JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

蔵王連峰 地蔵山

2013年04月15日 | 奥山 移動運用


 蔵王連峰、地蔵山。標高1736m。震災前は幾度となくここで無線を楽しんできました。震災直後は無線どころではなく、登山も控えていたのですが、しばらくして最初に声を出したのもこの山でした。自分にとってはホームグランド的な存在。ゴンドラで一気に1700m付近まで上がれること、悪天候になってもすぐ撤収して下山できること、思わぬ飛びが期待できること、など無線運用には好都合な山です。ここで運用するもよし、熊野岳まで足を延ばすもよし。

 さて、例年なら3月中旬には春山に向かうところですが、この数週間、当地は週末雨のスパイラル。今回、しばらくぶりの好天に恵まれ、シーズン初の移動運用敢行となりました。


ゴンドラから地蔵山と熊野岳(右奥)

お地蔵様もこの通り


 10時30分山頂着。強風の中、山スキーのパーティ数組と単独行が熊野岳に向かっていきました。天気は快晴。山形盆地を挟んで、朝日連峰と飯豊連峰が白壁のように連なって見えます。この時期ならではの絶景。


地蔵山山頂

熊野岳


 さっそく無線の準備。リグはDJ-S57。145MHz。アンテナはHB9CV。このアンテナ、年始以来なのでアナライザーで測ってみたところ、案の定、周波数がずれていました。急場しのぎにロッドを調整しSWR1.2までなんとか落とすことができたのですが、本来の寸法とは違うような・・・。まあいいか。山頂でいつまでも調整というわけにもいかないし。ということで、CQを出したところ、新潟市の固定局より応答あり。さらに岩手、宮城、山形、福島各局から途切れなく応答いただきました。風切り音が入って了解度が下がるとのレポート。薄手の手袋をハンディ機にかぶせてみたところ、けっこう効果あったようです。北は一関市、南は郡山市、西は燕市。ロッドエレメントのネジも少し緩んでいたのか、風で変形したため、ここで終了。約1時間半で16局に交信いただきました。


HB9CV

風切り音対策のつもり


 さて、HB9CVを撤収中、RH770を差し込んでいたDJ-S57から、かすかなCQが聞こえてきました。「ポータブル0、妙高市・・・山頂移動、144.92にてお相手ください」。こういう時に困るのが、指定された周波数をローカル局で使っているケースです。その場合、交信は絶望的となります。ローカル局に遥か遠くからの信号は聞こえていないわけですし、たとえ聞こえていたとしても、誰にも罪はありません。ご縁がなかったということ。ところが、この時は、ラッキーなことに何の混信もなし。メインと同じ程度のか細いCQが聞こえてきました。

 さっそくコールしたところ、新潟局も呼んでいたようで、応答なし。2度目のコールで交信成立。相手局は新潟県妙高市と長野県飯山市の県境にある鍋倉山山頂とのこと。標高1289m。52-52でレポート交換。ハンディ機2.5W、アンテナも同じRH-770をお使いとのことでした。山頂からスキーで大滑降を前にCQを出されたのだとか。続いてもう1局おられるということで、呼んでいただきました。長野県飯山市移動。こちらも52-52。地蔵山と鍋倉山間は、約240km。この日の最長距離、地蔵山から長野県の移動局は初めてで、記憶に残る交信となりました。



 下山後、カシミールで調べてみたところ見通しではなく、飯豊連峰の他、いくつものピークがルートを遮っています。それらをくぐり抜け、または反射し、よくぞ届いてくれたものです。信号強度は弱く若干ノイズがあるのもの、ラグチューできる程度の終始安定した信号でした。

 HB9CVのままであれば、アンテナの向きによっては気づかずにいたかもしれません。またこちらがもう少し運用を続けていたら交信できなかったろうと思います。撤収して、RH770に付け替えたこと、メインをワッチしていたこと、まさにその時、相手局がCQを出されたたこと、QSYした周波数に混信がなかったこと、などなど、幾重もの偶然によるベストマッチング。今回も出会いの不思議さを実感しました。


 最後に1200MHz。1局のみ拾っていただきました。大崎市の固定局と41-51。蔵王から声を出せば何局か交信できるかと期待しましたが、甘くはないようです。DJ-G7。1W。付属ホイップ。






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