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せんだいSD550  山岳移動運用 

レトロ風ミニループゲルマラジオ

2013年04月07日 | ゲルマラジオ


 先日、仙台駅前の丸善で面白い本を見つけました。『レトロラジオの製作へ誘う本』(CQ出版社)。題名そのままの内容。今から80年ほど前、全盛だったころの鉱石ラジオを再現したものや新たな工夫を加えたもの、バスケットコイル、ループアンテナなど、興味をそそる製作例が紹介されています。この本に触発されて、性能重視のミニループアンテナ付きレトロ風ゲルマラジオを作ってみました。




 ループアンテナを大きくすれば感度が上がるのはわかっているのものの、我が家の住宅事情では卓上に置いて違和感のない大きさが限界です。ループの形状は、2本の棒を×状に組んだ製作例を見かけますが、作りやすさや耐久性を考慮して、ロの字型を採用しました。以前も菓子箱を利用して同様のものを作ったことがあり、性能的には問題ないはず。

 ホームセンターにてさっそく材料集め。都合よく板切れの端材が特売されていました。またレトロ風な木製台座(置台)も見つけました。この他、L字金具とかネジ類、コイルボビンに使えそうなパイプなど材料数点を調達、これでしばらくは楽しめそうです。

<製作>
 まずはコイル部。
 巻枠の材料は長さ46cm幅3cmの板きれ端材2本を30cmと16cmにカット。これを接着剤と釘でロの字型に組み立てます。×状のループアンテナに比べ、見た目は劣るかもしれませんが、手間はかかりません。歪みやすいので接着剤でしっかり固定させ、黒色スプレーで塗装。大きさ的には、以前にプラスティック容器で作ったミニループアンテナより少し大きめ。縦30cm、横18cm。


幅3cmの板をロの字に組み、塗装


 これに今回は0.1mm×40本のリッツ線を19回巻きとしました。思うような性能が出なかった8の字コイルをバラし、再利用。インダクタンスは170μH。我が家の環境でNHK仙台を受信する場合、このくらいのインダクタンスでもっともよく聞こえることがわかっています。なのでタップは出しません。これでコイル部完成。





 さっそく、以前に作ったゲルマラジオにつないでみました。ミニループとはいえ、この大きさになるとさすが高感度。NHK仙台第一はもちろん第二放送も問題なく聞き取れました。

 コイルの性能を確認できたところで、各部の配線。いつも通りダイオードのみのシンプル回路。材料は、前回のガラス瓶ゲルマラジオとほぼ同じですが、トランスはラジオ少年通販で新たに調達したBT-OUT-1H(20kΩ:8Ω)を使用しました。
・ダイオード1N60(購入先不明)
・ポリバリコン、シャフト、つまみ(ラジオ少年)
・トランスBT-OUT-1H(ラジオ少年)
・ステレオイヤフォン端子(秋月電子)
・木製台座、L型金具など(ホームセンターダイシン)


材料一式


 台座に固定する前に、おおかたの位置を決めて、各部を配線(ハンダ付け)。あとは一つ一つ固定するのみ。まずはループコイルをステンレス製L字金具2個で取り付け。続いてポリバリコンをコイル枠内側に接着剤で固定。台座の方は、空いたスペースにトランスと2Pラグ板(ダイオード)、イヤフォン端子を配置。
以上でレトロ風ミニループゲルマラジオ完成。




台座がレトロ風・・・

バリコンはコイル枠に接着

裏側 コイル部をステンレス製L金具で固定

 
 自己満足ですが、良い感じに仕上がったと思います。テーブルに置いても違和感ありません。なによりこのラジオ、性能が素晴らしい。NHK仙台第一放送は、両耳マグネチックイヤフォンをうるさい程の音量で鳴らしてくれます。前作のガラス瓶ゲルマラジオもまずまずの性能と思っていましたが、それとは別世界。窓辺でなくともOKです。分離もたいへん良好。外部アンテナも不要で実用レベル。30cm×18cmの空芯コイル、やはり大きさに見合った性能が得られるようです。リッツ線を使ったのも好結果につながったかもしれません。




 『レトロラジオの製作へ誘う本』に紹介されている製作例は、もっと手が込んでいて、配線一つ、ネジ一つとっても幾何学的で美しいものばかりです。まさに1920年代を彷彿とさせるレトロラジオ。当時のものがそんな手の込んだものだったのかはわかりません。いつか実物を見てみたいものです。





コメント
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