先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ文化伝承へ丸木舟制作 大木伐倒のカムイノミ 阿寒湖温泉地区、20年ぶり

2021-07-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/08 19:31 更新

丸木舟制作のために伐倒するカツラの大木の前で行われたカムイノミ(小松巧撮影)(北海道新聞)
 【阿寒湖温泉、弟子屈】釧路市阿寒町阿寒湖温泉地区の木彫師8人が、アイヌ民族の伝統儀式などに使う丸木舟の制作に取り組む。同地区で丸木舟が制作されるのは約20年ぶり。8日には材料となるカツラの大木を伐倒するため、弟子屈町内の国有林の木の前で、神への祈りの儀式カムイノミが行われ、関係者が作業の成功を祈願した。
 国のアイヌ政策推進交付金を活用する「アイヌ工芸技術後継者育成事業」の一環。釧路市がアイヌ民族の工芸技術を継承するため、阿寒アイヌ工芸組合に制作を委託した。
 カツラの木は高さ24メートル、直径96センチ。根釧西部森林管理署の協力で見つけ、市が材料として購入した。同地区で丸木舟はまりも祭りなどさまざまな儀式で日常的に使うが、現在のものは老朽化。本年度中に新しい1艘(そう)と舟の櫂(かい)など用具も作り、来年度の儀式での活用を計画している。
 カムイノミで祭司を務めた秋辺日出男さんは「木は人間の都合で切らせていただくが、丸木舟という女神に生まれ変わっていく」と述べ、木への感謝の思いを伝えた。制作の指導役を務めるのは約20年前に先人たちに丸木舟造りを教わった床州生(とこしゅうせい)さん(55)で、木にまさかりを入れて、祭具イナウ(木幣)を立てて成功へ祈りを込めた。床さんは「真っすぐ伸びた奇跡に近い木で、間近で見て畏怖(いふ)の念を抱いた。制作を通じて釧路市、北海道全体にアイヌ文化を広めていきたい」と話した。木彫師7人と共に技術を伝承しながら制作する。制作に参加する渡辺澄夫さん(59)は「初めてのことなので楽しみ」と期待を寄せた。12日に伐倒し、14日に同地区に運搬を予定する。(伊藤美穂)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/564896

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<ウポポイ オルシぺ>19 ポロトコタン この土地の記憶 多文化共生を伝える基盤

2021-07-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/08 05:00
 今、ウポポイのあるこの土地は、昔からポロト(大きい湖)の名で親しまれ、森と湖に囲まれた美しい風景が、訪れる人に忘れられない印象を与えます。
 ウポポイがこの土地に開業して、今月で1周年を迎えます。本来であれば開業時には、東京五輪が開催されていたはずでした。この土地の歴史を振り返ってみると、ウポポイの前身である観光施設、ポロトコタン(大きい湖の村)は、前回行われた東京五輪の翌年、1965年に営業を始めています。
 五輪とは、自国の文化に対して国民がどれだけ深い認識を持っているか、また、開催国自身がそれを他国に紹介する力があるのかどうかを問われる一つの指標でもあります。
 先月ウポポイで行われた聖火セレモニーには、代表ランナーとしてウポポイ職員の山道ヒビキさんが登場し、「アイヌ文化をはじめ、日本にはいろいろな文化やルーツを持つ人がいる。そうした多様性や、違いがあって当たり前という思いを伝えたかった」と語りました。
 ウポポイは、国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園の二つで成り立っていると思われがちですが、実は、すぐそばの太平洋を見下ろす丘陵に、各地のアイヌ遺骨を集約した慰霊施設も建てられています。それも含むウポポイという場が、この土地になぜ作られたのか。そして、セレモニーでの山道さんのメッセージを、未来に向けてどう受け止めていくのか。そのことについて考えていくことが、この国とそこで暮らす私たち一人一人にとっての課題なのかもしれません。
 ウポポイではこの1年、山道さんをリーダーとする若手職員たちが伝統芸能の上演を続けてきました。その舞台では「北海道や樺太など、各地域で伝えられてきた先住民族アイヌの多様な文化の伝承と復興のために、日本全国から集まったアイヌとシサム(和人)がともに力を合わせています」と、多文化共生への思いを伝えています。ウポポイは今後も、さまざまな人と人の交流の中で、受け継がれていく伝統文化の意義をみつめ、新しい創造の可能性を探っていく文化活動を展開していきたいと考えています。
 アイヌ民族は、現在「北海道」と呼ばれるこの土地で、自分たちの文化とその基盤となる土地の記憶を大切に紡ぎながら生きてきました。それに連なる一つの場がウポポイなのです。(文・写真 野本正博=民族共生象徴空間文化振興部長)
※「シサム」の「ム」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/564554

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先住民出身女性が要職に カナダ 総督に初就任

2021-07-09 | 先住民族関連
赤旗 2021年7月8日(木)
「和解への重要な一歩」と意欲
 【ワシントン=島田峰隆】カナダのトルドー首相は6日、同国の総督に先住民出身の元外交官メアリー・サイモン氏が任命されたと発表しました。カナダの総督に先住民出身者が就任するのは初めてです。
 カナダは、旧英領諸国で構成する英連邦に属し、国家元首は英国王です。カナダの総督は、英国王がカナダ国王として任務を行う際の代理です。首相の推薦に基づいて、英国王が任命します。
 サイモン氏はケベック州北東部出身の先住民。デンマーク大使のほか、先住民族イヌイットの全国組織の議長を務めました。
 カナダでは最近、政府の先住民同化政策の一環として設置された寄宿学校の跡地から子どもの遺骨や墓標のない墓が次々と見つかっています。先住民団体は、先住民族の悲劇、懸念や要求を代表できる人物として、サイモン氏の任命を歓迎しました。
 サイモン氏は6日、「カナダの歴史において、とりわけ内省し、行動する時期に任命された」と指摘。「私が任命されたことは、カナダにとって歴史的で、感情を揺さぶる出来事だ。和解への長い道のりの重要な一歩を前に進めるものだ」と意欲を示しました。
 トルドー氏は「カナダは歴史的な一歩を進めた」と強調。「われわれはサイモン氏のような指導者を要職にもっと就ける必要がある。現実の課題に取り組み、前向きな変化を生み出す指導者たちだ」と語りました。
 前任者のジュリー・ペイエット総督は今年1月、部下へのパワハラ疑惑を受けて辞任していました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-07-08/2021070807_02_0.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カナダで2つの長距離高速輸送計画が前進(カナダ)

2021-07-09 | 先住民族関連
ジェトロ 2021年07月08日
カナダのオマー・アルガブラ運輸相は7月6日、ケベックシティ、モントリオール、オタワ、トロントを結ぶ新たな高速旅客鉄道サービスの構築に向けて、調達準備に入ることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。
同区間で旅客鉄道サービスを提供しているカナダVIA鉄道のウェブサイトによると、現在、貨物列車(注)と線路を共有していることにより発生している運行スケジュールの遅延や、運行本数の少なさなどの課題を解消する計画となっている。新たな旅客列車専用線路を敷設することで、旅客・貨物列車ともに、信頼性の高い輸送手段を提供することとなり、道路渋滞の解消にもつながるとしている。
列車は最高時速177キロで走行し、25%の時間短縮を目標としている。これにより、オタワからトロントまで約450キロの現在の所要時間が約4時間30分から3時間15分に短縮されるという。
今後は、先住民族のグループやコミュニティーからプロジェクトに関するフィードバックを得ることから着手。また、民間事業者と協力して輸送容量を含む最良の提供モデルを完成させ、今秋に調達プロセスの提案依頼を開始する予定だとしている。
アルガブラ運輸相は「トロントからケベックシティまで、より速く、より信頼性が高く、より頻繁で、よりクリーンな輸送サービスを提供することにより、旅客鉄道サービスを変革する可能性を秘めた大規模な輸送プロジェクト」と強調した。
ただし、モントリオール~トロント間の高速鉄道計画は、過去数十年間に何度も持ち上がっては消えてきた歴史があるため、市民にとって目新しい話題ではないようだ。
また、6月には、アルバータ州の最大都市カルガリーと州都エドモントン間の約300キロを結ぶ超高速輸送ライン、ハイパーループの実装に関する実現可能性調査が完了したとの報道があった(CBCニュース6月25日)。ハイパーループは、列車のようなポッドで磁気チューブを往復することで、2都市間を最高時速1,000キロ、約45分で結ぶという。
カナダで進行する2つの長距離高速輸送計画。既存の鉄道サービスの向上か、革新的技術の導入か、どちらが先に実現するか、今後の動向が注目される。
(注)カナダの貨物輸送は、カナディアン・ナショナル鉄道とカナダ太平洋鉄道の2大鉄道事業会社が行っている。(江崎江里子)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/07/64144095647b66fa.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする