JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

モービルホイップ考

2010年02月03日 | VUベランダアンテナ
 先日の里山移動では、しばらくぶりにモービルホイップを使ってみました。三脚とのバランスや安定が良く、使い心地も悪くありませんでした。自作アンテナも良いけれど、作りが丈夫で、場所も取らず、回す必要もないモービルホイッップ系アンテナも捨てがたいなと、再認識しました。

 当局は、モービルでの運用は1度もしたことがないのですが、モービルホイップはHFからVU帯まで7~8本保有しています。常置場所ベランダ用に購入したものが大半です。山岳移動のために購入したものもあります。ほとんどは物置行きになっているのですが、性懲りもなく、増えていくのがモービルホイップというもののようです。以下、VUアンテナのみ、遍歴のいくつかを感想を含めまとめてみました(すべて145MHzでの使用です)。


◎CSB7900 コメット 7/8λ
 ベランダ用に購入。150センチ程のアンテナです。第一電波工業からも型番までそっくりなアンテナが商品化されていますが、特に理由もなく、こちらを選びました。当局のベランダ環境では、弱い信号もよく拾ってくれます。現在も現役です。ラディックスの3エレ八木とこのアンテナを併用しながら使っています。3エレには到底かないませんが、意外に健闘してくれることもあります。山にも何度か持っていきました。送信よりも受信が良い印象を受けています。雷が鳴ったときは、根本で折り曲げて、ベランダ内に仕舞っておけます。


◎24KG コメット 5/8λ2段
 ベランダ用に購入。長さが2メートル以上あり、ラジアルも必要です。このブログで何度か紹介しました。ベランダでの使用感は、CSB7900で受信できる信号が入らないことがありました。今ひとつの印象です。短く分割できますので、デイパックに入れて、山に持ち運び可能ですが、520gあります。三脚への取り付けも、長くて重い分、考慮する必要があります。実際に山にも何度か持っていきましたが、取扱いにくい割に、期待したほどのことはない、というのが実感でした。


◎NR22L 第一電波工業 5/8λ2段
 ベランダ用に購入。こちらは24KGを上回り長さが2.5メートル弱あります。しかもノンラジアル。ただし、145MHzモノバンド仕様。当局はほとんど145MHzしか使いませんので、ベランダ用アンテナの本命として購入しました。利得も6.5dbだそうで期待したのですが、24KG同様振るいませんでした。CSB7900でなんとか了解できる微弱な信号が了解できなくなることが度々ありました。送信は悪くないようですが・・・。上部エレメントが細く、風で揺れやすいです。固定用GP代わりとはいきませんね。長い上に2分割しかできませんので、山でも使う気になりません。ずっと物置にしまったままです。当局のベランダに5/8λ2段は相性がよろしくないようです。


◎AL207FL サガ電子 1/2λ
 いわゆるアローラインのモービル版です。デュアルバンドで145MHzに関しては公称3.5dbi。全長は1.3メートル程です。反射をよく拾ってくれるということで、これもベランダ用に購入しました。一時期、使いましたが、良くもなく悪くもなくという印象だったと思います。エレメントだけでなく、ラジアルにも短縮コイルが使われています。このアンテナは、当局が自作を始めるきっかけになりました。簡単な構造なので、コイルを使わず効率の良いものを作れるかと・・・。ブームの取付け部分を折り曲げられるようになっており、ザックになんとか入ります。固定用アローラインは軽いのですが、なぜかモービル用は500gと重いです。このタイプは、自作すれば性能も良く軽いアンテナが容易に作れます。


2つに折って収納可


◎SBB7 コメット 6/8λ
 黒色タイプで目立たないところが気に入って、山移動用に購入しました。利得が公称4.5dbi。軽く、3分割できるところが「山仕様」としてピッタリです。長さは1.3m程あります。このアンテナで、安達太良山や吾妻小富士から1エリアや0エリアと交信できました。時々、使っています。


風景にとけ込む感じ・・・


◎アストラルプレーン ヤマワ 1/2λ?
 変わった形のモービルアンテナです。これもベランダ用として、アンテナ材料などを扱うヤマワというメーカー?から購入しました。145MHzモノバンド仕様。ノンラジアルで、J型アンテナを丸めて給電部を上に持ってきたような構造です。長さが1メートル程で小型ですが、ホームにて南は丸森町から北は栗原市までこれで交信できました。悪くないアンテナという印象です。ただし、作りが今ひとつで、常時ベランダに設置するのは不安でした。今は物置に眠っています。トップエレメントのみ取り外せるようになっています。それ以外は分割できないのが難点ですが、大きめのザックに入れて、一度、山で使ってみるのも良いかな、とも思っています。このアンテナは自作される方も多いようですし、購入した現物も自作そのものといった作りでした。





 モービルホイップに限ることではありませんが、カタログデータを鵜呑みにすることはできないというのが実感ですね。「VUアンテナは長いほど良い」という定説も疑問です。その環境で実際に使ってみなければわかりませんね。異なるアンテナの正確な比較というのも難しいです。当局のベランダように、同じ位置の基台で比較したとしても、たとえばアンテナの電圧分布の違い(1/2λと5/8λの違い)などによって、建物等からの影響が異なり、カタログ性能?と違った印象を受ける場合があります。なにしろ波長が2mですから、少し位置を動かせば、メリットは変わります。ただ、当局の少ない経験で言わせていただければ、「ベランダで使って良くないアンテナは山頂で使っても良くない」という印象を持ちます。逆もまたしかり。いづれにしても、電波とアンテナは奥が深いです。



《追記》
 ネットオークションにSG-2000(第一電波工業)という145MHzのモノバンドホイップが出ておりました。発売10年というロングセラーモデルなので、特に珍しくもありませんし、お使いの方も多いと思います。コメットのCSB7900と同じ7/8λでモノバンド仕様というところに何となく惹かれるものがありました。3分割でデイパックにも入りそうなので、山移動用に落札してみました。衝動買いに近いです。たぶんさほど変わらないのでしょうが、次回の山行の時にでも使ってみたいと思います。

 こんなふうに、また1本、もう1本と・・・本数だけが増えていくんですね。 






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