JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

ログペリアンテナ使用記

2010年10月04日 | ログペリアンテナ
 アペックスラジオから購入したエルクのログペリアンテナ2M440L5。一度だけ近所で試験運用したまま、物置に眠っていたのですが、はじめて山で使ってみました。
 
 このアンテナの仕様をおさらいしておくと
・エレメント 5エレ(上下分割で10本)
・送信可能周波数範囲 135-155MHz、400-530MHz
・受信周波数範囲 110 - 1100 MHz
・ゲイン 144MHz帯8.7dBi、430MHz帯9dBi
・F/B比 20 dB
・ブーム長 約0.61m 
・重量約 635g
・耐入力 200W (FM)
・コネクタ M型
となっています。

 なぜ、購入したかと言いますと、ログペリアンテナそのものの構造に興味があったことの他に、
1)5エレのわりにブームが61センチと短く、ザックに収納できそう
2)エレメントが分割のねじ込み式
3)1本の指向性アンテナでVU2バンド可
など、山での運用に使えるかなと思ったからです。重さもなんとか許容範囲です。

 今回の運用場所は、蔵王熊野岳。土曜日で、応答があるかどうか不安でしたが、ログペリ持って登ってみました。

 リグはモノバンドハンディ機DJ-S17とDJ-S47の2台。共通バッテリーは予備含め4個。三脚、パイプ椅子、登山用具一式、ザックにこれらを詰め込むと、けっこうな重さになりました。当局が使っているのは、モンベルのクラシカルライト(30L)という日帰りには大きめのザックですが、61センチのブーム部分が少しはみ出します。すっぽり収納とはいきません。

 さて、この日は、絶好の登山日和。しかも紅葉もちらほら始まったということで、登山者や観光客らしい人まで続々と登ってきます。広い山頂ではあるのですが、無線をする雰囲気ではなく、少し下った熊野岳避難小屋近くの尾根に移動しました。

 組み立ては色分けされた10本のエレメントをブームにねじ込むだけです。エレメントは黒くて重そうに見えるのですが、アルミ製で驚く程軽量です。しかも太さがあるので、手袋を付けた状態でも難なく取付けることができました。この辺り、よく考えられているように思いました。ケーブル引き回しは、以前に実験したとおり、ぶらりと垂れ下げた状態がベストで、145、430ともSWR 1.2と良好。




 はじめに430MHz、DJ-S47に接続してワッチしてみました。驚いたことに、メイン周辺に空き周波数がまったくありません。いづれもアマチュア無線とは思えないような交信ばかりですが、とにかく何かしら信号が入ってきます。土曜日の午前中、ホームでは1~2局聞こえてくる程度、さすがに山の上はにぎわってますね。VFOを回しながら聞いてみると、主に、福島、新潟の信号のようです。なんとか空きを見つけて、CQを出してみたところ、二本松市、須賀川市など各局に応答いただきました。5局交信したところで、ひどい混信が出てきたので、QRT。受信では多くの信号が入るのですが、応答はいま一つ・・・。

 続いてDJ-S17に接続し直して、145MHz。こちらは430以上にバンド内びっしり。本当に空きがありません。ロケの良さもさることながら、よく聞こえるアンテナではあるようです。やっと見つけた空き周波数で何度も周波数チェックを入れてから、CQを出してみようとしました。ところが・・・。

「この周波数お使いですか?混信妨害与えておりませんか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
メインでCQ。
チェックした周波数に戻ってみると
「○×▽、×○□」(なぜか普通に交信している)
「???」

 というパターンが一度ならず何度かありました。不思議です。

 そんなことを繰り返しながらの交信。まずは南方向。福島県鏡石町、相馬市、本宮市から59のレポート。この山からは、相手局が平地の場合はいつもこの辺りが限界で、今回も同様の結果です。続いて北方向。一関市固定局より51および55のレポート。さらに山岳移動局、八幡平市の姥倉山とハンディ機で59-59。ハンディ機に8本の乾電池を使って電圧を上げているのだとか。5Wと思いますが、強力な信号でした。栗駒山山頂局もハンディ機2.5W、59-59。アンテナを回してみたら、バックでは53程度で入感。指向性の切れもまずまずです。ただ、430同様、聞こえるわりに、送信の伸びは手応えが感じられませんでした。

 交信中も、どこからともなく混信が始まってしまいます。構わず交信を続けてみたのですが、相手局には混信がないようで、なんとか交信はできます。混信の局の方はさぞかし、交信しにくいのでは?と思ったらそうでもなく、平然と普通に交信を続けているのです。妙な気分でした。このアンテナは、受信はブロードで広く拾ってしまうわりに、送信は指向性がはっきりしているのかもしれません。



 
 感想としては、1)145、430共に受信性能は高く、よく聞こえるアンテナ、2)送信については3エレ程度、動作が不明、3)受信と送信の能力(指向性)にアンバランスを感じる、4)癖をつかめば面白いアンテナ? といったところでしょうか。


 今回は時間も限られる中で、想定外の混信に悩まされ、勝手のわからないアンテナを前に一人混乱しておりました。習熟を必要とするアンテナのようです。ツイストマウント方式といって、水平と垂直を簡単に切り替えできるのも特徴で、機会をみて、偏波面による違いなども試してみたいと思います。




コメント
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