JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動 

AL-144Fの利得

2018年08月21日 | アローライン



 2mシングルバンドのアローラインAL-144F。軽い上に設置が楽で風雨にも強いことから、このところ山での使用頻度が高くなっています。狭い山頂や荒天時などは特にありがた味を感じます。

 サガ電子のホームページを見るとこのアンテナの利得は0dBとのこと。1/2λフルサイズの変形垂直ダイポールと考えれば、0dB(2.15dBi)は妥当と言えます。製品パッケージには3dBiと表示されており?ではありますが・・・。





 実際のところはどうなのか。気になって、いつもの簡単な聞き比べをしてみました(エレメント改造後ベランダにて)。長さ1.5m前後の7/8λや6/8λのモービルホイップおよびRH-770との比較ではいづれもAL-144Fがわずかに上回る結果でした。ベランダなので反射を拾いやすいのかもしれませんが、他に比べSそのものも強まる印象があります。ノイズに埋もれぎみの信号で、アローラインでは微妙に変調が浮いてくるケースもありました。コイルで整合させたアンテナと違い、余計な回路がなく損失も少ないということでしょう。ナテック2エレ八木との比較で同程度。ロッドアンテナで作った自作模造品でも試しましたが、同じ傾向です。2エレ並みと考えれば実質利得5〜6dBi? 160度のエレメント角度に秘密があるのか、あるいはフルサイズダイポールの本来の実力(0dB=2.15dBiとは限らない?)ということなのか。面白いアンテナです。


 実際の運用実績は何度か書いた通りです。エレメント改造前の初期状態でも遠方との交信ができており、今回あらためて聞き比べてみて、なるほど、と納得した次第です。エレメント改造後は、熊野岳や栗駒山などから5Wで300km~400km超の交信ができています。以前は地形が複雑な低山の方がこのアンテナに向いているのでは?と考えていたのですが、標高の高い山頂では伸びが感じられ、気持ちよく飛んでくれます。一方、遠方の局が聞こえてもQRPで届いてくれない、ということがよく起こります。その場合は、潔く諦めるのがよろしいようです。また、打ち上げ角の影響なのか、さほど遠くない局からのレポートがいま一つのことがあり、まだらに届く印象もあります。このアンテナに限りませんが、電波の振る舞いに単純なものはない、といつも感じます。


 自分は、山岳での運用を前提に、5D2Vケーブル2.5mを給電部に直結しています。そのケーブルも筒を通して垂直に下げる構造のため、引き回しの影響を受けにくいようです。三脚+塩ビパイプに目玉クリップで固定すれば高さ約2m(1λ)となり、手間なく運用可。身の丈に合い、しっくりくるアンテナの一つです。運用中、アローラインを使っていることを話すと、「昔、屋根に上げていた」とか「けっこう飛んだ記憶がある」と懐かしがる方が多く、話が弾んだりします。公称利得0dBのこのアンテナでどんな交信ができるのか、これからも楽しみに使ってみます。



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2 コメント

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アンテナの利得 (弾夢)
2018-08-21 16:16:55
こんにちは。

「dB」と「dBi」の違い。

下記URL
http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/DesignGuide/guide4.asp
「アンテナの利得」をごらんください。
弾夢さま (JO7TCX)
2018-08-21 16:47:50
こんにちは。
そうですね。
ダイポール相対利得0dB=絶対利得2.15(4)dBi。
ということで区別して表記したつもりでしたが・・・。わかりにくかったかもしれません。
dBはあくまでdB、dBiはあくまでdBiと表記してますので、そのようにお読みいただければと思います。

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