、
小説を愛する男の葛藤などがテーマ。

主人公の速水は大泉洋を
イメージに書かれた小説。

舞台は出版社。
大泉洋の写真が度々出てくるので
どうしても大泉洋の演じる姿が
目に浮かんでくるという仕掛け。

本が売れなくなった昨今、
出版社の生き残りのため
編集者、速水がプライドをかけ
廃刊を阻止するため奔走する。

速水は魅力のある人物、
でも失った家族
なくした命への後悔、
家庭崩壊などは
大泉洋の持つイメージとは
少し異なる感じです。

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スマホを落としただけなのに  志駕 晃

2018-03-11 | 本 さ、た行(作家)

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

タイトル通り
ただスマホを落としただけなのに
こんなひどい目にあうなんて。

ただスマホを落としただけなのに
この小説のような事態に
なってしまうなんて。

スマホ個人データー流出が
連続殺人事件に繋がっていきます。

実際あり得そうで怖いです。
気味悪さが残る物語でした。

データーが盗まれたのは彼氏のスマホ。
特定された個人、
ネットストーキング。
ネットセキュリティの危うさ、
個人情報の流出…
甘くみていると
ひどい目にあってしまいます。

犯人、ここまで頭がよかったら
もっと役立つことをすればいいのに。








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かがみの孤城  辻村深月

2018-01-17 | 本 さ、た行(作家)

かがみの孤城

パラレルワールドではなく
七人が同じ世界にいるが
七年ずつ自分たちの
現実がずれている。
七人が一人ずつ存在している世界。

時間を超越した、
鏡の中の不思議な孤城。

時間、世界がずれていて
それぞれが違う時代の住人。

居場所がなかったり不登校など
辛い事情を抱え込んだ、
似た境遇の7人。

世界の構成、登場人物も違う。
ゆえに互いに心通わせる仲間になっても
現実には助け合えないはずだったが…

伏線が回収されたラストは
感動的で素敵な終わり方でした。







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