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MOSFET検波 無電源ラジオ

2014年08月18日 | ゲルマラジオ


 ミズホ通信研究所にて領布されているMOSFETを使った無電源ラジオを作ってみました。興味のある方は同研究所ホームページを参照ください(http://mizuho-lab.com/fet/radio.html)。購入したのは「基本部品セット上位版」として販売されているものです。付属のコンデンサーは使いませんでした。



<材料>
・MOSFET ALD110900A
・マルチタップ出力トランス 
・蛇の目基板  
 (以上はミズホ通信研究所領布品)
・塩ビパイプ
・リッツ線 (ラジオ少年)
・ゲルマニウムダイオード 1N270 (aitendo)
・ポリバリコン
・ステレオイヤフォンジャック
・板材、金具他


材料


MOSFET ALD110900A


 無電源ラジオは、同調、検波、音声出力、この3つの回路しかありません。今回はダイオードの代わりにFETで検波させようというわけです。以前からこだわっているとおり、今回もアンテナ、アースなし、単独で両耳マグネチックイヤフォンを鳴らすことを目標とします。そのため、Qの高い大型ソレノイドコイルを搭載することにしました。

 まずはコイルづくり。ホームセンターで購入した直径12cm、幅10.5cmの塩ビパイプ。これをボビンとして0.1mm×100本のリッツ線20mを巻いていきます。筒形コイルとしては過去最大。ちょうど50回巻きで、インダクタンスは303μHとなりました。我が家の環境では少し高め。とりあえず密巻きにしたので、そのうち、スペースをあけてインダクタンスを調整することにします。



 続いて基板。トランス、FET(予備として1N270も)、イヤフォンジャックおよび各配線をハンダ付け。入手したマルチタップトランスは入力最大100kΩ、出力8Ω~300Ωで、以前から使っている「ラジオ少年」のBT-OUT-1H(20kΩ:8Ω)に比べ、入力インピーダンスが高く、マグネチックイヤフォンを鳴らすには好都合です。せっかくなので、出力側をミノムシクリップで切り換えられるようにしてみました。(このトランスはなかなか手に入らないのでは?実はこれが欲しくてセットを購入しました)


マルチタップトランス 出力側切り替え式


 配線が終わったところで、いつものように板材にコイル、基板、バリコンを固定し、組み立て完了。


完成





 室内窓辺のテーブルに置いて、さっそく受信してみると、NHK仙台第一がまずまずの音量で聞こえてきました。両耳ステレオイヤフォンで聞いて、十分了解できる音量。歪みはなく、音質も悪くありません。でも予想したより音量は小さ目。もっとパワフルに聞こえてくるかと思っていたのですが・・・。次にゲルマニウムダイオード1N270に換えてみたところ、明らかに音量が上がりました。2倍以上?仙台第二放送もかすかに聞こえます。このダイオード、これまでも何度か使っていますが、小粒ながらたいへん高感度です。


1N270(左)


 というわけで、今回の試作ではMOSFETは期待したほどではありませんでした。でも、大型ソレノイドコイルとマルチタップトランスの効果ははっきりと実感できました。アンテナ、アースなしでもMOSFET でそこそこ、1N270なら十分すぎる音量で鳴ってくれます。

 しばらくぶりの無電源ラジオ、夏の工作。久々に楽しめました。




〈追記〉

 この無電源ラジオ、大きさの割に思いのほか高性能です(1N270使用時)。感度は、一辺40cmのループアンテナラジオには負けますが、縦30cm×横18cmのミニループラジオよりも良いのです。分離に関しても、まったく混信なくスパッと切れます。おかげで仙台第二がすこぶる聞きやすい。コイルの大きさとしては、数分の一から半分にも関わらず、です。要因として、いくつか考えてみました。

1)コイルに太いリッツ線を使用(ミニループ0.1mm×40本、今回0.1mm×100本)
2)コイル巻き数が多い(ミニループ約180μH、今回300μH)
3)巻枠の形(四角と丸)
4)トランスの入力インピーダンス(ミニループ20kΩ 今回100kΩ)
5)検波器(ミニループ1N60、今回1N270)

 これらが総合的に作用したのだと思いますが、最大の要因はコイル線材のような気がします。あるいは丸く巻いたのが良かったのか?いづれにしても、大型ソレノイドコイルのQの高さを実感した次第です。



コメント (3)
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