JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

二口山塊 南面白山にて

2009年09月28日 | 奥山 移動運用
 宮城、山形県境に「二口山塊」と呼ばれる山域があります。蔵王連峰と船形連峰の間に位置し、両連峰よりも標高が低く谷筋が多いことから、古くは仙台と山形を結ぶ何本もの峠道が拓かれました。今も一部にその名残が見られます。大小多くのピークが複雑な地形をつくっており、どちらかというと地味でキツイ山屋好みのエリアです。

 9月も終わりに近づいたこの日、仙山線の始発に乗って、二口山塊の一角、南面白山(1225m 山形市)をめざしました。天気は宮城側が曇り、山形側は晴れ。登山口となる「面白山高原駅」では二人が下車。一人は北面白山に向かっていきました。

 南面白山には、スキー場のゲレンデを登ります。ちょうどコスモスが見頃となっていました。ゲレンデを登り切って、いよいよ登山道に入ると、これまでと打って変わって見事なブナの美林が広がっていました。やがて、石のゴロゴロした急な道を一気に上り詰めると標識のある山頂に到着。駅から約2時間の登山。


コスモスベルグからの南面白山


 山頂は狭く高度感があり、北以外の眺望は抜群です。正面(東側)には少し雲がかかっていますが、ここより百メートル以上高い大東岳が圧倒的な存在感で鎮座しています。実は、この大東岳が天然の反射器となって、どのような伝播をみせてくれるのか、たいへん楽しみなのです。


正面が大東岳


 狭い山頂なので、今回はJ型アンテナにしました。リグはいつも通りDJ-S17、4W。帰りの電車時間があるので、運用は長くて2時間です。まずワッチしてみると、ノイズが少ないです。特に多くの局が聞こえているという感じでもありません。静かです。応答があるのかどうか不安なまま、145.160でCQを出してみました。

 すぐに南相馬市鹿島区のモービル局より応答いただきました。59で強力に入っているとのこと。こちらかも59。さらに同じ南相馬市から59のレポート。東は大東岳が壁となってよろしくないと予想していたのですが、想定外のコールに少し驚きました。約100km。続いて、宮城県栗原市栗駒町からは53-52。約70km。七ヶ浜からハンディ機0.3WQRPで45-41。大河原町からも同じくハンディ機で55-41。仙台市は泉区、宮城野区、青葉区、若林区各局からはいづれも59のレポートをいただき、0.8Wにパワーを落としても良好に交信することができました。でもなぜか東方面が続きます。山の間を縫いながらうまく反射して飛んでくれているようです。複雑な地形がかえって功を奏している?

 そうしている内に、今度は、0エリア、新潟県柏崎市の移動局から応答があり、59のレポート。ハンディ機5wで米山という993m程の地点から運用とのこと。約220km。続いて新潟市東区からは56。約140km。大東岳が反射器となっているかどうか定かではありませんが、やはり日本海側にも悪くはないようです。どちらも遠距離とは思えない安定したQSOでした。また、南は福島県耶麻郡北塩原村移動局と59-59で、すぐ近くのような強力な信号が届いていました。約100km。

 あっという間の2時間で、17局と交信いただきました。標高的には、ここよりも高い山々が迫っているにも関わらず、思わぬ応答があり、興味深い伝播を楽しむことができました。「山高きが故に尊とからず」と言ったところでしょうか。


100円ショップで手に入れたミニパイプ椅子とウレタンマット
これに座ればどこでも特等席。楽にQRVできお勧めです。
デイパックにすっぽり入ります。


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