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アイヌの豊かな服飾文化を紹介 ― 渋谷区立松濤美術館で「アイヌの装いとハレの日の着物」

2021-06-27 | アイヌ民族関連
インターネットミュージアム 2021年6月25日

渋谷区立松濤美術館「アイヌの装いとハレの日の着物」会場
アイヌの服飾品の展示を通じて、アイヌ民族の服飾文化を2章構成で紹介する展覧会が、渋谷で始まる。
展覧会は、2020年7月に北海道白老町に開館した国立アイヌ民族博物館の開館1周年を記念した企画。
第1章「アイヌの装い」では、樹皮衣(アットゥシ)や草皮衣などの着物で、アイヌの衣服の素材の多様性を明らかに。
またルウンペ(色裂置文衣)、カパラミプ(白布切抜文衣)、チカルカルペ(黒裂置紋木綿衣)などによるさまざまな刺繍で飾られた木綿衣を通じて、アイヌの意匠の豊かさに触れる。
第2章「ハレの日の着物」では、噴火湾沿岸の地域に特徴的なハレの日の着物のひとつ、ルウンペを紹介。
絹や木綿などの布を切り伏せ、華やかで独自の文様が施されたルウンペから、伝統的な技術を守りながらも今の時代にあったアイヌ文様の美しさを作り出すアイヌ文化の特質に迫る。
「アイヌの装いとハレの日の着物」は渋谷区立松濤美術館で2021年6月26日(土)~8月9日(月・祝)に開催。入館料は一般 700円など。
https://www.museum.or.jp/news/103064

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数千人の子供が行方不明、寄宿学校跡に数百の遺骨…同化教育の先住民か

2021-06-27 | 先住民族関連
読売新聞 06/26 14:25

 【ロサンゼルス=渡辺晋】かつて先住民族に対する強制的な同化教育が行われたカナダで、複数の寄宿学校の跡地から計数百体の遺骨などが相次いで見つかった。数千人の子供の行方が分からなくなった経緯があり、「人道に対する犯罪だ」などと衝撃が広がっている。トルドー首相は「心が痛む。我々は真実を認め、過去から学ばなければならない」とする声明を出した。
 カナダ中西部サスカチワン州カウエセスの寄宿学校跡地では、墓標のない751の墓が見つかった。先住民族のグループが24日に記者会見し、公表した。6月上旬からレーダーによる地中調査が行われ、10%程度の誤差を考慮しても、少なくとも600体が埋められ、多くが子供とみられるという。
 西部ブリティッシュ・コロンビア州カムループスの寄宿学校跡地でも先月末、215体の子供の遺骨が発見された。最大の寄宿学校とされ、さらに増える可能性もある。
 カナダでは1800年代後半から100年以上にわたり、ローマ・カトリック教会が運営する約130の寄宿学校で、親から引き離された先住民族の子供約15万人が同化教育を受けた。独自の文化や言語が禁止され、キリスト教の信仰を強いられたという。
 カナダ政府は2008年、寄宿学校で身体的・性的な虐待が横行していたと認め、謝罪していた。同化教育の過程で数千人の子供が死亡したとされ、同国の「真実と和解の委員会」が15年に公表した報告書は「文化的ジェノサイド(集団殺害)」と指摘していた。
 寄宿学校で同化教育を経験したという女性は24日の記者会見に同席し、「私たちは学校で自分のことを嫌いになる方法を学ばせられた。影響は今も残っている」と訴えた。
 先住民族の団体はカナダ政府に対し、寄宿学校の跡地の徹底調査などを要求。国連の特別報告者も、政府とカトリック教会に調査を求めている。
https://article.auone.jp/detail/1/4/8/162_8_r_20210626_1624686222031457

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【本ナビ+1】ライター、永青文庫副館長 橋本麻里 人類の根源的営みに迫る『膠を旅する』

2021-06-27 | 先住民族関連
産経新聞 2021/06/26 08:00

『膠を旅する』内田あぐり監修(国書刊行会・4180円)
短冊状、あるいは棒状に形を整え、透き通った鼈甲(べっこう)色を呈する薄片。同じ色を湛(たた)えながら、それが何に由来するかを示唆するように、生き物の形を残したままの乾皮。かすかに漂う有機物の匂い。この6月20日まで武蔵野美術大学美術館で開催されていた、「膠(にかわ)を旅する 表現をつなぐ文化の源流」展の一幕だ。
膠は、動物や魚の皮、骨、内臓を原材料とするコラーゲンから抽出されたゼラチン質を主成分とする。一般にも身近なところでは、煮こごり料理も膠の一種。食用のみならず医療用、工業用と、その用途は幅広く、利用の歴史も古い。中国では紀元前4000年頃、エジプトでは紀元前3000年頃から、多様な用途の接着剤として用いられ、日本へは7〜8世紀頃にもたらされた。何より現在では、日本画の絵の具(顔料)を基底材(和紙、絹布など)に定着させるための接着剤として、不可欠な材料となっている。
だが他のあらゆる伝統的な技術と同様、この膠の製造も危機にひんしていることから、武蔵野美術大学教授(現在は名誉教授)で日本画家でもある内田あぐり氏を中心に、画家や研究者たちの取り組んだ共同研究の成果が、まず本の形にまとめられ、さらに実物の展示へと繫(つな)がった。
生物資源の利用は、人類の根源的な営みだが、現代では他者の命をもらい受ける「現場」に触れる機会は少ない。北方先住民族の生活文化から始まった調査は、日本語の語源とされる膠=煮皮の語の通り、原材料となる牛、豚の解体、皮革産業やそこに従事する人々の歴史と文化、そして日本画の来し方行く末まで、広く、深く、目を配る。お堅い論文というより、優れたドキュメンタリーやルポルタージュのように膠へと迫る、得がたい一冊だ。
『完本 仏像のひみつ』山本勉著、川口澄子イラスト(朝日出版社・2090円)
東京国立博物館での展示をもとにまとめられ、好評を博した既刊『仏像のひみつ』、続刊『続仏像のひみつ』に大幅加筆の上、完全版として刊行。羅列された名称をしゃにむに覚えるのではなく、未熟であっても「研究者と同じ視点」で仏像を見る(結果的に本質的な理解につながる)ための方法を教えてくれる。

はしもと・まり 神奈川県生まれ。新聞、雑誌への寄稿の他、NHKの美術番組を中心に日本美術を楽しく、わかりやすく解説。
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-_life_books_UAZX5OMEK5MT5LB6FOL2RKH2K4.html

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