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聖火式典には代表2人のみ 白老のウポポイ職員と札幌の中学生

2021-06-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/08 23:48
 東京五輪・パラリンピック大会組織委と道は8日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、道内18市町で13、14日に予定していた五輪の聖火リレーを中止し、代わりに胆振管内白老町と札幌市で無観客開催する点火セレモニーの内容を発表した。206人のランナーリストも公表したが、式典参加は各日、代表1人のみとした。
 会場はリレーのゴールだった場所で、13日が白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」、14日が札幌市中央区の北3条広場(アカプラ)。代表ランナーはウポポイが同町のアイヌ民族文化財団職員山道ヒビキさん(32)、アカプラは同市立陵陽中2年の湯川総夢さん(13)。組織委は「会場に近く、かつ若いランナーから選んだ」としている。
 式典ではトーチにともした聖火をステージ上の聖火皿に移して聖火の到着を祝う。また式典に参加できなかったランナーの名前が読み上げられる。
 道内の聖火リレーは当初、13日が函館―白老、14日が苫小牧―札幌で途中、消・点火を同時に行って根室などに飛び火させ、計18市町を巡る計画だった。道内への緊急事態宣言が今月20日まで延長されたため、鈴木直道知事はリレーを中止し、無観客のセレモニーのみ行う考えを示していた。
 セレモニーは動画サイトhttps://hokkaido-ceremony.com/でライブ配信する。(犬飼裕一)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/553310

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先住民族「強制収容所」に埋まる大量の遺骨――それでもカナダが先進的な理由

2021-06-09 | 先住民族関連
ヤフーニュース 6/8(火) 7:03

先住民族の代表と並ぶトルドー首相(2015.12.8)(写真:ロイター/アフロ)
カナダで先住民族の子どもが集められていた「強制収容所」の跡地が発見された。
これは先住民族を「同化」の名の下で迫害してきたカナダ史の暗部を浮き彫りにした。
ただし、自らの暗部に意識的に取り組む点で、カナダ政府は誠意ある態度を示してきたともいえる。
 カナダで先住民族迫害の歴史が明らかになりつつあるが、それでも過去と正面から向き合おうとするだけ、カナダ政府はまだましともいえる。
小さな遺骨の集団
 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州で5月28日、かつて先住民族を集めて教育していた寄宿学校の跡地から215人分の子どもの遺骨が発見された(日本では「先住民」と呼ばれやすいが、英語のindigenous peopleは「先住民族」が正しい訳)。
 なかには3歳くらいの遺骨まであり、現地の先住民族の代表は「想像を絶する犠牲だ」と語っている。
Remains of 215 children found at former indigenous school site in Canada
https://www.youtube.com/watch?v=4XNQJswDQuE&t=1s
この発見はカナダ史の暗部を象徴する。
 カナダではイギリスの植民地だった1874年、先住民族の同化を進めるため、子どもをキリスト教に改宗させ、英語やフランス語(ケベック州では公用語がフランス語)で教育を行なう寄宿学校が各地に建設され、その数は最盛期には139校にのぼった。第二次世界大戦後、段階的に縮小されたものの、こうした学校は最終的に1996年まで、いわばごく最近まで運営されていた。
親元から強制的に引き離された子どもたちは、粗末な建物での集団生活を余儀なくされ、食料や医薬品は十分でなく、体罰や性的虐待も常態化していた。今回、先住民族のグループが専門家の協力のもと、地中レーダーを用いた調査で、歴史の暗部を明るみに出したのであり、発見された遺骨のほとんどは1900年頃から1971年頃までのものと鑑定されている。
カナダ社会に広がる衝撃
 この発見はカナダ社会に大きなショックを与えた。トルドー首相は「これは我々の国の暗い、恥ずべき歴史の一幕を思い起こさせた」と述べ、各地の政府庁舎で半旗を掲げるよう命じた。
 その一方で、寄宿学校の約70%を運営していたローマ・カトリック教会の責任も問われている。カナダ政府の先住民族管理局(Indegenous service)のミラー大臣は6月3日、「強制収容所」跡の発見があってもカトリック協会からいまだに公式声明や謝罪が出ていないことを「恥ずべきこと」と述べた。
 これに対して、バンクーバーの大司教がSNSに謝罪を投稿したが、バチカンからは反応がないままだ。
近代国家に押し潰された人々
 近代以降、国家建設のプロセスで、文化的マイノリティが同化を強制されることは各地でみられた。これは「国民」意識を作るものではあったが、結果的に先住民族などへの差別をさらに強めるものでもあった。
Canada's Dark Secret | Featured Documentaries
https://www.youtube.com/watch?v=peLd_jtMdrc
 その意味で、カナダの「強制収容所」で死亡した多くの先住民族の子どもは、近代国家に押し潰された人々の一つの典型ともいえる。
 カナダでは現在も先住民族の所得が全体的に低く、アルコール中毒や犯罪にかかわる者が目立つが、開拓時代からの差別的な扱いはその大きな背景になっている。さらに、近年では先住民族に対するヘイトスピーチなども問題になっている。
 ただし、あえていうと、カナダは比較的「まし」な部類に入る。それは被害者の数や規模をいっているのではない。過去の闇と向き合う姿勢のことだ。
カナダの「文化的ジェノサイド」
 そもそも今回の発見は、突然あるいは偶然やってきたわけでなく、これまでに進められてきた、先住民族弾圧の歴史を振り返る作業の延長線上にあるものだ。
10th anniversary UN Declaration on the Rights of Indigenous Peoples
https://www.youtube.com/watch?v=yhw5Ko0o5xE&t=1s
 国連総会は2007年、「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択し、先住民の権利回復を目指すことが確認された。宣言の採択以前、カナダはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド(どれも大規模な開拓の歴史を持つ国)とともに、これに反対していたが、採択後はむしろ率先してその実行に当たってきた。
 カナダ政府は2008年、過去の先住民に対する扱いを公式に謝罪し、実際に何が行なわれたかを究明する組織として真実和解委員会を発足した。この委員会は生存者からの聞き取りや歴史文書の調査などを踏まえて2015年に最終報告書を発表し、6000人以上の子どもが寄宿学校で死亡したことなどを明らかにしたうえで、当時の政策を「文化的なジェノサイド」と公式に認めた。
 さらに真実少委員会は、こうした調査報告を踏まえて、まだ発見されていない寄宿学校の跡地の発掘など94項目のプロジェクトを提案した。2015年に就任したトルドー首相はその全ての実施を約束しており、例えば2019年には発見されている寄宿学校や子どもの特定などの事業に3380万カナダドル(約28億円)の資金を拠出するなどの取り組みを進めてきた。
 このようにカナダ政府は、自らの暗い歴史と向き合ってきたのであり、まだしも誠意ある態度といえる。
自国を賛美するだけが愛国か
 逆に、多くの国では過去の闇と正面から向き合うことへの抵抗も目立つ。
 例えば、やはり開拓の歴史をもつアメリカでは、2009年にオバマ大統領(当時)が先住民族に対する過去の暴力や虐待を公式に認めて謝罪する法案に署名した。
 しかし、トランプ前大統領には黒人やアジア系だけでなく先住民族に対しても差別的な言動が目立ち、2018年には先住民族の血を引く民主党エリザベス・ウォーレン上院議員に対して、その出自が疑わしいと述べたうえで「DNA検査を受け、インディアン(先住民族)だと判明したら、希望の慈善団体にトランプの名前で100万ドルを寄付する」などと揶揄・挑発して、人権団体や先住民族の団体から抗議を受けた。
 「アメリカを再び偉大に」と叫んだトランプ氏にとって、白人による暗い歴史を暴くことは「非愛国的」なのかもしれない。しかし、最高責任者によるこうした言動は、政府や社会をあげての取り組みを無に帰すに等しい。
無邪気と邪気の共通点
 そこまで攻撃的でないとしても、日本もまた他人事ではない。
AINU: Indigenous Peoples in Japan
https://www.youtube.com/watch?v=fKZOmRNarj8
 日本政府は長く北海道のアイヌ民族を「先住民族」と認めてこなかったが、国際的な関心が高まるなか、2019年にようやくこれを認める「アイヌ新法」が成立した。しかし、アイヌ文化の保全などが謳われる一方、日本政府から公式の謝罪はないままだ。また、明治以来、「研究目的」としてアイヌの遺骨が持ち出されることもあり、そのなかには大学の研究室などに保管され続け、遺族のもとに戻っていないものもある。
 こうした状況は、あたかも先住民族の苦しみなど日本には関係ないものとして意識されやすい。
 日本テレビの番組内で3月12日、某お笑い芸人によるアイヌに差別的なネタが炎上した時、日本テレビは「制作にかかわった担当者に差別という認識が不十分だった」と釈明した。しかし、そうだったとしても、テレビ局が(しかも全国ネットで)無意識・無邪気・無知な差別を垂れ流したことは、先住民族に対する日本の認識の象徴でもある。
 過去と向き合う姿勢が乏しい点で、先住民族への無理解は意識的ヘイトと大差ないといわざるを得ないだろう。
六辻彰二 | 国際政治学者
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20210608-00241882/

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「あらゆる虐待を受けてきた」 カナダの先住民寄宿学校問題、生存者が語る

2021-06-09 | 先住民族関連
BBC 2021年6月7日

カナダで先住民同化政策の寄宿学校跡地から未成年215人の遺体が発見された問題を受け、国内外で批判が広がっている。
5月27日に遺体が発見されたのは、西部ブリティッシュコロンビア州カムループスの先住民寄宿学校の跡地。遺体の中には3歳児も含まれていた。
カナダでは19世紀から20世紀にかけ、政府とキリスト教の教会団体が先住民寄宿学校を運営し、同化政策を行っていた。
カナダ政府は2008年に正式に、この同化政策について先住民に謝罪している。
一方、こうした学校を数多く運営していたキリスト教カトリック教会は、直接の謝罪をしていない。
そうした中でローマ教皇フランシスコ1世は6日、遺体発見に心を痛めていると発言。
カナダの政治家と宗教指導者らに対し、今回の発見の真相究明と、和解と癒しの道を見つけるために「決意を持って協力」するよう呼びかけた。
寄宿学校の生存者ジェラルディン・リー・シングースさんがBBCの取材に応じ、在校中に受けた虐待について語った。
動画:ダン・リトウィン
https://www.bbc.com/japanese/video-57380637?xtor=AL-72-[partner]-[jb.press]-[headline]-[japanese]-[bizdev]-[isapi]&fbclid=IwAR1SIkOXA4_hyxQ2Phtm8A4YAx4iBFGq-H3biu3-9CEfPRJITaJMYNIDqio

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