コイル巻数を多くして容量の小さいバリコンを使う、逆にコイル巻数を少なく容量の大きいバリコンを使う、この二つの同調回路、本当に違いはあるのか?同じ条件で実験してみることにしました。
〈準備物〉
コイル 162μHおよび315μH
バリコン 単連ポリバリコン260pF、2連ポリバリコン150pF
2連エアバリコン290pF+120pF、4連エアバリコン合計308pF
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コイルは、4本のフェライトコアを束ねたものに0.1mm×40本のリッツ線を巻いたものを使いました。162μHは34回巻き、315μHは48回巻き。
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34回巻(上)と48回巻(下)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/79/71f662c978f9a732bca0bfa8a0a9fbe9.jpg)
回路はすべてミノムシクリップで配線し、1N270、トランス、オーディオ用ステレオイヤフォンなどいつも通りの環境を再現。外部アンテナ、アースなし。その上で、コイルおよびバリコンの組み合わせを順次変えながら、受信音の大きさを聞き比べてみました。
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ゲルマラジオ実験全景
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/7f/840dbda2149d3122d5ffc5e2df93aa67.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/3e/bf17dae76a730e51b2fb279a07747acd.jpg)
その結果は?
1)162μH+単連ポリバリコン
かすかにNHK仙台第一が聞こえるのみ
2)162μH+2連ポリバリコン
同調点が変化し、聞こえ方は1)とほぼ同じ
3)315μH+単連ポリバリコン
上記の2倍程の音量で聞こえる
4)315μH+2連ポリバリコン
同調点が変化し、音量は3)とほぼ同じ。同調の山は多少はっきりしている。
という結果でした。コイル巻数を多く、バリコン容量を少なくするいわゆるHi L同調回路である4)が特別感度良く聞こえるということはありませんでした。ただ、同調点のピークは他に比べて鋭い印象はありました。バリコンを回すと急に音声が浮いてきてまた急に聞こえなくなる、そんな感じです。
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比較のため、手持ちのエアバリコンも試してみました。驚いたことにこちらの方が良く聞こえます。音量の違いは明らかで、切れもなかなか。どちらも国産アルプス製。162μHのコイルでも良く聞こえます。今回の実験では315μH +200pFが最も良く聞こえてきました。コイル巻数を適度に多くした方が感度アップがみられたことから、これまでは170μHを目安にしてきましたが、今後はHi Lを考えてもう少し増やしてみることにします。
無電源ラジオの性能を決める要はコイルそのものであることは間違いありません。加えて、バリコン容量との関係(同調回路)、バリコンそのものの良し悪しも大きく影響するようです。やはりエアバリコンは素晴らしいです。