JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

1IC+1TR 省エネラジオ

2012年08月13日 | ラジオ工作


 無電源のゲルマラジオは、今も元気よく両耳マグネチックイヤフォンを鳴らしてくれます。さすがに長く聞いていると、イヤフォンが煩わしくなって、スピーカーで聴けたらと思ったりもします。でも、我が家の環境では、特大バーアンテナをもってしても、無電源でスピーカー駆動は厳しい。ということで、今回、ICとTRを1個ずつ使い、乾電池1本で作動する省エネラジオキットを組み立ててみました。久しぶりのラジオ工作。

 いつもお世話になっているラジオ少年通販より購入したKIT-16DXという商品で、説明によると501相当のICとダーリントン接続で2石相当のTRを使った高感度ラジオキットだそうです。昨年、2ICラジオを製作した時には、その性能には満足したものの、電池を4本も使うことがわかってがっかりしました。今回は、まぎれもなく電池1本作動。そして、無謀にもスピーカーを鳴らしてしまおうという計画。

 キットの内容は、2ICラジオに比べると充実しており、かつ親切です。部品点数はほぼ同じ。CR類は間違わないように説明付きの紙の上に分類され、基板も回路図が印刷された「回路が見える基板」採用。マグネチックイヤフォン、バーアンテナ、電池ケース、板、穴の開いたアクリルパネル、ネジ類など一式と手書きの実態配線図付きの説明書が付属。これで990円は良心的。


キット一式

間違いやすいCR類もこの通り

回路図

手書きの実態配線図付き


 今回も、手持ちのエアバリコン、小型スピーカー、バーアンテナなどを別途用意して、クラシックラジオ風に作ってみました。キットで使用したのは基板部分と電池ケース、電源スイッチです。電源スイッチの固定具は、ポリバリコン用のものを使い回しました。キットといえども、自分なりのイメージで組み立てるところに面白さがあると思います。



 回路の見える基板というのは初めてで、通常と逆に表面にはんだ付けしていきます。特に問題なく基板は完成。続いて、電池ケース、バーアンテナ、エアバリコン、スピーカーを板に固定して、配線。製作は以上です。


完成


 外部アンテナをつながず、エネループ1本を装着して、スイッチを入れてみると・・・。バリコンを回す前からかすかに聴こえてきました。NHK第一、高校野球の中継。でも音は小さいです。バリコンを回して音の大きくなるところに合わせても、なんとか耳元で聞きとれるレベル。感度のよいところに合わせると今度は音が割れてしまう。このスピーカー、縦2cm、横3cmの超小型で、小さ過ぎたのかもしれません。試しにモービル無線機用のスピーカーにつないで聞いてみたところ、音量もわずかに上がり、音質も聴きやすくなりました。とはいえ、実用レベルとは言えません。耳元から20cmも離すと、聞き取れなくなってしまいます。



 続いて、付属のマグネチックイヤフォンで聞いてみたところ、今度は音量が大き過ぎるくらいで、バーアンテナの方向を少しずらして、感度を落としてちょうど良いです。NHK第一、第二、東北放送がよく聞こえます。いずれも強力で、さすが、ゲルマラジオとは違います。ただ、バンド内全域でNHK第一がかすかに聴こえてしまいます。分離に関しては良いとは言えません。

 さて、エネループはニッケル水素電池なので1.2V。回路図どおり1.5Vアルカリ電池を入れたらどうなのか? 結果は、2倍近くの音量で聞こえるようになりました。一人で聴く分には実用レベルです。音質は良くありませんが、高校野球中継も問題なく楽しめます。たった0.3Vの違いで、これほどの差が出るとは驚きでした。


 とりあえず、外部アンテナなしで実用になる電池1本の省エネスピーカーラジオはできました。でも、使い捨て電池というのは、性に合いません。音割れ、混信の課題もこれから。実はテスターが壊れて、消費電流は不明です。どのくらい省エネなのか?超簡単なラジオではありますが、工夫のしどころはあるようです。


コメント