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二風谷周遊バス、ウポポイ効果期待 工芸家との交流魅力 体験場確保など課題

2021-07-12 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/11 13:53 更新
【白老、平取】日高管内平取町が、アイヌ伝統工芸家が集まる町内の二風谷コタンと、12日に開業1年を迎える胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を結ぶ周遊バス「セタプクサ号」を運行している。JR札幌駅前から新千歳空港を経てウポポイ、二風谷を巡るバスで、集客力の高いウポポイから二風谷に観光客を引き込むのが狙いだ。新型コロナウイルス対策で制約もある中、3日に今季の運行を始めたバスに乗車し、乗客の反応や課題を探った。
 「やっと二風谷に行けます」。始発の札幌からバスに乗った東京の門田ゆかりさん(58)は、アイヌ民族の少女が活躍する漫画「ゴールデンカムイ」に出合ったことなどをきっかけにアイヌ文化に興味を持ち、ウポポイには昨年7月の開業以来、3回訪問した。だが、二風谷は「車を運転できないので諦めた」という。
 今回、二風谷への初訪問が実現し、「両方を回りたい人には周遊バスはすごく便利」と歓迎する。ウポポイを経て到着した二風谷アイヌ文化博物館では、柄にアイヌ文様が彫り込まれたマキリ(小刀)に顔を近づけ「展示用の美術品ではなく、日常道具として作られたんですね」と感心した。
 「セタプクサ号」は平取町に一大群生地があるスズランを意味するアイヌ語を冠した。札幌発着の1日1往復で、ウポポイと二風谷コタンに各2時間滞在する。運賃は3千円で、少人数ならレンタカーより割安で、免許のない人には貴重な移動手段だ。新型コロナウイルス対策で定員は通常27人のところ15人に抑え、3日は12人が乗った。
 町が2019年に施行されたアイヌ施策推進法に基づく交付金を活用し、札幌観光バス(札幌)に運行を委託した。昨年は10月1日から11月5日の月曜を除く計31日間走り、計291人が乗車した。今年は7~10月の土日祝日に運行する。
 ウポポイの国立アイヌ民族博物館には多彩な民族衣装や工芸品が並び、歴史や文化、世界観などアイヌ民族の全体像を知ることができる。一方、二風谷は多数のアイヌの伝統工芸家が集まり、工芸品を見るだけでなく、製作現場を間近に見ながら工芸家と語らえるのも魅力だ。千葉県から来た女性は町アイヌ工芸伝承館ウレシパで刺しゅうを施す職人を見て「文様を縫う作業を間近で見られ、服の作り方を聞けた」と喜んだ。
 ただ、女性は「機織りや刺しゅうを体験してみたかった」とも述べた。平取町の遠藤桂一町長は「二風谷は体験できる場があまりない。町を挙げて工芸技術を継承する人材育成に力を入れているので、そうした人材を活用して体験メニューを充実させたい」と語る。
 一方、コロナ収束後を見据えた集客も課題だ。遠藤町長は「コロナ禍では大々的な宣伝は難しいが、収束後は広告やネットなどを通じて東京、札幌など大都市圏で周知し、乗客の定員も増やしたい」と述べ、客足次第では平日運行も検討できると期待している。セタプクサ号についての問い合わせは札幌観光バスツーリズム営業部(電)011・206・0225へ。(杉崎萌)
※「ウレシパ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/565707

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道内名所オンラインで バーチャルトラベル協議会 9月に海外向けサイト

2021-07-12 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/11 13:07 更新
 道内の観光事業者や旅行会社などが今秋、新型コロナウイルス禍で訪日できない外国人客向けに、道内の自然やアイヌ文化などを発信するインターネットサイトを立ち上げる。オンラインツアーやバーチャル体験が柱で、コロナ収束後の観光客の呼び水にしたい考えだ。
 海外向けのオンラインツアーなどを手掛けるツナガル(大阪)が中心となり、オホーツク農山漁村活用体験型ツーリズム推進協議会(網走)や北海道宝島旅行社(札幌)など7企業・団体が1日に北海道バーチャルトラベル推進協議会(同)を発足。コロナや季節に影響を受けない観光産業づくりを目指す。
 サイトの名称は「LIVE Travelers(仮称・ライブトラベラーズ)」。オンラインでの旅行や土産物購入など総合的なサービスが可能な専用プラットフォームとする。9月末にも開設し、英語と中国語(繁体字)の2カ国語で欧米、オーストラリア、東アジア向けに発信。事業は観光庁の「来訪意欲を増進させるためのオンライン技術活用事業」に採択され、事業費約1500万円を国が支援する。
 オンラインツアーは一部有料とし年度内に全11回(各回60~90分)をライブ配信する。地元のガイドと通訳兼ナビゲーターが網走や知床、支笏湖(千歳市)、二風谷コタン(日高管内平取町)を巡って景観やアクティビティー、環境問題、アイヌ文化などを紹介する。視聴者はチャット機能を使って質問でき、ガイドらと双方向でコミュニケーションがとれる。
 バーチャル体験はオンラインツアーで紹介している観光施設や景色などをネット上で再現する。視聴者がツアーに登場する工芸品や土産物を購入する機能も設け、来年には実際の道内ツアーが予約できるようにする。ツナガルの渥美資史エグゼクティブプロデューサーは「コロナで消失したインバウンド(訪日外国人客)市場を掘り起こし、新たな収益源として育てたい」と話している。(三坂郁夫)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/565706

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アイヌの実態、進まぬ教育 「負の歴史」知って ウポポイ開業1年

2021-07-12 | アイヌ民族関連
毎日新聞 7/11(日) 7:00

 北海道白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)が12日で開業1年を迎える。「大勢で歌う」を意味するウポポイ。差別せず権利を認め合い、みなが肩を組んで歌うような世界の実現に何が必要か。この節目に、アイヌの人々を取り巻く課題を探る。
 「またやったのか」。札幌アイヌ協会会長の阿部一司さん(74)は携帯電話を耳に当てながら愕然(がくぜん)とした。「日本テレビがアイヌについて差別的な内容を放映した」。知人からの連絡を受け、あの日の出来事が脳裏をよぎった。「あれから27年もたったのに」
 日テレは3月12日、情報番組「スッキリ」でアイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介。お笑い芸人の脳みそ夫さんが「この作品とかけまして動物を見つけたととく。その心は、あ、犬」と謎かけを披露した。アイヌ民族を動物と結びつけ揶揄(やゆ)する言動に「アイヌ民族への侮辱」と批判が殺到した。
 阿部さんは、1994年元日の夜の出来事を思い出した。
 日テレ系のお笑い番組で、アイヌの熊祭りがテーマの歌謡曲「イヨマンテの夜」に合わせ、出演者が裸に金粉を塗った姿で踊り騒いだ。イヨマンテは、アイヌの人々が神聖視するクマなどの霊を神の国に送りかえす宗教儀式。アイヌ民族団体などの抗議を受け、同社は謝罪した。
 阿部さんは「こういうことが何度も繰り返されてきた」と憤る。インターネット上でも依然としてアイヌ民族を否定したり、中傷したりする書き込みが絶えない。なぜか――。
 「歴史を知る人が少ないからではないか」。阿部さんは、こう言って続けた。「歴史的な資料を読んだり、見たりすれば『アイヌなんかいない』だとか、『誰が住んでいたか分からない』とか、そんなことは言えないはずだ」
 内閣府が2020年11~12月に実施した世論調査によると、アイヌ民族が日本の先住民族だと「知っている」は、前回18年の調査から14ポイント増え91%となり、初めて9割を超えた。19年のアイヌ新法施行に続き、20年7月に民族共生象徴空間(ウポポイ)が白老町に開業したことで、人々がアイヌに関連した情報に接する機会が増えたためとみられる。
 一方、調査では「明治時代以降、多くのアイヌの人々が非常に貧しく独自の文化を制限された生活を余儀なくされた」事実を知っている人は前回から6ポイント増の46%にとどまり、5割に満たなかった。アイヌ全般に対する認知度は高まったが、明治政府が開拓に伴いアイヌの土地を略奪した歴史や、同化政策により言葉や文化が失われた「負の歴史」への理解が進まない実態がうかがえる。
 阿部さんは「何が差別なのかを国が明確に示さなければ、ウポポイを作ったところで国民に理解してもらえないだろう」と不満を口にした。
 日テレの問題後、脳みそ夫さんは「勉強不足を痛感した」、同社の小杉善信社長(当時)も「理解が足りていなかった」と陳謝した。
 札幌大アイヌ文化教育研究センター長の本田優子教授(アイヌ文化)は「差別をはじめ、アイヌを取り巻く問題はアイヌについての教育が不足していることが大きな要因」と指摘する。
 小中高の学習指導要領は社会の授業などで「アイヌ文化」に触れるよう記すが、差別問題の扱いには記述がない。授業でどの程度扱うかは現場の判断に委ねられ「負の歴史」に関する記述がない教科書もある。
 本田教授は「差別の歴史は知らなくてはいけない。ただ、教育現場でも理解が十分でなく、教員など教える側にも教育が必要だ」と課題を挙げる。
 こうした中、熱心な取り組みをする学校もある。旭川市立北門中は、アイヌ文化の伝承者で1922年に19歳で亡くなった知里(ちり)幸恵さんが生活していた場所が同校敷地にあることから、約30年にわたり生誕祭を開催し、アイヌ語などを学んできた。
 郷土史研究部でも定期的にアイヌ民族や地元の歴史を取材し、壁新聞を制作するなど理解を深めている。同部顧問の松本賢尚教諭(46)は「アイヌの人々が受けた仕打ちなど、昔の出来事と最近の出来事を切り離すのではなく、歴史はずっと続いて今につながっていると生徒に知ってほしい」と強調する。
 こうした積み重ねが、差別や偏見のない社会を築いていく。【源馬のぞみ】
 ◇ウポポイの設立理念
 我が国の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点で、先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴
https://news.yahoo.co.jp/articles/47f1d8f08d1418235f46e4142e32c74d2feb4487

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ウポポイ開業1年・みなで歌う世界へ/下 アイヌ文様、高まる人気 伝統「正しい普及を」 /北海道

2021-07-12 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/7/11 地方版 有料記事 1434文字
出回る模倣品、意味理解なく
 「『またニセモノが出ているよ』と娘が教えてくれたんです」。登別市の刺しゅうサークル「登別アシリの会」会長の芳賀美津枝さん(67)は、スマートフォンに映る偽物のアイヌ文様を記者に見せながら苦笑いした。
 同会が作成したアイヌ文様をあしらったマスクは2020年5月、当時官房長官だった菅義偉首相が記者会見で着用して話題となり、2カ月後に開業を控えた民族共生象徴空間(ウポポイ)への注目も手伝って全国から注文が殺到した。だが、高まる人気とは裏腹にすぐに偽物が出回り、今もインターネット通販などで売られている。
 芳賀さんは、トゲを表すとされる「アイウシ」というカッコ模様や「モレウ」という渦巻き模様に込められた先人の思いを説明する。「アイウシ(トゲ)で魔物の侵入を防ぎ、もし入られたとしてもモレウ(渦巻き)でくるくる回って落とす。模様を交差させ、一筆でつなぐことで狩猟から無事に戻ってほしいと願っている」
この記事は有料記事です。 残り1023文字(全文1434文字)
https://mainichi.jp/articles/20210711/ddl/k01/040/025000c

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「最大の夢を達成できた」世界1位のバーティーがウインブルドンを初制覇して感無量<SMASH>

2021-07-12 | 先住民族関連
ザ・ダイジェスト 7/11(日) 15:01配信
 現地時間7月10日、テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)は女子シングルス決勝が開催された。第1シードのアシュリー・バーティー(オーストラリア/1位)が第10シードのカロリーナ・プリスコワ(チェコ/13位)を6-3、6-7、6-3のフルセットで下し、同大会初の優勝を果たした。
 これまでウインブルドンでは最高成績がベスト16と思うような結果を残せていなかった中、今大会は安定したプレーで決勝へと駒を進めたバーティー。プリスコワとは過去7度の対戦があり、5勝2敗と勝ち越していた。
 迎えた決勝で開始から早くも4ゲームを連取したバーディーは、2度のブレークバックを許しながらも第1セットを先取。粘りを見せるプリスコワにタイブレークで第2セットを落としたものの、ファイナルセットでは第2ゲームで先にブレークに成功し、そのままリードを守り切った。
 2019年の全仏オープン以来自身2度目となるグランドスラム優勝を成し遂げたバーディー。オーストラリア人女子のウインブルドン優勝は1980年大会のエボンヌ・グーラゴング・コーリー以来41年ぶりの快挙となった。
 試合終了後に行なわれた記者会見でこれについてメディアから問われると「彼女(グーラゴング)は私の人生において、とても特別な存在なの。彼女は、先住民族の若者たちが夢を信じる道を切り開いてきた象徴的な存在でもある。もし私がエボンヌに少しでも近づけたなら、とても幸せなことだと思う」と語った。
 また、幼き頃から夢見てきた聖地ウインブルドンでの優勝に「最大の夢を達成できたことは、本当に素晴らしいこと。今までテニスコートで経験した中で、一番信じられないような気持ちになった。私はとても幸運な女性だと思う」と喜びを表現した。
 会見の最後にバーティーは「良いテニスプレーヤーであることよりも、良い人間であることの方が大事だと思う。テニスを学ぶ機会に恵まれたことはとても幸運だったけど、(それ以上に)良い人間であることは、毎日の生活の中で絶対に優先されることだと思っている」と日ごろから大切にしている心構えを明かした。
 世界女王というプレッシャーも見事にはねのけ、テニスの聖地で栄冠をつかみ取ったことはバーティーにとっても忘れられない出来事になるだろう。長年にわたり、全サーフェスで安定した成績を残し続けているだけに、女子テニスで史上11人目となる生涯グランドスラムの偉業達成にも期待したいところだ。
 一方、2016年の全米オープンに続き、またしても4大大会での初タイトル獲得を逃したプリスコワは「複雑な心境。決勝は理想的なスタートを切ることができなかった」と悔しさを滲ませつつも、「強くなって戻ってきたいと思う。もちろん、また優勝のチャンスもあると思う。私はそれを諦めない」と今後に向けて前向きなコメントを残している。彼女の言葉通り、グランドスラムで頂点に立つその日まで、何度でも挑戦する姿を見せてもらいたい。
文●中村光佑
https://news.yahoo.co.jp/articles/fa0e8cf18799f7dce9fb8503ae22af184ce01817

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7月11日はオーストラリアの先住民イェーガンが入植者に撃ち殺された日!

2021-07-12 | 先住民族関連
トカナ 2021.07.11 07:30
『イェーガンの肖像』ジョージ・クルックシャンク画
 1833年7月11日は、オーストラリアのヨーロッパ陣による入植と戦った先住民族ヌンガー族の戦士であるイェーガンが、撃ち殺された日である。
 逮捕後の脱獄、そして襲撃と、入植者たちに対して度重なる抵抗を見せていたイェーガンには、当時の金額で30ポンドが賭けられていたため、キーツ家の少年達(18歳の兄ウィリアムとと13歳の弟ジェームズ)は、追われていたイェーガンにかくまう旨を伝えて騙し討ちを図り、銃殺することに成功した(兄ウィリアムはイェーガンの槍で死亡)。
 しかしその卑怯なやり方は入植者たちの間でも非難を集め、キーツ家はほどなくしてオーストラリアから姿を消すことになったという。
 そして遺体から切り取られた首はその後、数奇な運命を辿ることに。
 歴戦の勇士・イェーガンの首をどこかで展示した方がよいと考えた入植者のジョージ・フレッチャー・モーは、その首を約3カ月間ユーカリのチップでスモークし、燻製とした(クルックシャンクの肖像画は燻製後のもの)。
 そして、イギリス陸軍中尉であったロバート・デールによって本国に持ち出された首は、外科医のトーマス・ペティグルーによって《見世物》として公開され、以降、その劣化が激しくなった1964年まで“文化人類学上の珍品”として展示されていたと言われている。
 その後は無縁仏としてリヴァプールの地に埋葬されたイェーガンの首であったが、ヌンガー族の訴えによって1997年に返還された。
 だが、部族間で論争が分かれたこともあり、再び埋葬をするまでに10年以上の時間の争いがあり、2010年になってようやく埋葬されたのだ。
 その戦士としての誇り高い頭部が無事に埋葬されるのには、胴体から切り取られてから、180年もの時間が必用だった。
https://tocana.jp/2021/07/post_162844_entry.html

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