犯罪被害者が刑事裁判に参加する新制度が今日閣議決定された。
97年に小学2年生の息子隼くんをひき逃げされて失った片山徒有さんらが反対の声を上げている。片山さんは,被害者運動の初期に被害者遺族の悲痛な声を捜査機関に届け,被害者の地位の向上に功績を上げた方である。「被害者と司法を考える会」を立ち上げた片山さんは,今回の立法の動きについては「声の大きい意見だけを採り上げた結果」だと批判している(3月13日朝日夕刊)。
片山さんは,被害者の立場に立ちながら加害者の問題も考え続けておられる。「加害者は極悪人か,普通の人か」「被害者が声を上げ,権利を拡大すれば悲劇の連鎖は防げるのか」
「加害者と法廷で対決しあっても,それで終わりではない。被害者と加害者が社会でどう立ち直るのか。「新制度」には社会という視点が欠けている」と片山さんは語る。
被害者支援は大切な課題である。しかし,被害者の癒しは,はたして裁判の厳罰化によって得られるものであろうか。医療,福祉,地域,ボランティア,そして何よりも行財政の温かい支援こそが最重要ではなかろうか。(伊東武是)
97年に小学2年生の息子隼くんをひき逃げされて失った片山徒有さんらが反対の声を上げている。片山さんは,被害者運動の初期に被害者遺族の悲痛な声を捜査機関に届け,被害者の地位の向上に功績を上げた方である。「被害者と司法を考える会」を立ち上げた片山さんは,今回の立法の動きについては「声の大きい意見だけを採り上げた結果」だと批判している(3月13日朝日夕刊)。
片山さんは,被害者の立場に立ちながら加害者の問題も考え続けておられる。「加害者は極悪人か,普通の人か」「被害者が声を上げ,権利を拡大すれば悲劇の連鎖は防げるのか」
「加害者と法廷で対決しあっても,それで終わりではない。被害者と加害者が社会でどう立ち直るのか。「新制度」には社会という視点が欠けている」と片山さんは語る。
被害者支援は大切な課題である。しかし,被害者の癒しは,はたして裁判の厳罰化によって得られるものであろうか。医療,福祉,地域,ボランティア,そして何よりも行財政の温かい支援こそが最重要ではなかろうか。(伊東武是)