FBニュース7月15日号に145MHzモクソンアンテナにエレメントを追加し430MHzにもマッチングさせる方法が掲載されており、興味深く読みました。自分が作った145MHzモクソンアンテナは定型的な寸法ではなく、記事の通りに430用エレメントを追加したとしてもうまくいかないだろうと思いましたが、いつものカットアンドトライで試してみることにしました。
2本の430用エレメントは直接給電するわけでなくオープンスリーブとなっており、給電部まわりや元のアンテナ本体の変更はありません。なので追加するエレメントの寸法や位置決めさえできればよいわけです。はじめ、記事にあった通りの寸法(前方315mm、後方313mm)の銅線をセロテープで貼り付け、位置を変えながら試してみましたが、案の定、同調する気配はありません。前後2本のエレメント寸法を少しづつ変更し、位置(間隔)を変えながら測定を繰り返したところなんとか手ごたえらしきものが得られました。ベストかどうかわかりませんが、備忘録として手書き略図を載せておきます。
取付け方法は、角材ブームに溝を付けて4mm銅パイプを接着、上から3mm銅パイプ(エレメント)を差し込む方式としました。ところが、組み上がってみるとなぜかマッチングが取れません。もう一度、銅線で試したところ問題なし・・・??? オープンスリーブの難しさなのか、エレメントの長さや位置だけでなく、太さ(金属の体積)も影響するようです。前方エレメントのみ2mmの細い銅パイプに換え、再度慎重にカットアンドトライを繰り返し、マッチングを追い込みました。調整は1mm 単位、クリティカルです。
下の2本が430用エレメント
<マッチング>
意外にも前方エレメントのみでも430MHzにマッチングします。共振点はメイン付近にありバンド内SWR1.5以内、この状態でも悪くありません。後方エレメントを追加すると下の周波数からメインあたりまでベタ落ちとなり、上に行くと悪化していきます。145MHzは?というと、ほとんど影響を受けないようです。430用エレメントを外して測定しても同じです。
前方エレメントのみ取付け ↑↓
前後エレメント取付け ↑↓
145MHz(430用エレメント2本を取付けた状態)
ということで一応モクソンアンテナのデュアル化できました。簡単そうに見えてそうでもないだろうと予想はしていましたが、その通りでした。430の前方エレメントが後方エレメントより長いのが腑に落ちないところではあります。2エレとして動作しているのか、あるいは145MHz用リフレクターがなんらか作用を及ぼしているのか不明。複数のアナログレピーターにアクセスしたところ送受信とも問題はなさそうです。前回作製した430MHzシングルバンドのモクソンアンテナとの比較などもしてみたいと考えています。
反射器?が短くないとマッチングが取れないとは、不思議ですね。計算どおりの長さだと、同調しない(マッチング)が取れないのでしょうか?
パラスティックエレメントの件、輻射器の前の導波器1本でもマッチングがとれるので、先に導波器を取り付けた上で反射器の位置と長さはアナライザーで測定しながらカットアンドトライという感じで確定しました。はじめ反射器は長めにしてみたもののうまくいかず、徐々にカットして結果的に導波器より短くなりました。MOXONだからそうなのか、通常の八木では別なのか、八木の場合は反射器があまり機能していない印象もあります。両バンドで交信できているので問題ないかなとは思っています。HF帯MOXONでのパラスティックエレメントの追加、興味深いですね。
今後ともよろしくお願い致します。