花ごよみ

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護られなかった者たちへ  中山七里

2018-08-02 | 本 な、は行(作家)

護られなかった者たちへ

善人と周囲から評価されていた人物二人が、
続けて事件死。

生活保護の申請、職員とのあつれき。
生活保護の現状の問題点を提起。
社会福祉制度がテーマのミステリー。

大事な人を護りたかった後悔、
その怒りの先は?

本当の悪人はだれなのか。
保護制度で救われない人、
救われる人。
護られるべきなのに行政から見放され
「護られなかった者」の悲惨な現実。

切なくなる物語でした。
そして最後の最後に涙です。

やっぱり中山七里、
どんでん返しはありました。


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2 コメント

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Unknown (風早真希)
2023-06-30 10:38:41
この中山七里さんの「護られなかった者たちへ」は、いつもの中山七里さんの作品と違って、かなり重いテーマに挑んだ作品だと思いますね。

死に方にもいろいろとあるとは思いますが、一番嫌な死に方って何なんでしょう?
熊とか鮫に襲われて死ぬとかも嫌でしょうけど、この作品に出てくるような餓死も嫌でしょうね。

手足を縛られ口も塞がれ、誰も来ない場所に放置されて餓死-------。
こんな殺人事件の捜査に当たるのは、東日本大震災で家族を失った笘篠です。

彼の境遇に関しては、話の本筋とは直接関係は無いのですが、読後感と言う意味では、大きな意味を持っていると思います。

まず、この作品を読んでいて凄いなと思わされるのは、我が国における生活保護と言う仕組みを鋭く捉えている点ですね。

はっきり言って私は生活保護の実態については、あまり詳しくありません。
なぜなら、自分には関係の無い制度だと思っていますし、反社会勢力の人による不正受給がありそうで嫌だな位の印象しかありませんでした。

現在、我が国においては、200万人以上の方が、生活保護の対象になっているとの事ですが、本当にこの仕組みが必要な人はいると思います。

それとともに、国の税金で賄う訳ですから、当然予算的な事もあるでしょうし、審査も十分されなくてはいけないと思います。

でも、この作品で描かれている様に、本当に必要とされている人に支給されなかったり、不当に受給されている人がいるのも現実なんだと思います。

読んでいて、切なくなってしまう部分が多いですね。
それとともに、この作品はエンターテインメント作品でもあり、何らかのどんでん返しがある事は、当、予想できますね。

多くの方は、この結末を予想できると思いますが、そんな事は何の問題でもありません。
利根が護りたかったもの、けいさんが護ろうとしていたもの、そして笘篠が護れなかったもの-------。

中山七里さん、改めて凄いなと思わせる1作でした。
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風早真希さんへ (kazu)
2023-07-04 21:17:40
こんばんは

もう読んでだいぶ年月が経っているので
記憶が薄れてしまっていたのですが
最近映画を見て記憶が戻ってきました。

東日本大震災、社会福祉制度の問題など
とても重いテーマです。
切ない結末でした。
ドンデン返しもありましたね。
返信する

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