花ごよみ

映画、本、写真など・

望み   雫井 脩介

2020-10-25 | 本 さ、た行(作家)


望み (角川文庫)

家を出て連絡がとれない息子。
息子が事件の被害者か加害者か?

本のタイトルである『望み』
母親と父親の望みは逆方向。
母親は息子が加害者でも生きていて欲しい。
父親は被害者あって欲しいと。
まさに二人の望みは絶望的な望み。

母親がお腹を空かしているだろう息子に
差し入れの弁当の準備を思いつく場面、
本を読んだ後も
思い出しては、涙を誘います。

映画化され上映されていますが
もう見なくていいような・・・⁠⁠⁠
悲しくてつらい、心が苦しくなる
重いテーマの小説でした。

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傲慢と善良   辻村深月

2020-04-29 | 本 さ、た行(作家)

傲慢と善良

婚活で知り合った二人。
突然婚約者が行方不明に。
彼女を探し続ける彼に、
明かされる色々な事情。

相手に対して
傲慢と善良を
持つということは
誰にでもあること。

でもそれを解決しないかぎり
二人が一緒に生活することは難しい。

結婚へのあこがれを持ちつつ、
焦り、しがらみ、親の呪縛。

タイトルにある傲慢と善良、
人間の心の動きが
丁寧に表現された言葉によって
明確になってくる。

人の心の奥を抉り出すことで
現実味を帯びてきます。

青空と逃げる
早苗と力。
この作品にも終盤に登場していました。

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ノワールをまとう女  神護かずみ

2020-04-21 | 本 さ、た行(作家)

ノワールをまとう女

雇い主である元総会屋の
ボス原田の命を受け
企業の炎上案件を
解決する仕事を請け負う西澤奈美。

炎上元のデモ団体に潜入、
裏工作しヘイトの沈静化を図る。

話し相手はAIなど
今の世の中を描写。

全体的に流れる
暗くて静かな雰囲気。

クールで強い女の反面、
脆い一面ものぞかせ、
魅力的にもみえるけど
あまり心にぐっと来ることは
なかったです。

恋人は同性。
仕事は裏稼業、
一人称で描かれていて
ハードボイルドっぽく書かれた作品ですが
もし主人公の性別が違っていたら
ありがちな物語のような..
黒幕の存在も予想できるし...

江戸川乱歩賞受賞作品。
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まらそん侍 土橋章宏

2019-02-16 | 本 さ、た行(作家)

幕末まらそん侍 (ハルキ文庫)

舞台は幕末の上野国安中藩、
安中藩主・板倉勝明は
日本初のマラソン(遠足 とおあし)大会を行う。
それに参加した藩士たちを描いています。

映画化を知り読みました。
映画のタイトルはサムライマラソン。
土橋章宏というと「超高速!参勤交代」の作家で
映画化された作品も楽しめたので
この本の映画化も面白い気がします。

「遠足(とおあし)」 「逢引き」「隠密」
「賭け」「風車の槍」と
5つの章から成り立っている
連作短遍小説。

各章の主人公が他の章にも絡む
構成になっています。
各章それぞれが藩士達の人情味溢れる物語。

殿様の命令には従うより他はない
家臣達の奮闘、
それぞれの人間模様、
涙と笑いが心に響き、
読後は心がほっこりする物語でした。

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官邸襲撃   高嶋 哲夫

2019-01-12 | 本 さ、た行(作家)

官邸襲撃

武装テログループが首相官邸を占拠。
人質となったのは
総理大臣、米国務長官、駐米大使等。

たった一人でテロリスト立ち向かう
日本初女性首相付きの
女性警護官、夏目明日香。

武装したテロリスト集団VS女性警護官。

日米政府間の連携の悪さから、
あらゆる作戦は失敗。

物語の内容としては結構よくある話。

テロ集団の探す人物、(プリンセス)は、
早い段階で分かりました。

スピード感のある展開なので
楽しく読めましたが、
単身テロリストに対し立ち向かうことになった
主人公がスーパーウーマン過ぎて
リアリティーがなく、
それゆえ安心して読めるという
利点もありました。



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歪んだ波紋  塩田 武士

2018-09-30 | 本 さ、た行(作家)

歪んだ波紋

マスメディアの誤報、
フェイクニュースをテーマにした
5つの連作短編集。
短編が繋がり最後に集約。

登場人物が多く、
本を読み返す場面も。

マスメディアの
誤報、虚報、捏造によって、
人生を変えられてしまうこと、
歪んだ波紋を作ってしまったことに対し 
どれくらい発信者は
責任を負っているのか、
問題を提起しています。

記者達の倫理観に
歪みがないことを願いたいです。

メディアの怖さ、
誤報が悪意によって導かれ
無意識に真実から遠ざかるよう
方向づけられたとしたら
不安になります。

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ぼぎわんが、来る  澤村伊智

2018-09-11 | 本 さ、た行(作家)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

来たら、絶対に返事をしたり、
家に入れたりしてはいかん。
田舎に伝わる化け物「ぼぎわん」。

「ぼぎわん」という名前からして
不気味さが漂う化け物。

夫、妻、オカルトライターが語る
3章からなっていて、
各章によって視点が異なる構成。

1章と2章が表と裏なので
物語に膨らみを見せてくれます。

「ぼぎわん」に狙われる一家。
その一家を救うため、
尽力する超能力者姉妹。
姉妹は無敵ではないのが、
余計ハラハラ感が増します。
ぼぎわんとの戦いは迫力いっぱい。

「ぼぎわん」のイメージを思い浮かべると
かなり気味が悪いです。

映画「来る。」というタイトルで
映画化されました。

監督は中島哲也。
 
映画のタイトルは「来る」
出演は岡田准一、 黒木華、
小松菜奈、松たか子、妻夫木聡と
豪華メンバーです。

第22回日本ホラー小説大賞。

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青空と逃げる  辻村 深月

2018-08-17 | 本 さ、た行(作家)

青空と逃げる (単行本)

スキャンダルに遭い
俳優であった父親、拳が失踪。

大人の事情に巻き込まれてしまった子供。

父親の所在不明のまま、
東京~四万十~家島~別府~仙台と
拳の妻、早苗と息子・力、二人の逃避行。

どうしてこんなにしてまで
逃げ続けなければいけないのか?
よく理解できないこともありますが、
逃亡先で出会った、
優しい人達との交流によって、
母と子が次第に強くなっていく過程は
心に温かいものが残りました。

各逃避先での情景、雰囲気も
思い浮かべることができ
それなりに楽しめました。

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真犯人  翔田 寛

2018-07-14 | 本 さ、た行(作家)

真犯人

WOWOWで上川隆也主演でドラマ化され、
9月に放映ということで読みました。

その他小泉孝太郎や内田有紀も出演。

昭和49年に起きた誘拐殺人事件の犯人を、
41年かけ真相を見いだす。

地味に見えながらも、
熱い心を感じる刑事達。

平成27年、誘拐殺人により、
犠牲になった5歳児の父親が
被害者となる事件が発生。

犯人解明のためのラストチャンス。

時効直前に再調査のため
編成された特別捜査班、
でも真相解明までには至らず。

誘拐事件は時効間際の
昭和63年に未解決事件となる。

誘拐事件の解決が平成の事件の
手がかりになるとして
当時の捜査官であった人物を尋ねる。

綿密に描かれた警察の捜査。
41年前の事件と現在の事件の関係性を探る。

41年かけて判明した真犯人。
刑事の執念が見えます。

41年目に明らかになった真実。
特別捜査班の魅力ある刑事達により
読み応えのある物語になっています。


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崩れる脳を抱きしめて  知念 実希人

2018-07-08 | 本 さ、た行(作家)

崩れる脳を抱きしめて

碓氷は研修医としてやってきた岬病院で
脳に爆弾を抱えた患者「ユカリ」と出会う。
数ヶ月後にはこの世から消える運命のユカリと、
過去の心の傷を抱える研修医の碓氷。
二人は徐々に互いの心が通じ合うようになる。
碓氷の屈折した心が変化していきます。

限りある残りの日を生きなければならない。
切なさとむごさを背負いながら…。
悲しみで胸が痛みます。

ストーリーは表面的には
穏やかに進行して行きますが
病魔も平行して進んで行くので、
不安感でいっぱいになります。

そんな不安を置き去りにすることはできなくても
行き着いたラストは
穏やかな終わり方になっていました。

読みやすい文章で書かれていました。
途中まではタイトルに反して、
淡い恋愛小説の本かと
思いましたが、
後半は一気にミステリー色が増し、
終盤近くになって、
まさかの二転三転する展開に
騙されてしまいました。

彼女は妄想の人物だったのか?
読んでいても頭がこんがらがってきます。

ラブストーリーと
ミステリーを楽しめました。
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