北海道新聞06/27 14:54
私事で恐縮ですが、わが家の寝室からは羊蹄山を一望できます。目を覚まし雄大な稜線(りょうせん)が視界に入ると、毎朝この一節が脳裏をかすめます。「朝、目覚めたら『生きること、考えること、楽しむこと、愛すること』の特権に思いをはせよ」。ローマ帝国五賢帝の一人マルクス・アウレリウスが著した「自省録」の一節です。
「後志地域に住み、生活をしている」こと。それはなんて、恵まれたことなのだろう…と。
私のスマートフォンには、羊蹄山の写真が多く保存されています。週に何度も、山が見せる特別な光景に目を奪われるからです。ある時は雲が形作った冠を頂にかぶり、太陽が放つピンクやオレンジの光をまとって輝く。別の時は美しい青空や紫色に染まった夕焼けの空を背景に、完璧なシルエットが浮き上がります。
雪に覆われる冬、緑に囲まれる夏、そしてその合間の春と秋。季節ごと、日ごとに、時間ごとに新しい光景が生まれ、私はその瞬間を捉えようと時を忘れて撮影にふけるのです。
過去、この地に多くの人々が移り住んできました。背景には、人々を魅了してやまない羊蹄山の力があると感じます。この山は、アイヌ民族にとっても古くから神聖で特別な存在であったとも聞きます。
冬の休暇を過ごすため訪れる外国人客は「雲一つ無い山頂を眺めることができれば、あなたは幸運だ」と聞かされ、雲が消える度にカメラやスマホを取り出して撮影に夢中になります。 そう、羊蹄山は今や、日本のスキーリゾートを象徴する存在となりました。
ニセコが有名になった理由としてはパウダースノーやおいしい食べ物、フレンドリーな住民たちの存在などが挙げられます。それに加えこの山が持つ、名状しがたい神秘的な力も、大きく影響していると思うのです。羊蹄山は後志地域にとって特別な存在であり、自然の宝なのです。(powderlife編集長=オーストラリア出身)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/560356
私事で恐縮ですが、わが家の寝室からは羊蹄山を一望できます。目を覚まし雄大な稜線(りょうせん)が視界に入ると、毎朝この一節が脳裏をかすめます。「朝、目覚めたら『生きること、考えること、楽しむこと、愛すること』の特権に思いをはせよ」。ローマ帝国五賢帝の一人マルクス・アウレリウスが著した「自省録」の一節です。
「後志地域に住み、生活をしている」こと。それはなんて、恵まれたことなのだろう…と。
私のスマートフォンには、羊蹄山の写真が多く保存されています。週に何度も、山が見せる特別な光景に目を奪われるからです。ある時は雲が形作った冠を頂にかぶり、太陽が放つピンクやオレンジの光をまとって輝く。別の時は美しい青空や紫色に染まった夕焼けの空を背景に、完璧なシルエットが浮き上がります。
雪に覆われる冬、緑に囲まれる夏、そしてその合間の春と秋。季節ごと、日ごとに、時間ごとに新しい光景が生まれ、私はその瞬間を捉えようと時を忘れて撮影にふけるのです。
過去、この地に多くの人々が移り住んできました。背景には、人々を魅了してやまない羊蹄山の力があると感じます。この山は、アイヌ民族にとっても古くから神聖で特別な存在であったとも聞きます。
冬の休暇を過ごすため訪れる外国人客は「雲一つ無い山頂を眺めることができれば、あなたは幸運だ」と聞かされ、雲が消える度にカメラやスマホを取り出して撮影に夢中になります。 そう、羊蹄山は今や、日本のスキーリゾートを象徴する存在となりました。
ニセコが有名になった理由としてはパウダースノーやおいしい食べ物、フレンドリーな住民たちの存在などが挙げられます。それに加えこの山が持つ、名状しがたい神秘的な力も、大きく影響していると思うのです。羊蹄山は後志地域にとって特別な存在であり、自然の宝なのです。(powderlife編集長=オーストラリア出身)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/560356